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書く仲間がいる幸せについて

 寒い日に、ふと思います。書くことが好きだと。気分が乗らないことも、書いていてめんどうに思うこともあるけれど、学生時代から書き始めて十五年近く経ったいまも、こうして文章を書いています。

 書いている時間は孤独です。ひとりで、一文字ずつ文章を書いていることは、楽しくもあり、さびしくもあります。世の中には数えきれない名文があって、たとえ書き上げても、誰にも見向きもされないのではと思うと、さびしくなります。

 学生のころ、文芸部のようなコミュニティに属していました。周りの人がみんな小説や詩を書いている集まりです。私は文芸部が大好きでした。文章を書くことが好きな人は、そう多くありません。その仲間がいることが、とても幸せでした。

 毎週、みんなで文章を書き、読み合う場所。文章を読めば、会話を重ねるよりも、その人を奥深くから理解できるような気がしました。書いている時間に、さびしさを覚えることもなかったように思います。

 社会に出ると、いよいよ文章を創作する人が周りからいなくなりました。あの文芸部がどれほど貴重な場だったのか、後から気づいたものです。文章を書くことは、また私にとって孤独なものになりました。

 書いたって誰にも読んでもらえないのでは? その不安が少しずつ大きくなり、書くことを辞めたときもありました。けれど、書きたい気持ちはずっとどこかに残っていて、どうすればまた書けるだろうかと私は考えました。

 そうして立ち上げたのが、シロクマ文芸部という note上の文芸部です。自分を部長として人を巻き込めば、いやがおうでも書くだろうという思いつきでした。シロクマ文芸部の文芸企画に参加される方は、少しずつ増えていきました。

 初めはそんな思いつきでしたから、自分の気まぐれで、いつシロクマ文芸部を解散してしまうか知れないと、自分で自分に責任を追わせるために、シロクマ文芸部のメンバーシップ(noteの有料サークルのようなもの)も始めました。

 そんな自分勝手な始まりだった部ですが、いま #シロクマ文芸部 とnoteで検索すると10,000件近い記事がヒットします。それだけみんなに楽しんでいただき、多くの作品が生まれたのだと思うと、始めてよかったと改めて思います。

 なにより、書く仲間ができたことが幸せです。最近はシロクマ文芸部のメンバーシップでZoom上でもお互いの作品を読み合い、感想を言い合う活動もはじめました。あの頃の、学生時代の文芸部を思い出します。

 今日もこうして書き続けていられるのも、シロクマ文芸部に関わってくださっているみなさまのおかげです。これからもこのご恩を少しずつでも返していけるように、いろいろな文芸企画を考えて催していきますね!

 ではまた!






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小牧幸助|文芸・暮らし
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