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ミックステープ 03 A面:4曲目 Enemy / Slant(韓国) The TAPE 03 - side A
ミックステープ:パート3、A面4曲目について。
https://www.mixcloud.com/kiichi-ogura/komemx-the-tape-03-side-a/
Lullaby / Leo Kottke
DAY TRIPPER / YELLOW MAGIC ORCHESTRA
Garbage Pale Kids / JPEGMAFIA
Enemy / Slant
Stick Up / The Hives
Party Girls / Victoria Monét
Too Pure / Cornelius
Mess It Up / The Rolling Stones
bird song / Shimozu Mitsuhumi
4. Enemy / Slant
心から好きな対象を言葉にするには決意がいる。韓国・ソウルのハードコアパンクバンド、スラント。
ミックステープA面4曲目は、彼らのファースト・アルバムから冒頭曲を選んだ。
17分弱に全10曲のファストチューンが整然と納められた佇まいに美しさを感じられずにいられない。この対象に向けられる愛は、レコード店の棚でたまたま12インチを引き当てたときに決定的になったと言っていい。
そもそもバンドの存在を知ったきっかけは、アメリカのロックンローラー、ジェフ・ローゼンストックのメルマガだった。ジェフのレコメンドの1つとしてこのアルバムがピックアップされていた。
歳を重ねてきて信じられるようになったことが一つある。音楽を図る基準として、自分よりも沢山の音楽を聴いてきた人の評価は、いつだって自分の耳に勝るということだ。ジェフは、スティーブ・アルビニとならんで、よき音楽の布教者である。いつだって信用を預ける準備ができている私には、スラントをバンドキャンプで見つけ出し、ダウンロードするまでの手順を面倒がる要素など何もなかった。
同じハードコアパンクバンドとして解散はしてしまったが、私はアメリカの G.L.O.S.S.が好きだ。セカンドEP「Trans Day of Revenge」で人気を決定づけ、メジャーレーベルの契約を獲得した矢先、あっさりと反故にして身を退いてしまったそのスタンス。もう新作はないという事実を突きつけて、残された楽曲とバンドの短い活動期を神格化した。
スラントの音を最初に聞いたとき、G.L.O.S.S. の新作が不意に舞い降りたような感激を覚えた。もちろんボーカルは女性の声だし、サウンドも G.L.O.S.S. よりも洗練されたシャープさがある。
だが、どちらも整然と無駄なく詰め込まれた美しき1枚だ。その価値観は音楽という枠を超えた普遍性がある。肉体死すとも魂は死なずといったら大げさだが、研ぎ澄まされた一つの概念は1ミリの変容もなく受け継がれていくのだと思ったものである。
いま記事を書きながらスラントとG.L.O.S.S. を改めて聴き直している。
やっぱり最高。この、かっこよさ、心から出会えて良かった。
次回は、スウェディッシュ・ガレージの雄、ハイヴスの1曲。
ミックステープはMixcloudで公開中。
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