「あなたから買いたい」私の5つの理由。
昨日、こんな記事をnoteで書きました。
きっと、消費者はこんな購買心理があるのではないか?ということを、ここ最近の、自分の消費行動から考察してみました。
前回の記事では、「あなただから。あなたが作ったものだから、提供しているものだから買いたい」と思って貰うことの重要性について、私なりに書きました。また、このご時世ですから、提供される商品やサービスの品質・性能が良いのは、そもそも大前提であり、それだけでは選ばれる真の理由にはならないということ、も。
今日は、そこからもう少し掘り下げて、「あなただから」の具体的な、理由を考えてみました。私がいつも、モノ・コトを購入するときに、重視していること。
勿論、人それぞれにこだわりとか、譲らないこと、色々あると思います。なので、あくまでも、いち消費者の考え方のひとつ、と思って読んでいただければと思います。
「あなたから買いたい!」私の5つの理由。
1.その人らしさが伝わってくる。
センス、こだわり、暮らし方、考え方(仕事に対するスタンスなど)、好きな音楽、本、映画、食べ物、お店 など
色々なフックで、自分を表現する。例えば、身に着ける洋服ひとつ、聴いている音楽、その人が撮った写真、全部その人らしさが表れます。自分のことをよく知っているか、自分を表現する術を知っているかどうかは、とても大事だと思います。私も、noteに使う写真なんかは、とくに気を遣います。
札幌にインポートものの洋服やバッグなどの小物を扱うお店があります。私は東京に住んでいますが、いまだに、その札幌のお店から洋服などを買っています。東京にはたくさんのお店があるのに、試着もできないのに、なぜか?
それは、オーナーである只野さんのセンスに絶大な信頼を寄せているから。もう20年近くのお付き合いになります。暮らし方、食べているもの、旅行先での過ごし方、仕事に対するスタンス、ミッション。そういうものを日頃から発信されていて、人となりが良くわかる。だから、お店もそういうラインナップになるよね、と納得。
2.商品やサービスに文脈がある。その人らしさが宿っている。
「こういう思いがあるから、こういう商品をつくった・サービスを提供している」という確固たるものがある。また、その思いに至った動機や、こういう背景があるから、この土地はこういう歴史があるから、など、そういうものを大事にしていること。
そこから生み出される商品やサービスはその人の分身であったり、もしくはその人の一部が見え隠れするものだと、私は思っていて、その人の体温、感触、匂いが根底に宿っているように感じる。
たまに、ホームページやSNSで見聞きする姿と、商品・サービスとの乖離があるという経験をしたことはないだろうか。それは、表面的に取り繕っているだけで、商品・サービスに血が通っていない状態。あぁ、なんか思ってたのと違う。失敗したかどうかは、買った後でしか分からない。残念ながら、本質を見極めれなかったと悔やむしかない。数多くの失敗を重ね、そういうものが、少しずつ見抜けるようになってきた?ような気がする。見極める力は、やっぱり日頃から磨かねば、と思う。
3.三方良しの精神が根底にある。
「三方良し」とは、近江商人が、信用を得るために、大切にしていたビジネスの心得で、「買い手よし、売り手よし、世間よし」の精神のこと。
自分の商品やサービスが提供されることで、自分や消費者だけでなく、関わる人、社会に豊かな価値を循環させられること、を知っているかどうか。また、それらへの感謝と共存共栄の精神があるかどうか。これは、とくに旅館などへ行くと、どうしても嗅ぎ取ってしてしまいます(若干、職業病です)。その意味がよくわかる、私のお気に入りの京都の宿をひとつご紹介します。
4.手抜きをしない人だと知っているから。また、その人が紹介・おすすめしたものだから。
これはもう信頼できるかどうかなのですが、この人は絶対変なモノを作らない、(自分の分身を適当に生み出さない)と信じられるかどうか。
当然、商品・サービスも自分を表現するものであるなら、おかしなことはできない、妥協はしないだろうな、ということ。また、おなじく自分がすすめる商品やサービスにも、きっと厳しい。それは、自分の信用にも関わるから。
じつは、私もそれを結構意識しています。私がすすめるモノ・コトは、「私らしさ」でも、あるし、そこはしっかり責任を持っていたいと思っています。
余談ですが、たまにレビューを書いてほしい、周りにおススメしてほしい。フォロワーも少ないこんな私のところにもそんなご相談がくることがありますが、私は絶対に書かないことに決めています。自分が体験して良いと思ったもの、心が動いたものしか書かないことにしているからです。うそは書けない。私というフィルターを通して、私らしく伝えられるものだけを、書きたいと思っています。
5.単にその人が好き。
理由にもならないですね。きっとみんな同じだと思います。
さらに付け加えて言うと、その人と、その人の向う側にいる人たち(家族や大切な人、従業員、ビジネスパートナー、地域、業界)も含めて、応援したいと思っています。
どうやって、それを伝えるか。
ですよね、こんなたくさんの情報、会って、おしゃべりしただけでは、到底伝わらない。時間も足りない。そもそも直接会ってたくさんのひとに伝える機会なんて、そうそうない。
でも、私たちは今、とても素晴らしい時代に生きています。
時間も、場所も超えて、SNSがそれを可能にしてくれる。本当にすごいことだなと思います。
たまたま今日もこんなことがありました。
私は母の日のギフトに「北海道釧路市」に住む友達がつくる手作りのお菓子とその友人がつくるボタニカルキャンドルのセットをオーダーしました。その商品を、Instagramで見てくれた「山形県」に住む別の友達が、「あのキャンドル、買えるかな?」と、私に連絡。私から釧路の友達を通じて、無事に「山形」-「釧路」のおふたりがつながりました。
そういうことが、すでにあちこちで、日常的に行われてる。つながりで、モノもサービスもきちんと届く。
だから、商品やサービスの紹介だけでなく、その背景や流れる血のように、自分のことも、いろんな形で伝え続け、認知して貰うこと、自分を理解してもらうことが、大事だと思います。もちろん、これだけ膨大な情報が、溢れている世の中なので、自分の情報なんて、届かないよ…、と思うかも知れないけれど(私もそう思っていました)、そもそも何も発信しなければ、誰にも届かないし、存在すら認知されない。「いいね!」や「フォロワーの数」にあまりとらわれず、自分のことを、まず出すこと、そして出し続けることが大事だと、私も最近、より強く思うようになりました。そしたら、誰かが必ずあなたのことを、見つけてくれる。商品・サービスからあなたを知るのか、あなたから商品・サービスを知るのか。双方のルートが、きちんと繋がっていることがとても重要だと思います。
自分を出すことで、お客様を選ぶ。
もうひとつ、発信の大きな効果として、お客様と自分の商品・サービスとのイメージの乖離を小さくすることができる、ということがあります。
どういうことかというと、あなたのことを何も知らない「新規顧客」ではなく、発信を通じてあなたを気に入ってくれた、あなたに合うお客様を確実に引き寄せる。逆に、合わないお客様を遠ざける、ということ。一見、客数として量的には損をしているようにも見えますが、望まないサービスを受けてクレームにつながることも回避できる=無駄な資金と労力、時間を使わなくて済む、という訳です。その分、大事なお客様に時間等を使うことができる。
ホームページだけを見て、失敗していた私。いまは、経営者のブログやTwitterも必ず見に行くようにしています。そうすることで、自分に合った商品・サービスかを、事前に見極めることができます。それは、お互いにとっても幸せなことだとも思います。
最後に。
人に性格や人格、個性があるように、生み出された商品・サービスも、会社も、地域も、同じように人格や個性があると私は思っています。
そして、人付き合いと同じように、当然合う合わないがあるし、あっていい。価値観もみんな違うし、みんなに好かれる必要はない。
自分のことをしっかり伝えたうえで、好きだと言ってくれるひとに、深くわかってもらえればいい。
それを、たくさんの人に好きになって貰いたいと、八方美人になった途端、多様なお客様に自分を合わせようとして、ぶれてしまう、自分を見失う、そして疲弊してしまう。
いまは、背伸びもせず、それこそ自分らしくいられるお客様とつながる、いい意味で、お客様を選んでいく時代なんだろうなと思います。