2024/11/18 mon prof dans le futur
伴奏科新任教授セレクションの日。
先に書いとく。めちゃくちゃ面白かった。こんなにワクワクしたの久しぶり。
6人の候補者はキャリアもそれなりにあるだろうに何のキャリアもない私たちにも審査される。なんていうか、キャリアってこうやって積んでいくんだっていうのを目の当たりにした。彼らは音楽家として成功するためにこうやって1枠しかない枠のために命を削ってる。カッコよかったし、私もこういうことをしなければいけないレールに乗ってるんだなっとも思った。
まずピアノソロ。2人の演奏に心を動かされた。私の判断基準が何なのか考えたが、「音色が多彩」が1番かもしれない。
その後クラリネットとソプラノの伴奏。どっちも得意そうな人とどっちかだけの人がいた。実際に一緒に演奏したクラリネット奏者とソプラノ歌手と話すことができ、意見を聞いたら私のイメージと違うことも多々あった。総じてアンサンブル能力は全員素晴らしかった。
続けて模擬レッスン×2。ブラームスのヴァイオリンコンチェルトとモーツァルトのオペラ。9月から伴奏科に入った身としては「伴奏のレッスン」の定義をまだ明確に持ててなく、判断が難しい。テクニカルなこと?合わせ的なこと?ソリストにも結構言うか?それとも形式的なこと?まあ全部なんだと思う。総合的に音楽を形成するのに必要なことは全部。だから、この2つのレッスンでいかに色んな方向から言うかという点が私の中で大事だったように思う。
ちなみに「彼らの演奏を聴く→レッスンを受ける」という流れで1つ気付いたことがある。そんなに演奏が好きじゃなくてもレッスン中に「なるほど」と思えばその人を教授として起用する価値は十二分にあること。良い演奏者じゃなくて良い指導者。これに尽きる。まあ良い演奏者であればなおよし。
私は3人の候補者からブラームスのヴァイオリンコンチェルトのレッスンを受けた。
1人目はコレペティとして名を轟かせてる人だったからどんなことを言われるのかドキドキしてた。けど意外や意外、めちゃくちゃ良いレッスンだった。まず、コレペティっていう職業が半分指導者みたいな人だからか全てが明確かつ効果的だった。私が弾きにくそうにしてるところを静かに感じとって練習方法を教えてくれた。練習方法まで教えてくれる人はこの人だけだったかもしれない。
2人目のレッスンはあんまり充実感がなかった。合わせ的なことをほとんど言わなかった。せっかくソリストがいるのにほとんどどうやったらオーケストラ的に弾けるかってことだった。それ自体はとても勉強になった。
3人目。6人の中でも年上?な感じで落ち着いててレッスンも慣れてる風だった。「なるほど〜」と思うような面白いインフォメーションをたくさん与えてくれた。そしてそれがアンサンブルする時に大事だということまで体験させてくれた。ただ、いろんな質問されたり指揮をさせられて、1番恥ずかしい思いはした。これは自分の至らなさだけなので何の問題も無し。毎週この人のレッスン受ければ伸びる。
受けなかった他の3人について軽く書いておくと、1人目は伴奏よりソリストって感じ(それ自体は良いが指導するまでの知識と経験はないのかも?)、2人目はロジカルで良いけどもっとフレキシブルな感じが欲しい、3人目はレッスンも演奏も素晴らしかった。
歌の伴奏と楽器の伴奏はあまりにも違う。現に多くの伴奏ピアニストがどれか1つ(歌や楽器1つ)に絞って活動しているのがそれを体現しているように思う。とすると、今歌系の先生の方が多いから器楽が得意な人が良いのかも…
全てのプログラムが終わり、最後は審査員の前で学生3人が思ったことを発表。そんな場があるなら先に言ってくれよ。真面目にメモでも取ったのに。1日中頭を使い果たした後に6人1人ずつに対する感想をフランス語で言うのはまあまあしんどかった。さすがにフランス語が下手かった。
でもいいよね、このシステム。未来の生徒である私たちの意見をダイレクトに聞いてくれるなんて。そして1人の教授を選ぶために外部の審査員、演奏者9人を雇うというお金の使い方が素晴らしい。そこまでして選ぶ価値のあるポストなんだよね。
つらつら書きましたが(今までで1番の文字数!)、私はある1人の参加者に半ば恋したというくらいピンと来ました。ぜっったいにあの人のレッスンが受けたい!内容も、演奏も、おそらく人柄も私が好きな人。
審査員の前でいろいろ言いそびれたことはあるんだけど、これだけは言えて良かった。「○○が1番好きでした。素晴らしい音色を聴いて、単純に"この人から習いたい"と思いました。」
ほぼ懇願。
結果が楽しみだ…!
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