音楽ストリーミングの自動化術
ストリーミングサービスのおかげで新しい音楽との出会いが増えたわけですが、出会える曲が膨大で管理しきれなくないですか🥺
こんな事ができれば便利だなって思う方はぜひ読んでみてください。
❏ Spotifyのプレイリストが更新されたら自動で通知してほしい
❏ Spotifyのプレイリスト曲を自動で毎週スプレッドシートに蓄積
❏ Spotifyのプレイリスト曲を蓄積してデータベース化
❏ お気に入りのYouTubeチャンネルに新しい動画が公開されたら自動で通知
❏ SoundcloudでLikeした曲を自動でSpotifyプレイリスト化
❏ Twitterでつぶやかれている楽曲を自動で回収
実は自動化すると見えてくるデータがあって、とてもマーケティングに役立ちます。
今回はそんな私の自動化術をご紹介します。
Spotify
-Spotifyのプレイリストが更新されたら自動で通知をプッシュ
私の場合特定のプレイリストに曲が追加されたときにSlackチャンネルに通知が届くように設定してます。
例えば「バイラルチャート(日本)に初登場曲があった場合、楽曲視聴リンクつきでSlackに投稿」というIf~Then~を設定しています。
結果的にこの瞬間、バイラルチャートが更新されたという事がわかります。
必要なものはZapierとSlack
Zapierは様々なサービスやアプリを連携させて、If~(もし○○したら)Then~(○○を行う)、という自動化システムが簡単に作れるサービス。
IFTTTも同じくですが、Zapierはのほうが細かく設定可能なのでお勧め。
ただIFTTTのほうがトリガーになるIf〜の部分でZapierがトリガーできないこともできたりします。気になる方は両方ぜひ。
If~(もしSpotifyプレイリストに曲が追加されたら)
Then~(Slackチャンネルに通知を行う)
実際にZapierの画面です。まずはIfの部分。Spotifyアプリを選択。
トリガーに「新しい曲がプレイリストに追加されたら」を選択。
ご自身のSpotifyアカウントを連携させてください。
※該当のトリガーにしたいプレイリストはそのアカウントでフォロー(♡)しておきましょう。
※私はアカウント複数作ってるので #3 とかでてますけど気にしないでくださいね。理由は後述。
トリガーしたいプレイリストを選択。
※バイラルチャートは"チャート"ですが体裁上はプレイリストなのでデータとれます。
次にThenの箇所ですね。Slackを選択して「メッセージを送る」を選択。
どんなメッセージを送るかカスタマイズできます。
ここでExternal Urlsを選んでおけば通知の際、視聴プレビューつきで届きますのでSlack上ですぐに聞けます。アーティスト名やトラック名は届くように設定しておくと後でSlack上で検索するとき便利ですね。
これで完成!あとは応用するだけなので
❏毎週NEW MUSIC FRIDAYが更新されたら自動で通知(意識高い系)
❏自分が好きなアーティストが作っているプレイリストが更新or追加されたら自動で通知(粘着系)
❏バンドメンバーでレファレンス曲をまとめてる非公開のコラボプレイリスト、他のメンバーが曲を追加したら自動で全メンバーにSlack通知
(意識ライジング系バンド)
なんてこともできます。
とはいえ自分が好きなプレイリストでも、
🍯都度都度曲を追加していくタイプの うなぎ屋継ぎ足しタレ方式
🍺追加した曲は多くないのだけど全入れ替え方式
の2つあるわけですよ。後者だと更新日に自動通知しても全部通知が来ちゃって、何が足されてるかわからないんですよね。
その場合は前回更新分とスプレッドシートで差分を抜き出すしかないので下記の方法です。
-Spotifyのプレイリスト曲を自動で毎週スプレッドシートに蓄積
Release RadarやDiscover Weeklyなどのアルゴリズムが自動で生成するパーソナライズされたプレイリスト。
Release Radarは毎週金曜自動で更新。自分がフォローしてる、またはその近似アーティストの新曲が出ている場合、勝手にまとめてくれる機能。
よい機能なのですが、毎週勝手にどんどん更新されていくので、
「先週入ってたあれってなんだっけ?」
と思ったときにはもう今週分になっていて、、、🥺なわけです。
If~(もしSpotifyプレイリストに曲が追加されたら)
Then~(まるごとすべてスプレッドシートに保管する)
を作ります。まずはIfの部分。ここは先程と同じなので割愛。
次にThenの部分はGoogleスプレッドシートを選択。
次に自分のGoogleアカウントを選択。その後シートの設定。
A列に何を入れるかなど設定します。この際シート側は空だと認識しないので、一番上に1行追加して時分で項目追加しておくとわかりやすいです。
(※その行は固定で)
これで完成!
あとは複数シートをつくって差分曲を洗い出すもよし。
IFTTTの場合、自動でSpotifyのプレイリストが更新されたらその中身をまるっとコピーして設定したプレイリストに追加保存してくれるレシピがあります。曲だけ貯めたいなら下記でも。
トリガーにするプレイリストはRelease Radarになっていますが、他のものに変更すれば応用可能ですね。
IFTTTはZapierより気まぐれさんなので、そこを鑑み愛でてあげてください。
-Spotifyのプレイリスト曲を蓄積してデータベース化
スプレッドシートで管理していくのも良いのですが、私はAirtable好きなのでそちらに落とし込んで管理しています。
ここは好みですね、同じことがスプレッドシートでもできますので。
例えば私のAirtableで管理してるRelease Radar
Release Dateも取得するので、何週前にさかのぼってRelease Radarを配信しているのかわかりますね。Discover Weeklyはけっこう昔のものも引っ張ってくるのでRelease Dateは面白いです。
またAirtableだからというわけではないですが、そもそもSpotify APIから引っ張ってきてるので、同時にISRCナンバーも取得します。ですので、どのレーベル/アグリゲーターを使っているかは調べるとわかります。
(TCJPはTunecore Japan、JPBはBig Up、JPPCはポニーキャニオン)
たとえばバイラルチャートをこれで見ていると、Releaseから7日以内にランクインしてくる曲、1ヶ月かかってランクインしてくる曲など。
日数の差分でソートかけるといろいろ見えてきますね🤔
Release Dateを調べたいだけであれば下記でプレイリストを指定してあげても良し。
こちらもSpotify APIで引っ張れるものをとっているだけなので理屈は変わりません。
-複数のアカウントで音楽を聞く
もっと新しい音楽と出会いたい!という方には、Youtubeも同じくなのですがSpotifyの複数アカウント運用をオススメします
(メールアドレスさえあればアカウント作れる)
1つのアカウントでいろんな音楽聞く人はアルゴリズムがぐちゃぐちゃになってしまうので、たとえば
①メインのアカウント
②J-POP、新譜を聞くサブアカウント
③JAZZ、クラシックアカウント
④海外インディーアカウント
と取得しています。
②③④のアカウントで更新されるRelease RadarやDiscover WeeklyはURLをコピーして①のアカウントで検索して、そのプレイリストをフォローすれば①のアカウントで随時聞けます。
③④のアカウントはたまに立ち上げて、よかったものを改めて聞いて調教。
そうすれば勝手にオススメしてくれます。
使わなくなった昔のスマフォやタブレットを別アカで運用するのもあり。
前述の通り、Youtubeも複数アカウントもおすすめですよ。
私もこちら参考にさせていただきました。
YouTube
-お気に入りのYouTubeチャンネルに新しい動画が公開されたら自動で通知
YouTubeも基本同じくです。私はSlack通知にしています。
If~(もしYoutubeチャンネルに曲が追加されたら)
Then~(Slackチャンネルに通知を行う)
実際にZapierの画面です。まずはIfの部分。Youtubeを選択して
チャネル/以降のURLをいれます。
Then〜の部分ですね。こちらはSlackで何を通知させるか設定。
※YouTubeのアプリで新しい動画は公開されたときにアプリ通知させればいいのでは?という意見もあるとは思うのですが、何時何分に投稿してるのかのデータ面白いですし、コンテンツがどれくらいのペースで公開されてどれぐらいエンゲージメントしているか勉強になります。
スプレッドシートと連動して貯めていくと良いかも。
-YouTubeチャンネルに新しい動画が公開されたら自動でプレイリストに追加
YouTubeでお気に入りした動画と同じ曲があればSpotifyに作っているプレイリストに自動追加というレシピがIFTTTにもあるのですが、精度が低いのでオススメできず。これはメタデータ不一致によるものです。
YouTubeは動画タイトル名にアーティスト名曲名をいれたり、いれなかったり、アップロード者に委ねられているので。むしろ入れるほうがYouTubeでは大切ですし。
アートトラックならメタも一致してるのでUPC/ISRCをひっこ抜ければSpotify側と一致させれば出来そうですが、、🤭
Soundcloud
-SoundcloudでLikeした曲を自動でSpotifyプレイリスト化
ここまで来るともう皆さん自分で好きなの作れそうですね。SoundcloudでもZapierやIFTTTで可能です。さきほどのYouTubeのときより更にメタデータ不一致に陥りやすいので精度は下がります。オフィシャルなものは一致しやすいですが。
Twitter
番外編ですが、Apple Music、Spotify、LINE MUSICなどを聞いている人がTwitterに楽曲をシェア投稿したものを全部スプレッドシートに回収することも可能です。特定の@だけに限定することもできそうです。
投稿上は埋め込みプレーヤー状態なので見えないのですが、それぞれ決まったURLが埋まってるだけですので。
大事な呪文はこちらです。言語設定はお好きにどうぞ。
music.apple.com -RT lang:ja
open.spotify.com -RT lang:ja
music.line.me -RT lang:ja
実はこれとっても有益なのです。
そのままコピペしてTwitter検索するだけでも楽しいですよ。通常のTwitter検索と同じくmin_retweets:、min_faves:も使えるのでぜひ。
「 open.spotify.com -RT lang:ja あいみょん 」
「 music.apple.com -RT lang:ja あいみょん 」
「 music.line.me -RT lang:ja あいみょん 」
自動的にZapierからスプレッドシートに回収して投稿数を確認したり、内容を一覧で確認したり、リリース直後のユーザー投稿はどのサービスが顕著なのか探ったりといろいろ使えます。
ちなみに末尾にplaylist(Appleの場合/jp/playlist)をつけるとプレイリストに関する投稿だけに絞ることも可能。
music.apple.com/jp/playlist
open.spotify.com/playlist
music.line.me/playlist
「open.spotify.com/playlist 作りました」とかで検索かけると面白いですよ。いろんなユーザーさんが自分で作ったプレイリストを公開されていてサービスごとの傾向が🤐
「open.spotify.com/playlist min_retweets:100」これで多くRTされているプレイリストを見ると、ファンたちが好きなアーティストのためにキャンペーンを自前で行っていることが見えてきて面白いです。Twitterだけの話なので世界のトレンドとしてはトラッキングしづらいですが、そこは予め。
もちろんTwitterのキーワードモニター系のサービスで上記を登録しておくってのも手です。
こうやって調べるとストリーミングサービスの顧客の違いが見えてきますね。
おわりに
音楽ストリーミングサービスの自動化から見えてくるデータが多くてとてもおもしろいですね。出会う音楽を整理する効率化、そしてマーケティングデータも回収できます。
定量的な分析をすすめる上でも時系列でデータをとったり、効率よく調べ上げることはとても有意義です。ぜひ活用してくださいませ。
今回はそんな私の自動化術のご紹介でした。