#42. お得なお金か、ハッピーな時間か
お気に入りのスーパー
私にはよく行くスーパーがある。そこはお野菜が新鮮だし、値段も安くて、とにかく商品の並び方が独特で、心地良い。
並び方が独特というのは、スーパーの並びがちょうど自分が買いたいものから順に置いてあるから、他のスーパーに行くとよくある、何周もぐるぐる回って結果1時間くらい買い物に時間を使ってしまう、なんて事が絶対に起こらずに済む。
コンビニの配列は、入口から左側に雑誌・飲み物・お弁当、のように並んでおり、よく売れる商品はほとんどの場合、レジ近くや最後に配置されている。
それは、店内を周りながらたくさんの商品が目にとまりやすく良く売れるから、というちゃんとした理由がある。
人間には「左回りの法則」があるらしく、そこに従って作られているお店が多いという。
右回りが好きな左利き
ただし、私が行きつけの某スーパーは、右回り。
完全に右回り、というわけではなく、駐車場から1番近い入り口から入った場合は右回り、というだけの話だが。
右手にカゴを持って、左手で商品を取る、というのが楽で、気分よく買い物ができる。
世の中、右利きが多い為か、右利きの人向けで便利な商品や配置がされている。
かくいう私は左利きだが、その点で困ったりストレスを感じたり、というのは今のところほぼないけど、無意識のうちに楽さや便利さを求めてしまっているのかも知れないとふと思う。
スーパーのお悩み事情
それとは別に、私は最近、
買い物中によく、悩んでしまうタイミングがある。
それは、安いものを別のお店で買うか、時間が勿体無いからおんなじ店で買ってしまうか、という事。
買い物をするにおいて、値段を見ることはもちろん大切な事で、(お金は大事◎)
買うものが食材だけに限らず、洗剤や食器など、全く違う種類のものがある時は何箇所か買い物に行くのは仕方がない事だけど、
50円違いの値段のブロッコリーがあるとして、そのブロッコリーが他のお店の方が50円安いとして、
その場でブロッコリーを買うか迷ってブロッコリーを見つめる時間も、ブロッコリーの為に移動する時間も、少し勿体無い気がしている。
ただ、お金は大切だし…ちょっとでも食費を浮かせたい…と思うのが正直なところで。
その葛藤でいつもモヤっとしてしまう。
お金を取るか。時間を取るか。
お金の大切さを取った場合、時間をかけて買い物しても少し得した気になるだろうし、時間の大切さをとった場合、余った時間で他の事に回す時間が増えるから、それもそれでハッピーな気がする。
そう考えると、
得を選ぶか、ハッピーを選ぶか、
ってことか。
お得がハッピーに繋がっている人なら良いとして、全く繋がらない場合は、自分のハッピー(時間)を優先した方がいいのか?
結果的に、どっちを選んでも正解不正解は無いのだけれど、正直一日の中でちょっとした後悔を減らしたい、という気持ちが強い。
小さくて大きな決断
人は1日のうち、3万5千回くらいの決断をする、と言われているけど、その3万五千回の決断の中で、たった一つの決断ミスが後々のテンションや気持ちの変動を左右したりするから、意外と小さなミスも許されないし、
ちょっとの出来事でも決断を強いられた時はつい、慎重になってしまう。
買い物中だけじゃなく、
働く上でもそうかも知れない。
1時間働いて720円のお金をもらっていた高校時代。あの頃の私は、自分の人生の1時間を減らす事の対価として、720円を頂いていた、という事か。と今になってそんな事を考える。
私の1時間には、どれほどの価値があるのだろう。
日々、私たちは「お金を取るか、時間を取るか」という問いを繰り返している。お得かハッピーか、どちらを優先するかで日常の選択は変わるし、その選択が少しの後悔や迷いを生むこともある。でも、ひとつひとつの決断が今の自分を形づくり、人生を豊かにしていると考えてみると、そうした日常の小さな決断も少し愛おしく思えてくるのかもしれない。