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アジア紀行~カンボジア・アンコール遺跡の旅⑭~

ホテル到着

プノン・バケンに登り、アンコール・ワットを訪れたあと、オッサン(MR.キー)のバイクでホテルに到着。ちょうど12時になる。

オッサンがお金を払ってほしいと言う。
明日空港まで行ってから精算しようと思っていたが、今ほしいと言う。
7月23日から29日まで1週間、1日6ドルの約束だった。半日の日や、バンテアイ・スレイのような遠出の日もあったので、計算すると42ドルになった。当時のレートでは、1ドルが110円ぐらいだったから、4620円になる。何と安いことか。しかし彼らにとって、42ドルはそれなりにまとまった金額なのだろう。
この中には、明日の空港までのトランスポートも含まれている。ホテルから車で行くことも考えていたが、それをオッサンに言うとまた疲れそうなので、やめておく。

珍しくオッサンが「今晩いっしょに飲まないか」と誘ってきた。お金が入ったのでちょっと気が大きくなったのだろうか。たぶん払うのはこちらだろうが。いやそんなことより、夜までこのオッサンと付き合うのは勘弁してほしい。
それとなく断ると、オッサンは、「You lost~」と言ってきた。よくわからなかったが、気に入らない内容だ。早くオッサンと別れよう。
とりあえず、明日の朝9時に迎えに来てくれるように約束する。空港のCheck in が 9:40 なので、時間厳守である。

部屋に入り、シャワーで汗を流す。ついでに洗濯。すっきりする。同時に空腹を感じる。今朝は小さなバナナを2本食べただけだ。レストランに行こう。

突然のスコール

1階にあるレストランに入る。昼時を過ぎているので、客はまばらだった。外が見える席に座り、メニューを見て注文する。
 パンケーキ(1ドル)
 マッシュルームのオムレツ(1ドル)
 アイスコーヒー(0.5ドル)
これだけ注文して、合計 3.5ドル。日本円に換算すると 385円。現地で食べている時はそんな計算はしないが、今振り返ってみると、貨幣価値に大きな差があることに驚く。オッサンにボーナスをあげてもいいような気になる。

外で楽器を奏でる音がして、表通りを行列が通るのが見える。どうも葬式の列のようである。霊柩車と思われる黒い幕を垂らした車が列の中ほどにあり、ゆっくりと通り過ぎて行く。カメラが手元にないのが残念だ。

いつの間にかレストランには人がいなくなった。支払いは明日のチェックアウトの時にまとめてすることになっているので、そのまま部屋に戻る。
突然、激しいスコールが来た。窓から雨に煙る外の景色を眺める。オッサンのバイクに乗っている時にこんな雨にあったら大変だっただろう。
しばらく降った後も、雨上がりの空は曇ったままだった。土が混じって泥のようになった道を、いろんな乗り物が通っていく。

オープンなトラック
バイクの後ろに貨物用の二輪
食べ物の屋台を移動している

カメラを持って外に出る。5人乗りのバイク、ブタを括り付けて走り去るバイク、荷物を引くバイク。いろんなバイクが水たまりを避けながら走っていく。なかなかカメラに収まらない。

さっきの食べ物屋台、重そう!
自転車で運ぶには重そう、犬もいっしょ
3人乗りは当たり前
天秤棒を担いで食べ物を売る親子
自転車を持ってバイクに乗っている
自転車の団体さん、お仕事お終い?
刈った稲を運んでいる
見晴らし良好

日本の稲刈りとはまったく違うようだ。数日前に撮った写真を見ると、その様子がよくわかる。

まさに水田の中で稲刈りをしている
刈った稲を束ねる

カンボジアの稲作は、かなり多様である。
灌漑田稲作や雨季の天水田稲作に加えて、浸水域では深水稲・浮稲が栽培される。また畑地で行われる陸稲がある。地域によって異なるが、一作から三作まである。しかし生産性が低く、国内需要にすぎないという。

部屋に戻って

ホテルの前に立っていると、バイクがいるのかと何度も声をかけられる。もうかなりの時間が過ぎている。特にすることもないので、部屋に戻ることにする。
ベッドの枕を背中にあてて、持ってきた本を読む。グレッグ・アイルズの『神の狩人』。サイコ・スリラー物で、けっこう刺激が強い。

読み進むうちに日が暮れ、気がつくと7時を過ぎていた。もう夕飯の時間だが、じっとしているだけなので、まったくお腹が空かない。しかし義務的にレストランに向かう。
 ヌードルスープ(1ドル)
 スプリングロール(2ドル)
 ハイネケン(1.5ドル)
値段の付け方はかなりアバウト。すべて0.5ドル単位になっている。レストランの人がサービスだと言って、ポテトチップスとランプータンを持ってきてくれる。食べきれるかなぁ。

部屋に帰り、荷物を整理する。カンボジア最後の晩で、明日はバンコクに戻るというのに、ひとりホテルの部屋にいるのは、どこか物寂しい気がする。ふとオッサンの誘いを思い出すが、それは忘れよう。
アンコール遺跡に未練がないかというと、まったくそんなことはない。足をのばせば、まだまだ魅力的な遺跡がたくさんあるはずだ。いつかまた訪れる日が来るかどうかはわからないが、この旅の記憶はしっかり心と頭の中に留めておこうと思う。

早くベッドに入ってすぐに眠ってしまったが、11時頃に突然お腹が痛くなって目が覚める。急いでトイレへ。食べ過ぎたのかどうかわからないが、カンボジアに来てからは、ずっとお腹の調子がよくなかった。

お腹が空っぽになった感じ。スッキリした。うん、大丈夫だ。
眠り直し。いい夢を見よう。




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