父親歴 10日
父親になって10日が過ぎたが
我が子を直接抱いてやれたのは退院当日の1度きりだった。
言わずもがな
仕事上のコロナ対策だ。
定期的にPCR検査は実施しているが
自分の陰性が確認されるまでは我が子に会うのも自粛せざるを得ない。
幸いな事に
妻の家族は私に会いたがってくれているが
大切な家族を危険に晒すわけにはいかない。
PCR検査で陰性を確認出来るまで我慢の日が続いた。
そして、
待ちに待ったPCR検査にて無事陰性を確認。
2度目の息子との対面は退院時よりも長い時間を
一緒に過ごす事ができた。
退院時よりやや髪も生えてきただろうか。
抱っこしてやると以前よりも元気よく手足をバタつかせていた。
お腹を空かせた時の鳴き声も大きくなったか。
四肢の温かさや
赤ん坊特有の肌のもちもちとした触感
改めて自分達が授かった命に触れた気がして
涙が出そうになった。
妻とは毎日テレビ電話を通して子供の状態や
産褥による体の具合を聞いたりするが
実際に見る我が子は
それ以上に可愛かった。
この子を守りたい
大切に育てたい
と思うとともに、
打算的で利己的な存在だと思っていた自分が
子供を大切に出来るのだと知り少しホッとした。
幸い明日は休み
陰性の自分は妻の実家に泊まる予定だ。
夜間のオムツ交換や
夜泣きの対応は自分の仕事。
父親として初めてして我が子にしてやれる仕事は
不安もあるが喜びのほうが多い。
もしかしたら
今日が本当の父親歴1日目になるのかもしれない。