大阪市の神社と狛犬 ❾鶴見区④八幡神社~ピンポン目玉の浪速狛犬~
大阪市鶴見区の地図と神社
大阪市には、現在24の行政区があります。鶴見区は、北西は旭区、西は城東区と接していて、大阪市でいちばん東に位置します。さらに、北は守口市、北東は門真市、東は大東市、南は東大阪市になります。
かつては蓮畑や蓮根畑が多いのどかな田舎町でしたが、1990年には花博が開催され、開発が進みました。花博会場の跡地は鶴見緑地として区のシンボルになっています。
「鶴見区」という名前の由来については、次のような話が伝わっています。鎌倉時代に、源頼朝が富士の裾野で巻狩をしたときに、千羽の鶴に金の短冊を付けて放したところ、この地に飛来して住み着いたといいます。その鶴を見物に来る人が多く、そのことから「鶴見」という呼び名がついたといわれています。
鶴見区には、神社が8社あります。八幡神をお祀りする神社が2社ありますが、今回訪れるのは、諸口にある八幡神社です。JR学研都市線の徳庵駅の北、約1kmの地に鎮座します。
八幡神社
■所在地 〒538-0051 大阪市鶴見区諸口2-4-41
■主祭神 應神天皇・仲哀天皇・神功皇后
■由緒 社記によると、延久4年(1072)に大阪府羽曳野市の誉田八幡宮の分霊を勧請したのが始まりで、当初は南北神社と称していた。明治5年(1872)に現在の八幡神社に改称する。
狛犬1
■奉献年 不明(江戸末期)
■石工 不明
■材質 砂岩
■設置 拝殿前
江戸時代末期と思われる砂岩製の浪速狛犬である。ピンポン球のような大きく丸い目を見開き、阿形は大きく自然な口の開き方をしている。口を閉じる吽形は上下の歯列を見せている。吽形の頭上には角がある。耳は阿吽ともぼってりとした横耳である。
拝殿内に、嘉永5年(1852)奉献の木造神殿狛犬がある。拝殿前の石造狛犬の奉献もその頃かもしれない。
社殿は令和2年(2020)に改築されて、新しい建物になっている。
末社・菊水稲荷神社
八幡神社の境内には、末社の菊水稲荷神社がある。こちらも社殿が新しくなっている。社殿の裏側に、先代と思われる狐像があった。二体のうちの一体は、あわれな状態だった。