アジア紀行~インドネシア・幻の巨大チョウを求めて④~
MANUSELA TOUR
アンボン島のアンボイナ・ホテルに2泊した翌朝。5時にwake up call があり、続いて枕元の目覚まし時計が鳴り出す。
昨日、アンボン市内のツーリストで組んでもらった「セラム島巨大チョウ探検ツアー」への出発は、6時の予定だ。
ベッドの中で、計画表をもう一度ながめる。
ツアー名は、「MANUSELA TOUR」となっている。「MANUSELA」は、セラム島の国立公園の名称だ。
本日の予定は・・・
3人とも起き出して、昨夜買ったパンとオレンジジュースで朝食。
5:40 今回のガイドのジャニス(JANES)から電話が入る。もうホテルに来ているようだ。
フロントで2泊分の宿泊料を支払う。3人で229,000Rp。1人1泊38,000Rpほどの計算になる。1泊2,000円ほどだ。
ホテルの前に四駆の車が待機している。ジャニスとドライバーのヨンキー、そして我々3人が乗り込む。予定どおり、午前6時出発。まだ日は昇ってないので、ほんのりと暗く、空気は生ぬるい。
40分ほどで、Tulehuの港に到着する。
東の空が茜色に染まりはじめる。
この港からフェリーでセラム島に渡るのだが、出航時刻がわからない。ジャニスも知らないという。乗ってきた四駆で移動するのかと思っていたら、ドライバーのヨンキーは、引き返してアンボンの町に戻ってしまった。
ここからの旅は、我々3人とガイドの4人だ。
1時間余り待って、やっと出航の時刻になった。雲が切れてだんだんと青空が広がっていく。我々の乗った船は、白い波しぶきをあげて、セラム島へと進む。船の名は「Los Angels 2」。似合わない名前だけれど、この旅の「Angel」になってくれればいいのだが。
右舷のベンチに座っていると、右前方にハルク島が見える。ジャニスの奥さんが住む島だという。1歳の女の子がいるそうだ。彼はふだんはどこで暮らしているのだろうか?
日が昇ると、一気に気温が上がり始めた。
船の旅は順調に進む。イルカの群れが近づいてきて、しばらく船と併走する。
セラム島までの旅は3時間半かかったが、まったく退屈しなかった。アンボン島からセラム島までは、地図で見るとすぐそこに思えるが、やはり地球は大きい。
セラム島上陸
船は昼前にセラム島のアマハイ(AMAHAI)の港に停泊する。
さらにここからベモ(小型バス)に10分ほど乗って、マソヒ(MASOHI)へ。この町のホテルに今夜は泊まることになっている。
ジャニスに連れていかれたのは、「WISMA SRI LESTARI」というホテルだった。「WISMA」というのは、「ゲストハウス」というくらいの意味だ。
とりあえず、「泊まるだけ」という雰囲気の宿である。
他の客もいるので、我々4人で2部屋しか使えない。一部屋はツイン、もう一部屋はダブルだという。ダブルの部屋を私とYが使い、ツインをM君とガイドのジャニスが使うことになった。
部屋に荷物を置いた後、外へ昼ご飯を食べに行く。Yは少し船酔いしたようだが、アヤムゴレン(AYAM GOLENG 鶏の唐揚げ)とナシ(NASI ご飯)を食べると、ほぼ回復した。M君は陽に焼けて赤くなっている。
食事がすんでホテルに戻り、みんなしばらく休息をとる。午前中はあんなに青空が見えたのに、いつの間にか空が曇って天気が崩れそうになっている。
Yは部屋の壁にとまっているチチャ(Cecak)を捕らえて遊んでいる。小学生の頃とまったく変わらない。チチャというのは、インドネシアの家でよく見かける小型のヤモリだ。静かになると「チッチッチッ」と鳴く。
雨が止んだので、近くの海辺に行く。みんな泳ぐ気満々だ。しかし潮が引いた海岸は、砂浜というより泥浜で、ゴミが打ち寄せられている。これが南の海だとは信じられない。ジャニスも含めて3人は海に入っていったが、自分は見るだけにした。また雨が降り出してきた。
夕食はホテルのレストランで。アヤムゴレンとスープとコロッケみたいな揚げ物などを食べる。このコロッケもどきが美味しかった、
夕食のあと、ジャニスもいっしょに4人で話をする。お互いの信頼関係をつくっておきたい。彼は英語は何とか理解するが、日本語はまったく知らない。簡単な日本語の挨拶などを1時間ほど教える。英語~日本語の辞書がほしいから送ってくれと言う。簡単に要求するけれど、日本語はまったく読めないわけだから、普通の英和辞典では役に立たない。
夜中、Yがお腹が痛いと言って騒ぐ。食べ過ぎじゃないの?
ダブルベッドだからこちらも眠っていられない。起き出して蚊取り線香をつけなおし、ホテルのフロントに水をもらいに行く。腹痛の薬といっても、正露丸ぐらいしか持ち合わせはない。
ああ、幻の巨大チョウはまだ遠いな~。
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