中国カルチャー気になる…
今私の中で中国がアツい…
中国映画、音楽、食べ物、今まであまり深くは触れてこなかったけど(かつてのK-POP推しグループの推しメンバーが中国人だったくらい)、ここ2ヶ月くらいで急にぞっこんになっている。
映画『少年の君』 ※ネタバレあり
そのきっかけは、新宿武蔵野館で観た中国映画『少年の君』(2019/デレク・ツァン監督)だ。これを観ようと思ったきっかけはなにかはっきり覚えていないが、そのあたりで台湾映画を観ていたこともあり、そういえば中国・香港の作品についてはあまり知らなかったなと思ったこともあると思う。
アカデミー賞国際長編映画賞ノミネートということや、TBSラジオ『アフターシックスジャンクション』の映画批評コーナーで紹介していたこともあり、期待値高めで観に行ったら、期待以上だった…。
苛烈な受験戦争、貧困の差、壮絶ないじめなど、多くの社会問題の中で出会う、2人の色んな表情や言葉に感情が揺さぶられた。2人が笑うとこちらも嬉しくなる感じ。
優等生のいじめられっ子と不良少年が次第に惹かれ合うという、あらすじだけ読むとベタな物語なように思えるが、飛び抜けて美しく、心に残り、とにかく涙が止まらなかった。中国や他の国でもあるいじめ問題を一番の題材としていて、エンドロールには出演者による啓発的呼びかけがあり、映像の美しさやストーリーに感情移入しているときに、すっと我に返ってしまう感じもあったが、後々中国映画の実情について知るうち、制作する上でそれを入れることがマストだったのかもと思っている。
2人がそれぞれ孤独や痛みを抱えている場面と、2人が一緒にいるシーンの明るい未来を感じさせる光のような画の明暗の対比がとても綺麗だった。
ところでこの2人とは、主人公の女子高校生と不良少年のことだが、この2人を演じる俳優の演技がとにかく引き込まれ、なんだこの人達!と思い観終わってすぐ調べた。
女子高校生チェン・ニェンを演じるのは、世界でも注目を集めている俳優チョウ・ドンユイ。92年生まれということに驚いた。30歳でありながら、高校生を演じ、全く実年齢を感じさせなかった。(年上の俳優にいうことかわからないが、チョウ・ドンユイさん自体がとてもかわいい…)もう完全に虜になった。この映画で彼女は坊主頭になるのだが、「それをするならスタッフも一緒に!」とスタッフも道連れにしちゃう無邪気エピソードがホッコリする。
そして不良少年シャオベイを演じるのは、チョウ・ドンユイの8歳年下のイー・ヤンチェンシー。ちょっとこの人演技すごくないか…?この孤独を抱えた悲しい目はなんだ…気になる俳優だな。と思いパンフレットを観ると(というか映画を観る前に聴いたTBSラジオアトロクでちらっと彼について聴いてはいたが)彼はTFBOYSというアイドルグループのメンバーとして活動していた。アイドルということにまず驚き。アイドルの沼にすぐハマる人だから、すぐにYouTubeやAppleMusicでチェック。そもそも韓国でアイドルをしている中国人はよく知っていたが、中国発のアイドルグループはまず知らなかった。
ジャニーズ事務所のシステムを参考にしたらしく、幼い頃から活動をし、ファンが成長を楽しんで応援するような、日本のアイドルでよくある形のグループらしい。そのため、何年か前のMVを観るととてかわいらしくて微笑ましくみてしまう。
その彼が『少年の君』であんなに難しい役を演じているのがもう胸アツ…(オタク入っちゃってる)。彼の俳優活動もこれからもっと観たい。
この映画をきっかけに、今の中国映画やさらにはアイドルを知る切っかけになり、内容としても今年の印象的な出来事の一つになった。
中国の食文化ドキュメンタリー
それからというもの、私は中国の文化について知らないことばかりだったんだなと思い、とりあえず帰ってネットフリックスになにか中国のコンテンツがないか…と探っていると
『美味の起源』(2020/ヤン・チェン監督)という1話10分ほどのオリジナルドキュメンタリーを発見。私はある国が気になったらとりあえず食べ物について調べる傾向があるため、すぐに観た。羊の内蔵や胡麻、牛肉麺など中国の食文化に迫った映像作品になっていて、知れば知るほど面白かった。
チョウ・ドンユイ主演のNetflixオリジナル映画!
中国映画にハマったとはいえ、なにから入ればいいのか規模が大きすぎてわからないこともあり、『少年の君』の出演者や監督の作品をまず調べた。チョウ・ドンユイの出演作品は多く、そのうちの一つに、Netflixのオリジナル作品『僕らの先のにある道』(2018/レネ・リウ監督)があった。
故郷を出て都会で生きる若者が恋に落ち別れを経て、10年後に再開する。これまたドンピシャな作品。2人の想いや人生を通じて人間て複雑だなと思いながら、この作品の重要な役割にもなっている主人公男性の父親もすごく良くて…(それにして中国や台湾映画を観ていると親との関係性とかすごく表れているなと思った)。カラーやモノクロの使い方もすごく綺麗で、3年も前に配信された作品なのになんで早く観ていなかったんだと後悔さえあった。
デレク・ツァン監督作品を観るため、いざ横浜へ
先日9月25日。いつもの休日より早起きをして、電車で1時間以上かけ横浜へ…。とにかく楽しみな1日だったからだ。
『少年の君』に感銘を受けてから、デレク・ツァン監督の作品を他にも観てみようと思った(彼は俳優として多くの作品に出演しており、彼の父親も俳優や監督として活躍するエリック・ツァン)。すると、『少年の君』のスタッフチームで手がけ、さらにはチョウ・ドンユイが主演である作品が以前に制作されていたことを知った。パンフレットにもその作品について語る発言があり、すぐにに気になった。『ソウルメイト七月と安生』(2016)だ。
HPを観てみると、この映画が9月後半に横浜のシネマジャック&ベティで公開されることを知り、すぐにスケジュール帳に書き込んだ。チョウ・ドンユイの作品を2つ観て、完全に彼女の演技の虜になったため、わざわざ離れた映画館まで行って観に行かない理由がなかった。
案の定主演2人の演技に感動したもはもちろんのこと、デレク・ツァン監督最高やん!とテンションがあがった。彼の出演作品はまだまだわからないが、監督として手がけた作品を中心にずっと注目したい。
後半の展開にはずっと泣いていたし、20代を生きる女性と友情の話であるからこそ感情移入しているところもあったのかなと思う。『少年の君』と同じく、主人公2人の言葉や表情がずっと心に残り、ヒューマンドラマ好きな私にとってまたまたお気に入りの作品になった。公開劇場が少なかったこともあり、本当に円盤化してほしい…。
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その後は歩いて横浜中華街までいき、蘭州牛肉拉麺をた食べにいった。Netflix『美味の起源』を観た中で印象にのこった麺料理だ。大満足。
ドキュメンタリーを観ていても、映画を観ていても肉まんや麺などごはんがとにかく美味しそうなものばかりで、映像作品をきっかけに中華料理が無性に食べたくなっている。
帰りは花捲やお茶、ラーメン茶碗まで購入(奮発してしまった…)し、家に帰って中国ビールとおつまみで余韻に浸る1日だった。
以前観たA24の映画
少し話がそれるが、中国にハマってから、これまでどういう映画を観てきたかなと思い返したら、アメリカの気鋭の制作スタジオ「A24」の作品『フェアウェル』(2019/ルル・ワン監督)を思い出した。北京で生まれアメリカで育ったルル・ワン監督の実体験をもとにした話で、家族の繋がりを描いている。笑えて愛おしくて、祖母を想って温かい気持ちになる映画だった。アメリカ映画でありながら、ほとんどの言語が中国語であり、国を超え色んな文化を取り込むA24の凄さを感じた。そして国にとらわれず、文化が違っても誰にでもあるテーマについて描いた作品を色んな国の人が楽しめるような作品て素敵だなと思った。
アメリカ制作の話になったが、また見返したくなった作品の話。
中国カルチャー面白い!
まだまだ中国カルチャーについて疎いが、今は大規模なアイドルオーディション番組やラップバトルなど若い世代の動きがすごいらしい。
『チャイナ・ニュージェネレーション中国新世代』(小山ひとみ)に詳しく書かれていて、今の中国カルチャーを知ることができる。
中国にまだまだ知らない、こんなに面白いことがたくさんあるんだとワクワクしている。
まだまだ勉強中…いずれは中国語も習いたい。
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