いつの間にか文章倉庫用サイトが10周年を迎えていた。実感がない！ https://plus.fm-p.jp/u/astatic00r

青の果てには【掌編小説】

　海辺には、季節の移ろいが静かに広がっていた。薄い雲が空一面を覆い、水平線の青色が冷たい空気に溶け込むように淡くにじんでいる。 　サクラの隣で海を眺めるタケルの横顔には、都会で積み重ねた疲れが影を落としていた。帰省も束の間、明日にはまた遠くへ行ってしまう。 「いつでも帰ってきていいのよ」 　サクラは寂しさを隠し、彼に笑顔を見せる。 　彼は視線を一瞬だけこちらに向けると、無言のままマフラーを外し、サクラの首に巻いた。その布地に残る温もりが、じんと心に沁みる。行かないで――そう願

【お品書き】12/1文学フリマ東京39に出展します！【あ３５】

こんにちは。米森らとかです。 noteで日記書くつもりでしたが全然かけてないまま年が終わろうとしています。三日坊主が過ぎる。 さて、本日はお知らせをしたく。 12/1開催の文学フリマ東京39に出展します！！ お品書きとサークルの場所 [エリア詳細] 西４ホール サークル番号：あ３５ サークル名：OKMWorks 大衆小説エリアにおります。 （毎回申し込みジャンル悩むんですよね……） 当日はポスターも掲げる予定です！ 文学フリマ39の概要はこちら。 そもそも文学フリ

12/1文学フリマ東京39に…出ます！ ブース番号はあ35　OKMWorksです。 ということでこっちでも宣伝していきますのでよろしくお願いします！ 今のところ新刊のサンプルをnoteに載せるか自サイトに載せるか悩み中。

低用量ピル飲み始めてもうすぐ1年なので経過と感想を書いてみる

こんにちは。米森です。 早速ですが、今回は、低用量ピルの使用を始めて1年経った今、体調面での変化や感想を書いてみました。だれかの参考になれば…。 ⚠注意 この記事は、一患者としての感想であり、 医学的な知見に基づいての内容ではありません。 また、話題的に体調不良の話なので嫌な予感がしたかたは回れ右してください。 飲み始める前の症状 私が感じていたのは主にこちら。 ・生理不順 短くて20日間、長くて60日間周期で来る。また、一日二日の不正出血もあり。旅行の予定立てるた

ゆったりまったりのんびり（2023年の創作振り返り）【創作TALK】

こんにちは、あるいははじめまして。米森です。 早速ですが、ここ近年続けている一年の創作振り返りをつらつら書いておこうと思います。 とはいえ、今年そんな活動してないんですよね…… 今年のまとめ ５月に文学フリマ東京に出店しました。 当時の記事はこちらから↓ 久々の出店で慌ただしくも楽しかったです！ ５月に通販分も完売しましたので、先日（2023/12/29）に自サイトにも製本作収録しました。 再録①行き止まりの道に音楽は鳴らない これは私が、一番ましなバッドエンド

文学フリマ36出展レポと、これからの活動について

お久しぶりです。あるいははじめまして。米森（よねもり）と申します。 一次創作小説を書いて、年１回くらいのペースでコミティアや文学フリマに出展しています。 さて、今回はタイトルにあります通り、文学フリマ東京36に出展したときの振り返りと、あと今後の自分の活動方針について書き留めてみた記事になります。自分用の備忘録も兼ねています。 そもそも文学フリマってなに？ です。（公式から引用） 東京、大阪、京都、福岡、岩手、札幌などで開催されており、今回のこの記事は文学フリマ東京36

初めまして、内臓見せてください～第２回創作星占い鑑定レポ～

初めまして、あるいはご無沙汰しております。 米森と申します。 気が付けば2022年もあと4か月で終わり。皆様いかがお過ごしでしょうか。 noteには全然来れていなかったですが……、私は仕事でゴリゴリ削られつつもそこそこ元気にしております。 さて、タイトルの件につきまして 2022/1/16に水煮先生（@mizuni_can）の西洋占星術×創作占いを受けてきました。下記リンクは前回のレポです。 お送りした文章は中編一つと、長編一部抜粋版です。文字数制限ぎりぎり攻めました、せ

天変地異（2021年創作振り返り）

はじめまして、あるいはこんにちは。お久しぶりです。 米森らとかです。 さて、早速ですが2021年の創作活動もろもろの振り返りです。 なお画像は特に関係ないです。 では行きます！ 創作面の振り返り 趣味の振り返り 来年の目標 総括 １、創作面の振り返り今年書いた文章は以下です。 ・短編：行き止まりの道に音楽は鳴らない 音楽ネタの集大成の本を作ろうとしていて（来年発刊目標）、それを念頭に書いたものです。 製本版はテキレボEX2というオンラインイベントで頒布もしまし

4月新刊のあとがきのようなもの

4月に同人新刊出ました↓ 行き止まりの道に音楽は鳴らない 全然こちらでは宣伝してませんでした。 (忘れていた) なので今更ながらあとがきのようなものと、今年の目標の話。 あとがき(のような何か)新刊「行き止まりの道に音楽は鳴らない」 ～あらすじ～ 私こと 清葉（きよは） は、有名なピアノ教師を母に持つ高校生。 将来は母の跡を継ぐことを期待されている けれど、清葉には母ほどの才能がなく、ピアノを続けることに限界を感じていた。 それでも、母の期待、大好きな先生の好意、そして「

小説の感想で「登場人物に共感できなかった」と言われても特に思うところはないのですが、そうではない方が多いのかは気になる。登場人物を自分の子供だと思うと共感してほしいかもしれない。ただ、私にとって登場人物たちは愛着はあれど他人。共感できないときもある。理解はするようにしていますが。

時として愛は呪縛だ【創作小説】

　昨日まで黄金色に輝いていた野原が、今日は曇天の下に広がっている。さりとて憂いは何もない。そのはずだった。 　鈍色の空から零れる雨粒。貧相な佇まいのバス停で、俺は来もしないバスを待ちながら煙草に火をつける。淀んだ空気に煙がじわりと昇っていく。 　十数年ぶりの郷里は不自然なほどに優しいものだった。あらゆる記憶が美談として語られる様子はさながら走馬灯のよう。酔えぬ酒でひび割れた唇を潤し、俺は人形としてそこに在って微笑み続けた――彼女が隣に座るまでは。 「あなたをずっと愛しています