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アジア紀行~ミャンマー・インレー湖④~
インレー湖ボートツアーは続く
朝8時から、専用ボートでカヤン族の店~インディン五日市~インディン寺院遺跡と見学してきたが、現在11時前。そろそろお腹がすいてきた。しかしボートは次の目的地に向かって船着き場から出発。
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水辺にたくさんの水上家屋が並んでいるのが見える。
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ボートは両岸近くに水上家屋が建ち並ぶ水路を、湖の方角に進む。
この家屋で暮らしているのは、「湖の民」インダー族だ。移動はすべて船である。
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家の壁はすべて木の皮を編んだ網代のようなもの。屋根は藁のようなもので葺いてあるものもあるが、多くは白い波板である。
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下の地図の「インディンパゴダ」から40分ほどで、湖に出る。
旅先で現地の観光ツアーに参加すると、よくいろんな土産物屋に連れて行かれるが、インレー湖のボートツアーも同様である。次に向かったのは、「Nan Pan Market」というところだった。ここもまた五日市が開かれる場所だが、この日は開催日ではなく、やって来たのは、インレー湖名産の織物の工房だった。
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蓮糸織り工房
インレー湖では、蓮の茎から取った繊維をつなぎ合わせて糸にし、それを織って生地にするという「蓮糸織り」という伝統的な織物がある。1本の茎に無数の繊維があり、それを縒り合わせて1本の蓮糸を作る。気が遠くなるような作業である。
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脚踏み式の機織り
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この附近には、このような織物工房がいくつもあるようだ。
工房に入ると、案内の女性がいろいろ話しかけてきて、スカーフやシャツを売ろうとする。蓮糸で織ったものは、普通の絹織物の数倍の値段だ。インディンのマーケットでスカーフを買ったばかりなので、結局見学しただけで工房を出る。
ファウンドーウー・パゴダ
(Phaung Daw Oo Pagoda)
織物工房を出たボートが次に向かったのは、ファウンドーウー・パゴダだ。インレー湖にそびえるように建つ大きな水上寺院である。
近づくにつれて、どこかに備え付けられたスピーカーから、お経を読む声が絶え間なく聞こえてくる。まるでイスラム教のアザーンかコーランの朗誦のようだ。
時間はちょうど12時。モーウィン君はレストランの前にボートを停めて、ここでランチという。2階のレストランでいっしょに食べようと彼を誘うが、首を振って1階の別の場所に行ってしまう。
メニューを見て、シャンヌードルとパイナップルジュースを注文する。デザートにかわいいバナナを持ってきてくれる。
シャンヌードルはとても美味しかった。これでわずか3,000チャット。
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レストランの前の橋を渡って対岸に出る。振り返ると、いま昼ご飯を食べたレストランが見える。
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モーウィン君の姿が見えないので、1人でファウンドーウー・パゴダに行くことにする。お経を読む声は、相変わらずスピーカーから聞こえている。
堂内にはいり、階段でパゴダの2階に上がると、中央に屋根付きの大きな祭壇があった。祭壇の上に、金色の正月のお鏡のようなものが5つある。男性が祭壇にのぼって何かしている。
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この金色の鏡餅みたいなものは、実はこのパゴダのご本尊なのだった。どれも全体に金箔を貼られて、まるで金色の雪だるまか、正月の重ね餅のようになっている。祭壇に登れるのは男性だけで、女性は禁じられている。こんなところにも男女の性差別がある。先ほどの男性は、本尊の仏像に金箔を貼り付けていたのだ。
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このインレー湖では、毎年9月から10月ごろに「ファウンドーウー祭り」という大きな祭りが行われるそうだ。その時には、伝説の鳥「カラウェイ」を模した黄金の船が湖上に繰り出される。そして、雪だるまのようになったファウンドーウー・パゴダの黄金の仏像もこの船に乗せられて、湖周辺の村々を巡るそうだ。
さて、祭壇の周りをぐるっと回って反対側に出ると、白い衣服を着た人がマイクの前でお経らしきものを読んでいる。さっきからのスピーカーの声の正体はこの人だった!
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ファウンドーウー・パゴダを出て、先ほどのレストランに戻ると、モーウィン君が待っていた。
再びボートに乗って、次の目的地であるガーペー僧院へと向かう・・・というお話は、次回にします。
今回は、ファウンドーウー・パゴダから大音響で流れるお経を録音・録画したものを途中に埋め込みました。動画ファイルをそのまま貼り付けることができないので、一旦YouTubeにアップし、それを埋め込みました。どちらも初めての試みなので心配ですが、うまくできていますように!
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