大阪市の神社と狛犬 ❾鶴見区①古宮神社~花博で引っ越した狛犬~
大阪市鶴見区の地図と神社
大阪市には、現在24の行政区があります。鶴見区は、北西は旭区、西は城東区と接していて、大阪市でいちばん東に位置します。さらに、北は守口市、北東は門真市、東は大東市、南は東大阪市になります。
かつては蓮畑や蓮根畑が多いのどかな田舎町でしたが、1990年には花博が開催され、開発が進みました。花博会場の跡地は鶴見緑地として区のシンボルになっています。
私は高校生の頃まで城東区に住んでいましたが、その頃は現在の鶴見区は城東区鶴見町でした。東には生駒山が見え、辺りにはまだ田圃が広がっていました。
「鶴見区」という名前の由来については、次のような話が伝わっています。鎌倉時代に、源頼朝が富士の裾野で巻狩をしたときに、千羽の鶴に金の短冊を付けて放したところ、この地に飛来して住み着いたといいます。その鶴を見物に来る人が多く、そのことから「鶴見」という呼び名がついたといわれています。
鶴見区には、神社が8社あります。古宮神社は、花博記念公園鶴見緑地の東に鎮座し、地下鉄鶴見緑地駅から東へ500mほどの所です。
古宮神社
■所在地 〒538-0035 大阪市鶴見区浜4-16-20
■主祭神 天照大御神・底筒男命・中筒男命・上筒男命・息長足姫命・誉田別命・菅原道真公の7柱
■由緒 詳しい由緒は不詳だが、もとは河内国茨田郡古宮村大字浜赤曽根の地に鎮座し、赤曽根神社と称した。大正4年に社名を現在の古宮神社と改称する。平成2年には、国際花と緑の博覧会開催にあたり、旧社殿より南西約150mの現在地に移転するに至った。
狛犬1
■奉献年 昭和二十四年十月吉日(1949)
■石工 不明
■材質 花崗岩
■設置 正面鳥居前
昭和24年ということは、戦後に奉納された狛犬である。紀年銘の「四」の字がうすく、「一」にも見える。狛犬は、口の開閉だけでなく、耳の形にも阿吽で変化をつけている。全体の姿に、江戸時代の浪速狛犬の伝統を感じさせる。
狛犬2
■奉献年 文化九年申九月(1812)
■石工 不明
■材質 砂岩
■設置 拝殿前
台座に「文化九年申九月」(1812)の紀年銘がある。200年を超える歳月によく耐えて原形をとどめている。全体に大作りで繊細さはないが、全盛期の浪速狛犬の相貌をよく残している。木の葉型に広がる尻尾は、先が大きな渦になっている。阿形の股間には陽物が見える。
狛犬3
■奉献年 明治二十一年(1888)※『狛犬の研究ー大阪府の狛犬』(奈良文化財同好会)による
■作者 不明
■材質 木製
■設置 本殿内
本殿内に坐す木製の神殿狛犬。『狛犬の研究ー大阪府の狛犬』(奈良文化財同好会)によると、明治21年(1888)の奉納という。阿形が金、吽形が銀に彩色され、たてがみも、阿形は緑青、吽形は群青である。