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理由なんてどうでもいい
突然の嵐で全世界の光景が変わってしまった。子供も大人もSTAYHOME。見えないものと戦っていた。私たちは、本当にウイルスが怖かったのか、それとも外に出ることで浴びる非難の声、実体のある人間を恐れていたのか?
正直な話をしたら、私は後者だ。普段の生活では元々外出時はマスクをしていたし、手洗いうがいは言われなくても染みついている習慣だ。周囲には感染している人はいなかったし、そもそも生活範囲に「三密」がない。
けれども、きっちり2か月以上STAYHOMEしていた。出かけるのは食料品の買い物と娘の散歩のみ。ゴールデンウイークも帰省せず、出産をした身内のお見舞いにも行かず。本当に自粛していた。
感染のリスクがないのなら、こっそり帰省したっていいんじゃないか。ばれなきゃいいんじゃないか。幸運なことに高速道路はガラガラだ。実家の父も孫に会いたがっている。
それでも行かなかった。
「こんな時だから仕方ないよね」を合言葉に、すべての予定をキャンセルした。
なんでだろう。嵐がとりあえず過ぎようとしている今、考えてみた。
私は弱い。もし「いいから出かけちゃいなよ」と言われたら出かけてしまったかもしれない。
私は弱い。もし出かけた先で「非常識だ」なんて罵られたら、自分の行動を悔やんで落ち込んでしまうだろう。
私は弱い。感染リスクの高い地域から、地方へ遊びに行ったことで「誰か」を感染させてしまったら・・・。一生、謝罪しても収まらない。
私は弱い。「自粛できなかった人」というレッテルを貼られてしまうのが。
結局は、ウイルスより人間が怖い。批判されることが怖い。だから、家にいたのだ。
でも、私のそんな理由なんてどうでもよくて、ちゃんとSTAYHOMEしていたんだからいいんじゃないか。理由なんてどうでもいい。すべては、結果なんだから。
過ぎてしまった時間は戻せない。この期間中に生まれた子は会わないうちにどんどん大きくなるし、亡くなった人は会わないうちに骨になった。
私の中で、2020年の4月と5月は存在していなかったようだ。
どんなに頑張っても取り戻せないものがそこにはあって。どうしようもないこの気持ちを成仏させる方法が見つからない。
いまこの世の中で、どうしようもない気持ちをぶつける先がない現状が、批判や暴言になり無関係な場所にびゅんびゅん飛び交っているのだ。それは、地域のオフラインのコミュニティでもあり、オンライン上で匿名の誹謗中傷でもあり。
きっと、多くの人がこのどうしようもないストレスを感じていたのだろう。「一緒に頑張ろう」とエンターテインメント界で徐々に起こってきた無料動画公開の流れに(今となってはお腹いっぱい状態なところもあるけれど)素直に感動したものも多かった。
この異常な事態にならなかったら生まれていなかった世界がそこにはあった。STAYHOMEじゃなきゃ見過ごしてたエンターテインメントがあった。
理由なんてどうでもいい。素敵な音楽に出会うことができて、ほんの少しだけ、この状況に感謝すらしてしまった。
この先なにがあっても、今の状況は忘れないだろう。きっと、この機会に出会った音楽と一緒に思い出すのだろう。
「STAYHOME」出来てよかった。弱い自分でもちゃんと成し遂げられたことに満足している。
続きはまた今度。ではまたね。