タロットと西洋占星術のリンク⑨~品位(ディグニティ)をみてみよう
皆さま、こんにちは😊
前回はデーカン(デーク)に対応する小アルカナカード←を紹介しました。
各デーカンに割り振られた星座と天体の組み合わせを表にして眺めてみることで、今までとは違う景色が見えてきたような気はしませんか? カードは、西洋占星術とリンクしていることがだんだんわかってきましたね!!
前回は360度の俯瞰図でしたが、今回は天体の品位、下の表を見ながら小アルカナ(2~10)をみてみましょう!!
天体の品位とは、星座(サイン)と天体の組み合わせ(天体配置)によって見分ける品位(ディグニティ)という見方があります。天体の力を発揮できるもの、そうでないものがあります。
主な品位は4つ
●ドミサイル(domicile)
●イグザルテーション(Exaltation)
●デトリメント(Detriment)
●フォール(Fall)
※トランスサタニアンと呼ばれる、天王星、海王星、冥王星は後に振り分けられますが、ここでは7つの天体の配置になります。代わりに第2支配星の火星と木星、土星が対応します。蠍座に火星、水瓶座に土星、魚座は木星が配置されます。
●ドミサイル(domicile)
ドミサイルとは、本籍地とか住所の意味、星座(サイン)の支配星(ルーラー)のことです。野球やサッカーで言えばホームグランドでしょうか。慣れたグランド、盛り上げてくれる応援団、余計なこと考えずに思い切りプレイできる場所になります。
●エグザルテーション(Exaltation)
そのまんま訳して高揚です。気心しれた友達の家で、居心地がよく居られる場所です。野球やサッカーで言えばビジターなんだけど、そのグランドとの相性がよく、力を発揮できる所でしょうか。日本語では高揚の座と言ったりします。
成り立ちは諸説あり、なぜこのような配置なのか謎が多いと言われていますが、まず牡羊座には太陽が配置されています。これは春分に関係があるようです。次の牡牛座に月が配置されているのは、12星座を2区分にしたとき、牡牛座は最初の女性サイン、そこに女性性を象徴する月が配置されたのでは?と言われています。蟹座には120度関係の魚座、その支配星である木星が配置され、乙女座には支配星の水星と同じく、水星が配置されています。天秤座には120度関係の水瓶座、その支配星である土星が配置されていますが、これは冬至に関係があるようです。山羊座には60度関係の蠍座の支配星である火星が配置、魚座には60度関係の牡牛座の支配星である金星が入ります。トランジット(現在通過している)の金星が魚座に入ると、ネット中の星占いサイトが色めき立って恋愛成就を謳うのは、このエグザルテーションから来ています。
●デトリメント(Detriment)
そのまんま訳すと損害とか不利益ですが、障害の座と言ったりします。これはドミサイルと180度関係にある星座(サイン)のこと。自分の性質とは異なった雰囲気、性質を持っている場所、あまり居心地がいいとは言えないアウェー感満載の場所です。
●フォール(Fall)
そのまんま訳して下降、転落の座といったりします。これはエグザルテーションの反対側180度関係にある星座(サイン)になります。こちらもアウェー感漂う場所です。
ここで気をつけなくてはならないのが、ドミサイル、イグザルテーションだから良い、デトリメント、フォールだから良くない、という優劣で判断することではないということです。野球やサッカーに例えると確かにホームグランドでの試合は有利かもしれないけど、アウェーでも戦い方次第で勝つことはあります。デトリメント、フォールは現状を打破するための大きな原動力にもなり得ます。逆にドミサイル、エグザルテーションであっても、慣れすぎて堕落、腐ることがあったり、試練になりもします。
ということを踏まえて、これらの品位に当てはまる気になるカードを見てみましょう!!
牡羊座・第3デーカンのワンド4のフェイス(デーカンの支配星)は金星で牡羊座ではデトリメントしています。上記にも述べましたが、デトリメントだから一概に劣るということではなく、アウェーながらも、どのように金星が機能してワンド4たらしめているのか、みてみましょう。
金星からすると、思いつきで行動し、大胆で(時にがさつにも見える)主張が強い牡羊座族の中で、優雅で洗練された社交性や愛と調和を受け入れてもらえるのか不安はありましょう。牡羊座は男性性を象徴するサイン、そこへ女性性を象徴する金星、若き女性がやってきて恋人になり、結婚にまで発展し、皆で喜びを分かち合っているのがワンド4です。陰と陽のバランスが整い、調和がとれた状態です。デトリメントでありながら、対等な立場で協力し合います。
蟹座・第3デーカンのカップ4は、月、蟹座ではドミサイルです。ホームグランドであるのに、カップ4の倦怠感は一体なぜでしょう。蟹座・月は、くつろいだ場、家庭そのものであり母親を象徴し、守られた環境を意味します。さらに魚座の性質も加わっているので、魚座のドミサイルである木星は、蟹座でエグザルテーションし、水のオンパレード!! 水浸し状態です。よって、カップ4は流れのない淀んだ水です。ぬるま湯環境にあって感謝の念や大切なものを忘れてしまいがちに……。ドミサイルであっても、行きすぎは惰性的になります。
乙女座・第2デーカンのペンタクル9、金星のフォールはどうでしょう?
金星からすると、乙女座族の規律正しいルールの中で、愛と美を表現できるのか不安だったりするでしょう。乙女座は6ハウス(お仕事)に対応しているので、勤勉で実績をコツコツ積み上げ、スキルを磨くことに精を出します。金星の美的センスと、洗練された社交性を使い、財力、社会的地位を築き上げたペンタクル9なので、どこがフォールなんだろう?と疑問に思ってしまいますが、金星の楽しみ方という面においては、享受しきれていないことがあるのかもしれません。
あと一つ、
天秤座・第2デーカンのソード3のエグザルテーションはどう考えましょう?
華やかなイメージの金星を支配星に持つ天秤座ですが、対応カードはソードという主に人間関係の難しさを表わすカード群ですから、どれが来ても厳しめに感じてしまうのは仕方ありません。牡羊座の太陽(明るい)と天秤座の土星(暗い)は対局にあり、春分と秋分のポイントです。よってどちらも始まりを意味します。ソード3で始まり?と思うかもしれませんが、土星(痛み、抑圧や停滞)という難題を乗り越えたとき、新たな世界が開けると言われます。痛みを知って成長につなげる試練付きの、エグザルテーションと言えるでしょう。
いかがでしたでしょうか? このようにカードの意味を占星術側から探ってみると、より深く理解することができます。丸暗記ではなかなか覚えられませんが、こうやって関わるサインや天体をひとつひとつ見ていくと自然と覚えられるのではないでしょうか!?
小アルカナ2~10までのお話しでしたが、エースやコートカードはどうなるの?ということで、次回はそちらを~!!
どうそお楽しみに(^_^)
文・イラスト:加藤マカロン
※当サイトの内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固くお断りします。
【著者プロフィール】
加藤マカロン
イラストレーター&占い師。公式サイトは、マカロンタロットweb 。カードの基本的な意味などを知りたい方は、『マカロンタロットで学ぶタロット占い』(駒草出版)をご参照ください。SNSは、Twitterアカウント (@katomacalon)、facebook などでも情報発信中。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?