「書く」ことで感情を整える
感情の整理として「書く」ということを始めて、10年ほどが経つ。
学校の空き時間にはノートに書いて、ペンを持つ機会が減ってからは、スマホのメモ帳アプリにただひたすらに書き連ねていた。
文字にするうちに、書き始めた時には思ってもいなかった結論に至ったり、自分でも分かっていなかった感情を紐解けたりするから面白い。いっぱいいっぱいになった頭のストレージ容量を、「書く」ことで消化していく。
私には使い方が主に2つあって、その一つが”マイナスの気持ちになった時”だ。文章をあまりに悲観的な結論にすることが好きではないから、書きながら物事の明るい側面を見つけて、そちらに意識を向けているような気がする。ただ、後から読み返すと「頑張って前向いたフリしてるけど、当時は全然だったよなぁ」なんて思ったりもする。まぁ、その時の私が納得したつもりならそれはそれでいい。後から見た時に、「この時より現状明るいなぁ」と思えるのも、ひとつの利点かもしれない。
もう一つが、”「幸せ」と呼べるような嬉しいことがあった時”。久しぶりに読み返したりすると、「こんなことしてもらったなぁ」とか、「今当たり前にあるものに当時はこれだけの幸せを感じられてたんだ」、なんて思えて案外いい。過去の自分を羨むこともないことを少し不思議に思ったが、そんなことを思うメンタルの時は、幸せな時の文章を読む暇もなく、今の自分の気持ちをひたすら書き出しているからだろう。我ながらいい仕組みである。
最近は専用のアプリもあるようで、ここ20日ほど使ってみている。書く瞑想アプリ『muute』だ。
文章を書いた後(または前)にその時の感情や考えている物事のカテゴリを記録しておくと、AIが自動で集計してくれるから面白い。
『muute』をしていると、圧倒的に「自分」について考えていることが多いことがわかり、「人間ってそういうものだよなぁ」と改めて思い知る。
『muute』、メモ帳、紙とペン。
やり方に違いはあれど、やっていることはいつも同じで。
「書く」ことが好きだからこの方法をとっているのか、感情を書いて整理していたから「書く」ことが好きになったのか。卵が先か鶏が先か論争になるくらい、「書く」ことは私のライフスタイルの一部であり続けている。
感情がなかなか整理されないときの、一つの解決方法として。
他にも自分に合う「書く」媒体があれば、試してみたいと思う。