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No.28 『好き』に救われてきた日々を思い出す



念願のライブあづま 2014


今日は、ずっと楽しみにしていたライブあづまに行ってきた。今回で3回目のライブあづま。出演アーティストは相変わらず豪華で、どのバンドも圧倒的なエネルギーで観客を魅了していた。私が今日、特に楽しみにしていたのは、大鳥を飾るクリープハイプだ。この日が待ち遠しくて、チケットを取った瞬間から胸の高鳴りが止まらなかった。

ライブ当日の朝、早起きする予定が前夜の興奮でなかなか寝付けず、目が覚めたら予定の時間を大幅に過ぎていた。慌てて準備し、予定より遅れて家を出発。到着する頃にはすでにお昼を過ぎていたけど、Aqua Timezの懐かしい歌声が風に乗って耳に届き、その瞬間、心がふっと軽くなった。中学生の頃、彼らの曲に支えられた日々が一気に蘇ってきて、また同じ音楽に触れられる喜びで胸がいっぱいになった。

幸せな空気と温度

会場は、いろんな「好き」を抱えた人たちで溢れていた。それぞれが自分の大切なアーティストを目当てに集まり、場内全体が幸せと期待で包まれているのを感じた。私もその一人。初めて見るアーティストも多く、二つのステージを行き来しながら新しい音楽に出会うたび、胸の中にまた一つ新しい「好き」が増えていくのが嬉しかった。音楽フェスの醍醐味は、こうした予期しない出会いにあるんだと思う。

お昼は、なみえ焼きそばにジャークチキン弁当、そしてチーズボールとかぼちゃのポタージュ。全部美味しくて、一気に平らげた結果、次のライブでジャンプした時には胃の中で食べ物まで踊っているような感覚になった。だけど、その満腹感もライブの楽しさの一部として、思い出に刻まれた。

大好きなクリープハイプ

そして、待ちに待ったクリープハイプの出番がやってきた。中学生の頃、初めて彼らの曲を聴いた時の衝撃を今でも鮮明に覚えている。感情をひた隠しにして、我慢し続けながら生きてきたことに気付かされるのと同時に、そんな自分を肯定も否定もせずにそっと受け入れてくれるような真っ直ぐで優しい歌だった。それ以来、辛い時も楽しい時も、いつもクリープハイプの音楽がそばにあった。彼らの音楽は、無性に死にたくなった時も、意味もなく大人ぶりたくなった昼も、苦しすぎて吐きそうな夜も、私をそっと支えてくれていた。
だから、ライブで彼らの音楽が始まると、こらえていた涙が一気に溢れた。感情が追いつく前に、体が先に反応してしまうような感覚だった。

曲が教えてくれたこと

最後に演奏されたのは『傷つける』。尾崎世界観が曲の前に語った言葉が、心に深く刻まれた。

「僕は、今こんなにも嬉しい瞬間があって今最高に幸せな気持ちなのに、この気持ちも思い出も、いつかの嫌な人の言葉や、悔しい思いや、苛立ってしまう出来事や、悲しませてくる人達に消されてしまう。そう思うと、本当に悔しい。きっとみんなも、いい事ばかりじゃない、色んな日々を送ってるんだと思う。だからこそ、悲しい気持ちや辛い思いを否定するんじゃなく、肯定できるような歌を歌い続けたい。そんな事を思いながら、最後の曲を歌います。」


彼の言葉は、私たちの喜びや悲しみ、怒りや悔しさ、すべての感情に寄り添ってくれる。力強く、だけど優しい、そんな力を持った言葉たちが心を包み込み、徐々に自分の中で固くなっていたものが溶けていくのを感じた。涙は止まらなかったけれど、その涙の向こうに、クリープハイプの音楽を聴いている幸せが確かにあった。

「インク出なくて愛は掠れちゃって 結局何も見えないな」
「インク出過ぎて 愛が滲んじゃって 結局何も読めないな」

愛は形にできないもので、目には見えないからこそ時には不安にもなる。
そして、時にその大きさをお互いで比べて苦しくなったり、悲しくなったり。
大きすぎても、小さくても、問題が起きてしまう。
とても難しくって、もどかしい。
でも、そのもどかしさが、誰かを愛したいと思う気持ちに繋がっているのかもしれない。そんな風に思いながら、私はこれからもこの音楽に支えられて生きていくのだろう。

クリープハイプのライブを終えて、改めて思う。忘れたくない日々を忘れないように。そして、幸せな瞬間をこれからも大切に、辛くなった時こそ思いだしながら、自分のお守りのように大事にしながら生きていきたい。


みんなが今日のこの日を思いだして、
しんどい時こそ強く、優しい気持ちで生きられますように。

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