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夕焼けを追いかけて


夕焼けがきれいよ

昨日の午後7時ごろのこと。外出から帰宅した妻が開口一番に言った。

「夕焼けがとてもきれいよ!」

庭に面したガラス戸を見ると、暖かなオレンジ色と淡い青色の空が木立の向こうに広がっている。しかしもう日没の時刻だ。まもなく空は昏くなるだろう。スマホを持って家を出る。

家の前の道路を急ぎ足で歩く。すでに日が沈んだと思われる西の空は金色に輝いている。


建物や電線が邪魔をする。もっと開けたところから空を見たい。どこか高い場所に移動しよう・・・。
頭の中で行き先を考える。その間にも頭上の空は暗さを増していく。
信号のある前方の交差点まで歩く。


ここを左折すると、子どもたちが昔通っていた保育園がある。その手前の急な坂道を上る。坂の途中を左に行くと、ピアノの先生のマンションがある。この辺りまでの道は知り尽くしている。
しかし真っ直ぐに行くと・・・?

車1台しか通れそうにない上り道がまだ続いている。この先には行ったことがない。とにかく高い場所まで行って夕焼けの名残を見ようと、残り20~30mほどの坂道を上ると、なんとそこは墓地だった。
竹藪の向こうの西の空に、夕焼けの最後の輝きが眺められる。


村の墓地

しかし、こんな所に墓地があるとは知らなかった。ちょっとした驚きだった。昔の村の墓地だろう。今は地元の自治会が管理する共同墓地になっている。


正面の小屋には仏様が静かに坐して、こちらを見ておられた。


遠くにEXPO CITYの観覧車の灯りが見える。


墓地のいちばん南の端は崖になっていて、町の様子が見下ろせる。


いつの間にか、すっかり日が暮れてしまった。空にぼんやりとした月が見える。明日は天気が崩れそうだ。


墓地の入口に戻り、急な坂を下る。夕焼けを追いかけて、こんな墓地にたどり着くとは思いもしなかった。長く住んでいても、知らない場所があるものだ。
すでに夜が訪れている。家々に灯りがともる。


夕焼けを追いかけて知る墓の道





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komajin
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