樹海ミステリー 生を紡ぐ森と生を終える者 第八話
【樹海と宗教と消えた頭蓋骨】
日本三大パワースポットと呼ばれる富士山、その麓にある富士の樹海。樹海から消えた頭蓋骨を持ち去ったのは宗教団体か? それとも人体収集家や人骨マニアだろうか?
【富士山周辺の宗教施設と陰謀論】
富士山は日本の象徴であり、世界的にも有名なパワースポットでもある。
絵画や写真など、身のまわりで富士山を目にする機会はとても多い。
絵や写真からでもそのエネルギーは強いパワーを発しており、その姿を見ようと世界中から多くの観光客が日々訪れる。
いったい富士山のエネルギーとはどのようなものなのか?
富士山は「フォッサマグナ」と呼ばれる場所に位置している。
「フォッサマグナ」とは、日本列島を東西に分ける大きな構造地帯のことで、西は糸魚川-静岡構造線、東は新発田-小出構造線と柏崎-千葉構造線に挟まれた地域を指す。
富士山以外にも長野の戸隠神社、新潟の越後一宮彌彦神社などのパワースポットや、皇居も「フォッサマグナ」の中に入っている。
「日本三大パワースポット」と呼ばれているのは富士山、長野県の分杭峠、石川県の珠洲岬の3ヶ所である。
また、富士山はそのパワーの強さから、富士山自体が「呪物」として扱われることもある。
「呪物」と聞くと人間や動物の体の部位を使用した「物」であったり、怨念などの「呪い」を連想しマイナスなイメージを持ってしまうかもしれない。
正確には物や呪いだけではなく、神聖なもの、呪力のあるものとして崇拝されるものを総じて「呪物」という。
【富士山のまわりに集まる宗教団体】
富士山の強いエネルギーを取り入れるためだろう、まわりには多くの宗教施設が存在する。
どこまでが富士山の近くかという判断は難しいが、私がエリアを絞って調べた結果、1400以上もの宗教施設が存在することがわかった。
(具体的に〇〇市や〇〇エリアと書くと、そのエリアは近くではない、その他の〇〇エリアも富士山の近くだろう? などの反論意見が生まれる可能性があるため、あえて地名は伏せる)
【オウム真理教のサティアン跡地】
富士山周辺の宗教で有名だったのは「地下鉄サリン事件」を起こした「オウム真理教」だろう。
現在、建物は取り壊されてしまったが、山梨県の上九一色村といえば「オウム真理教」を真っ先に思い浮かべる人も多いだろう。
樹海の近く、富士河口湖町にある「富士ヶ嶺公園」は
「オウム真理教」のサティアン跡地であり、この場所は信者がリンチされ殺害された現場でもある。
【サティアン跡地での体験】
サティアン跡地である富士ヶ嶺公園で撮影をしていた際、不気味な体験をした。
公園内から見える富士山は絶景で、この日は富士山のタイムラプス動画を撮りにきていた。
タイムラプスとは、一定の間隔で撮影した静止画をつなぎ合わせて動画にするもので、10秒ほどの映像でもそれを作るためには30分以上カメラを回していないといけない。
2時間ほど敷地内で撮影をしていると、品川ナンバーの黒のワンボックスカーが駐車場内に入ってくるのが見えた。
平日の昼間でもあるため、駐車場には私の車とそのワンボックスだけである。
スーツを着た男性2人がおりて、撮影している私を遠目に監視しているように見える。
ビジネスマンというよりは、公安警察のような印象を受けた。
撮影している場所から少し離れたところには小高い丘があり、そちらに目をやると同じようにスーツを着た男性が白いセダンの前に立っているのがわかった。
気味が悪いので撮影を中断してその場を去ったが、監視をされていたのだろうか?
それともオウム真理教の関係者だと思われていたのだろうか?
その後、尾行をされたり、声をかけられるなどされていないので、私の思い過ごしだと願いたい。
【消えた頭蓋骨】
「宗教団体の儀式」というと胡散臭い話だが、私も樹海内部で、紐を加工して祭壇のようにしたものや積石の儀式のようなものを目にしたことがあるので、完全に作り話ともいい切れない。
樹海の奥に隠された秘密の儀式など存在するのだろうか?
宗教の儀式には人間の骨や血が使われることもあるという。
儀式と関係あるかは不明だが、樹海を調査中にそれに繋がるような不思議な体験をしたことがある。
樹海にあった白骨遺体から、頭蓋骨だけが消えてしまっていたのだ。
この現場は何度か足を運んでおり、1ヵ月前に来た時には間違いなく頭蓋骨は残っていた。それが消えていたのだ。
頭蓋骨以外は残っていたので、現場の状況からも警察が回収した可能性は低いだろう。
また、他の現場でも胴体部分から十数メートル離れた場所で頭蓋骨が見つかったこともある。
皮膚や髪の毛が残っていなくても、頭蓋骨は丸くて重いため、動物が移動させるというのは考えにくい。
なんらかの儀式で頭蓋骨が使われたのか?
「髑髏杯」や「頭蓋崇拝」など、頭蓋骨を使用した儀式は世界のあらゆる地域に存在して、インド、中国、チベット、ヨーロッパなど多くの国で行われていた。
国によって異なるが金色に塗る、生皮を貼るなどして盃として使用していた例もある。
泉の水を髑髏に入れて、てんかん患者に飲ませる治療法もあった。
チベット仏教やヒンドゥー教のタントラには「カパーラ」と呼ばれる髑髏杯に装飾を施し、宗教儀式で使用していた記録もある。
神への捧げものとして使用された例もある。
数百年前に消えたアステカ帝国時代のもで「ツォンパントリ」と呼ばれる頭蓋骨棚が発見され、生贄にされた人々の頭蓋骨を並べていたとされる。
頭蓋骨棚は宗教的な儀式や政治的なイベントなどで使われることも多く、帝国の神聖な力を象徴するものとされた。
このような歴史に影響を受けて、独自の儀式を作り出した新興宗教があっても不思議ではない。
樹海から消えた頭蓋骨は今もどこかの宗教施設に祀られているのだろうか?
【人体収集家、人骨マニア】
世の中には「人体収集家」や「人骨マニア」という者が存在する。
樹海の都市伝説には、このような人体収集家が骨を集めにやってくるというものがある。
ハロウィンや理科室で見かけるような作り物の骸骨では満足できず、本物の人骨を手に入れたくなったとしたら?
自殺の名所と呼ばれる樹海から、遺体を持ち去ってしまうのが手っ取り早い方法かもしれない。
このような都市伝説は“人間の怖さ”であり、「コンパスが狂う」などの都市伝説と比べてもリアルで怖い。
宗教団体が行う儀式なのか、マニアが持ち去っているのか、もしくはまったく別の理由なのか。
どのような理由かはわからないが、樹海の中から頭蓋骨が消えたというのは事実だ。
「自殺の名所」や「入ったら出てこられない」など、怖い噂は人を近づけないためなのか?
サティアン跡地の公園でのできごとや今回話した内容が宗教、儀式絡みであるかどうかはわからない。
しかし、私が実際に目で見たもの、体験したことと都市伝説を重ね合わせると、ピタリとハマる部分が少なからず出てきていないだろうか。
どこまで踏み込んでいいのかわからないが、この先新たに情報が更新されていくのは間違いない。
今後も話せる範囲で少しずつ話していこうと思う。
次回につづく
文・写真:ココペリコ
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