フローレンスの多胎児支援アクションが小池都知事に届いた件
フローレンスは#助けて多胎育児 のスローガンのもと、多胎児支援を呼びかけるソーシャルアクションをこの3ヶ月行ってきました。
そしてその要望が、早くも小池都知事に届きました!
【ベビーシッター補助が、多胎児にも対象拡大】
先日、以下のような驚きのニュースが流れました。
◎東京都のベビーシッター補助制度 来年度から多胎児家庭などに対象拡大 小池知事インタビュー
東京都は2018年度から、子どもが保育所に入れなかったなどの事情がある保護者を対象に、都の研修を受けたシッターの利用料を補助する制度を設けている。小池知事は、これを来年度からは在宅で子育てをしている家庭にも広げる考えを示した。
主に多胎児や多子世帯の子育て支援を念頭に、シッターが料理など家事を手伝ったり、保護者が気分転換に外出する間に子どもの世話をしたり、子どもを連れての外出に同行したりするなど柔軟な活用を想定する。
小池知事は「一度に子どもを2人、3人出産された方が苦労している。都政としてサポートしてあげる必要がある」として、「シッターは一番かゆいところに手が届く方法。使い勝手を良くしながら、お出かけのときにサポートしてあげれば」と話した。
東京都「ベビーシッター利用支援事業」とは、主に0~2歳児の待機児童の保護者を対象にした、「待機児童になっちゃった人がベビーシッターを使って復職した場合に、そのベビーシッター料を補助するよ」という制度です。
普通は1時間2000円くらいするベビーシッター代ですが、自治体ごとに違いますが我が北区だと、250円/時と激安になります。
ただ、このベビーシッター利用支援制度は落とし穴があって、待機児童対策、すなわち1日8時間以上×週5とかで使っちゃうと、毎月の補助額が40万円とか非常に大きくなるのですが、それが雑収入としてカウントされて、所得税が取られちゃうんですよね。
(詳しくはこちら https://www.q-p.work/entry/2019/09/15/234616 )
だから、せっかくの制度だったのに不発に終っちゃってたんです。
じゃあ今回も意味ないのか?っていうと、実はそうじゃなくて、多胎児家庭の息抜きやサポートのための短時間ベビーシッター利用の場合、補助額が何十万円になるわけではないので、そこにかかる所得税額も割と小さくなるので、補助使った方が得、というレベルになると思います。
(例えば多胎児家庭がベビシッターを3時間×週2で使ったら 1750円×3時間×週2×4週分=4万2000円の補助となり、これが雑収入になって課税されると、税率30%だとしたら1万2600円。割引されたベビシ代が250円×3時間×週2×4週=6000円で、合わせて1万8600円です。
普通に使うと2000円×3時間×週2×4週=4万8000円なので、3万くらいやっぱりお得!!)
これはめっちゃすごいことで、東京都の多胎児家庭にとってはもんのすごい朗報だと思います。妊娠して双子と分かったら、都内引っ越すか、みたいなレベルでしょう。
【都バスが双子ベビーカーを折り畳まずに乗車できるように検討開始!】
更に、これまで「双子用ベビーカーは畳んで乗ってね」という態度を崩さなかった都バス業界が、ここに来て態度を一変させてくれました。
これも早速NHKに取り上げて頂いたので、引用します。
都営バス 双子ベビーカー対応へ
12月26日 06時38分
双子用のベビーカーについて、折りたたまないと乗れないとしてきた東京都の都営バスはルールを見直し、折りたたまないでも乗れる方向で調整を進めることがわかりました。
双子用のベビーカーをめぐっては、「子どもを2人抱えて荷物を持ち、ベビーカーも持って乗るのは難しい」という声があがっていました。
双子用のベビーカーについて都営バスは、実験の結果、通路をふさいでしまうとして折りたたまないと乗れないとしていて、双子の子どもがいる親から「2人の子どもと荷物を抱えて、さらにたたんだベビーカーを持って乗るのは難しい」とか、「すいていても、折りたたむように言われ、乗ることをあきらめた」という声があがっていました。
これを受け、双子の親などを支援する「多胎育児のサポートを考える会」が、折りたたまなくても乗れるようにすることや、ベビーカーを車いすスペースに置けるようにしてほしいと要請を続けていて、東京都交通局は24日、「安全を確保したうえで、たたまずに乗れるようにする方向で協議している」などと、これまでのルールを見直す方針を考える会に伝えたことがわかりました。
双子用のベーカーは、一定の条件のもとで折りたたまないで乗れるバス会社もあり、東京都は「どうすれば安全に乗れるのか、車いすスペースの活用も含めて他のバス会社とも協議していきたい」と話しています。
「多胎育児のサポートを考える会」の市倉加寿代さんは「困っている声が届いて、とてもうれしい。外出や移動が困難なことで追い詰められてしまうケースが多いので、バスに乗れるようになることは小さな一歩ですが、重要な一歩だと思います。真剣に受け止めてくれたことに感謝しています」と話していました。
これは、「多胎育児のサポートを考える会」の市倉さん(=フローレンス社員の市倉)が言う通り、本当に「重要な一歩」だと思います。
これが成功すれば、「都バスも双子用ベビーカーOKになったんだから、うちもOKにしないと」と全国に広がっていく可能性が高まります。
そしていつの日か、「双子用ベビーカーを畳まないとバス乗れない時代なんてあったの?」と言われるようにしていきたいです。今、車椅子があたりまえにバスに乗れるのと同様に。
【感謝と情熱】
10月後半から動き、今回の東京都の迅速な政策決定には、主に都議会公明党の皆さんが、ことあるごとに議会質問をしてくださったことが大きかったと思います。本当に感謝です。
また、それを受け止めてくださった、東京都職員の皆さんにも、心より感謝です。
さて、今回、 #助けて多胎育児 記者会見から、約2ヶ月のソーシャルアクションでここまでの成果に結びついたわけですが、その要因の大きな1つは、フローレンスのママ社員市倉の情熱だったと思います。
彼女が友人の多胎児ママの惨状に胸を痛め、その怒りと悲しみを糧に政治家や都庁職員の方々を駆けずり回って説明に歩いた、その尋常ではない努力が実を結んだのだと思います。
やはり「変化は、たった1人から起こる」と言うのは真実だと感じました。
そして、政治家や官僚に自身がならずとも、「普通の人」でも、情熱と知識があれば、制度的な変化は起こせるのだ、と市倉を見て再確認しました。
多胎児支援ソーシャルアクションはこれでおしまいでは無く、実は国策でも大きな変化があったのですが、それはまた別の記事でご報告したいと思います。
ひとまず、皆さん、今年はソーシャルアクションへの応援ありがとうございました。成果が出せて、少しでも多胎児家庭の役に立てて、ちょっとほっとしています。