小さなベンチを本棚に
振り返るとその道は
いつも西日に染まっていた気がします。
かつて小牧幸助は東京の
目黒通り沿いに住んでおりました。
※貧乏なのにわざわざ家賃が高い場所に
当時、平日は仕事でへとへとに疲れて
土日も仕事でへとへとに
疲れることもあるような生活で
休日は心の底から大切なものでした。
貴重な貴重なお休みの日、
そんな私を癒やしてくれたのは
目黒通り沿いに立ち並ぶ
家具屋さんたちでした。
私は文芸と写真が大好きですが
家具や雑貨も好きなのです。
そんなことを振り返っていた
今日のお昼すぎ。
もう一度、目黒通りを散歩しよう!
そう思って私はいきおい
バスに飛び乗りました。
※ゴールド免許ペーパードライバー
クリスマスカラーの
クレーンを見上げながら
久々の目黒通りをずんずん歩きます。
道中、捨てられていた赤富士の描かれた
コーヒーの紙カップなど眺めながら
のんびりと行きます。
GEOGRAPHICA というお気に入りの
アンティークショップに寄ります。
1880年から1950年代につくられた
英国アンティークが中心のお店で
今日は大きなツリーが飾られていました。
二階には IL LEVANTE という
イタリアンレストランが併設されており
私は生意気にもパスタをいただきました。
お腹がいっぱいになったあとも
しばらく異世界のような店内の品々を
あかず眺めたりしておりました。
そうして再び目黒通りへ。
ぽうっせず……?
と読めない言葉が掲げられた
きれいな色のドアのお店などを
横目にさらに道を行きます。
道沿いに並べられた銀色の椅子を
指でなぞりたくなるのを我慢して
私は青空の下を進みます。
そしてふらりと入ったのは
ALOHA LIVING というハワイの
ショールーム兼カフェ。
コナコーヒーを頼むとお店の方が
サービスでポップコーンをくださいました。
(メリークリスマスですって!)
店内もとてもハワイアンで
クリスマス・イヴとのギャップで
サウナと冷水を行き来するような
謎の爽快感を感じました。
コナコーヒーを飲み終えると
私は再び目黒通りへ。
そうして、私は出会ってしまいます。
運命の出会いと言っていいでしょう。
ams table & chairs という
ブリティッシュカントリーな
家具さんで、私は出会ってしまいました。
店主のステキなおじさまが
手作りされたという木製の小さなベンチ。
何か大きな買い物をする気は
これっぽっちもなかったのに
がらにもなく衝動買い……!
そのままかついで帰ります!
と勇んで小さなベンチを抱え、
帰路についた小牧幸助。
持ち帰ったお品物はこちらです。
かわいすぎませんか……!?
お気に入りの文庫本を置くと
サイズ感が分かりそうです。
不揃いな木板のしぶい色がたまりません。
本棚にしちゃおうかな?
などといろいろ妄想を膨らませております。
行ってよかった目黒通り。
クリスマス・イヴに斜陽を浴びながら
小さなベンチをかつぐ謎の男を
道行く人たちは二度見しておりました。
こうしてまた小牧幸助の記憶には
西日に染まる目黒通りが
強く刻まれたのでした。
目黒通り、オススメです!
みなさまも次の休日には
ぜひ散歩してみてはいかがでしょうか。
では、また!