大阪市の神社と狛犬 ❾鶴見区⑥鶴見神社~盃状穴の浪速狛犬~
大阪市鶴見区の地図と神社
大阪市には、現在24の行政区があります。鶴見区は、北西は旭区、西は城東区と接していて、大阪市でいちばん東に位置します。さらに、北は守口市、北東は門真市、東は大東市、南は東大阪市になります。
かつては蓮畑や蓮根畑が多いのどかな田舎町でしたが、1990年には花博が開催され、開発が進みました。花博会場の跡地は鶴見緑地として区のシンボルになっています。
「鶴見区」という名前の由来については、次のような話が伝わっています。鎌倉時代に、源頼朝が富士の裾野で巻狩をしたときに、千羽の鶴に金の短冊を付けて放したところ、この地に飛来して住み着いたといいます。その鶴を見物に来る人が多く、そのことから「鶴見」という呼び名がついたといわれています。
鶴見区には、神社が8社あります。6社目鶴見神社は、大阪メトロ今福鶴見駅の東、約1kmの地に鎮座します。
鶴見神社
■所在地 〒538-0053 大阪市鶴見区鶴見3-13
■主祭神 大山咋神荒魂
■由緒 平安末期に近江国比叡辻の農民がこの地に移り住み、日吉大社の八王子社の分霊(八王子権現)を勧請したのが、当社の始まりだと言われている。社名は長らく「八王子社」だったが、昭和27年(1952)に「鶴見神社」と変更された。
狛犬1
■奉献年 文化十三年子九月立(1816)
■石工 不明
■材質 花崗岩
■設置 拝殿前
拝殿前に、花崗岩製の浪速狛犬が安置されている。台座に「文化十三年子九月立」の銘がある。石工銘は残念ながら見当たらない。文化年間の典型的な浪速狛犬と言える。保存状態は良好だが、吽形の角がとれて頭上に穴があいていた。
狛犬の角がどのような経緯で落ちてしまったのかわからないが、その跡が穴になっているのは、盃状穴の信仰と結びついたものであろうか。
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