アジア紀行~(続)ベトナム・ホイアン③~
懐かしのホイアン
旅の印象や思い出は、訪れた町それぞれであり、出会った人それぞれである。さらに旅をしている人それぞれでもあるはずだ。しかしホイアンに限って言えば、私が知っているだれもが、「ホイアンはいい所だった。もう一度行きたい。」と話す。それほど、ホイアンは印象に残る旅情豊かな町だった。
ホイアンの黄昏
午後6時。空にはまだ薄明かりが残るが、あと1時間もすれば夜がやって来る。家々には灯がともり始める。自転車に乗って、旧市街まで走る。昼間の暑さは、この時間になってもまだ余力を保っている。日射しがないだけましかもしれない。
川までやって来る。目の前はアンホイ橋。橋にも間もなく灯がともる。昼間とは異なる世界への入口が開き始める。
川沿いには露天の食べ物屋が並んでいる。
ここで、ホイアン名物と言われる「カオラウ(Cao lầu)」を食べる。米粉の太麺に、焼き豚や野菜がのっている。麺はこしがあって、汁はほとんどない。焼き豚はパリパリでおいしい。すぐ前の席では、歯のないおばあさんが同じものを食べている。全体的に味はまあまあ。どちらかといえば、汁麺のほうが好きだ。
続いて食べたのは、これ。黒くてちょっと甘くて温かい。店のおじさんは「スイート・トーフ」と言った。
中身はこんなもの。黒いのと半透明のものはゼリーだ。微妙な味だった。
暗くなる前に、黄昏の旧市街を歩く。
昼間に訪れた「タンキーの家」の裏手に出る。今はひっそりとしている。
古い建物を利用した素敵なレストランにも灯りがともる。
古い町並みが、昼間とは違った顔を見せる。
時計の針は7時をまわり、もうすっかり暗くなった。川に目をやると、小舟が宙に浮かんでいるような錯覚に陥る。
アンホイ橋のほとりまで戻り、置いてあった自転車に乗って町のはずれまで行ってみる。人も減り、灯りも少ない。借りた自転車はライトがついていないので、闇の中を走るようだ。危険なので引き返す。
午後8時。ホイアンの夜はまだこれからのようだが、続きは明日のお楽しみにしよう。
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