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新公益連盟代替わりに寄せて

新公益連盟は、新たな時代へと歩みを進めることに。

このたび、クロスフィールズの小沼大地さん、WELgeeの渡部カンコロンゴ清花さん、Learning for Allの李炯植さんという、若いNPO代表者3名が共同代表に就任された。この座組そのものが、時代を象徴しているように感じた。

一つは「東京在住の中高年男性のみ」が代表者になるのではなく、3人でリーダーシップをシェアしている点。そしてその中身は若い20代から40代で、男性も女性もいて、という多様性があるという点。いろんな経済団体や業界団体を見ているが、珍しいと思う。

NPOやソーシャルセクターの役割の一つである「世界観を提示する」ということを、業界団体の人事でやっていることに、「新しい世代はすごいなあ」と感心させられた。

【功労者に感謝を】

そして、4年間にわたりリーダーシップを取ってくださった3代目代表の白井智子さんには、心からの感謝を申し上げたい。白井さんの尽力により、新公連内のジェンダーバランスが劇的に改善されたことは、これからのこのセクターにとって大きな財産だと思う。また、ユーモアに溢れ人々を包み込むリーダーシップは、若い世代や地方の団体たちとの繋がりを生み出してくれた。

さらに、今回事務局長を退任される、10年間にわたり新公益連盟を牽引してこられた藤沢烈さんにも深い感謝を。僕が「新公連っていう新しいプラットフォームをつくるってどうすかね?」と言った時に、真っ先に事務局長を引き受けてくれたのが烈さんだった。彼がいなかったら、ビジョンを描くしかできない僕が組織を続けることなんてできなかった。若い世代に引き継げたのも、間違いなく烈さんがやり続けてくれたから。ありがとう、友よ。

左から高島宏平 経済同友会 副代表幹事・藤澤烈さん・白井智子さん

これからの新公益連盟は、稀代のベンチャーキャピタリストである佐俣アンリさんのスポンサードによって、しっかりとした基盤を築こうとしている。

これまでは奈良市さんやPWCさんからのご好意で事務局職員を出向して頂いていたわけだけれど、それに加え、新しいプロパーの事務局長を置いて、さまざまなプロジェクトを展開していこうとしている。新事務局長は公募中で、もし「我こそは」と思う人がいたら、ぜひ応募してみてほしい。

事務局長募集のプレスリリースはこちら


【ソーシャルセクターの今後】

新しいリーダーたちとともに、新公連が築いていくソーシャルセクターの未来を楽しみにしている。
信用保証も受けられず、時に企業や行政からさげずまれていた20年前。今は若者たちは経済同友会とコラボし、政府の有識者会議では20代でも呼ばれるようになり、NPOの肩書きでコメンテーターとして活躍できるようにもなった。当初の僕たちが目指したことの一つである、NPOや社会起業家たちの社会的、制度的地位向上はある程度達成したと言っても良いだろう。

一方で、社会課題解決を掲げるインパクト・スタートアップ業界も生まれ、あえてNPOであることの意味探しに直面していることも事実だ。

しかし僕は楽観的だ。ここで語るには紙幅が少なすぎるので、どこか別の場所に書こうと思うが、NPOやソーシャルセクターには可能性が溢れている。キーワードは、社会課題解決に加え伴走支援。政策アクティビズムの創造と展開。世界観提示と文化創造。ウォッチドッグと倫理形成、リーダーシップの無限増殖とポスト資本主義の創造等など。

とはいえ僕自身は、この業界においては、先導役から育成者、前線指揮官から後ろで応援する人、実行者から思想家へと役割を変えていきたいと思っている。NPOをやって20年、そろそろこのセクターにおける自分のバトンは次に渡せたら良いだろう。そして次の新しい旅に出かけられたら良いな、と。地図もコンパスもまだ無いけれど。

新公連の若い仲間たちを、みなさんこれからもどうかよろしくお願いいたします。


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