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アジア紀行~ベトナム・ハノイ③~
ハノイ4日目の朝
ハノイに来て4日目の朝を迎えた。寝苦しくて、夜中に何度か目が覚める。エアコンが効きすぎるのでOFFにしていたせいだろうか。6時半にベッドを出てシャワーで汗を流すと、やっとスッキリする。
9時前に7階のレストランに上がり、昨日、一昨日と同じような内容の朝食。あまり食欲はなかったが、しっかり食べた。
窓から外を眺めていると、一瞬雲の切れ目から青空がのぞく。ベトナムに来て初めて見る青い空だ。しかしそれも束の間、また雲が空を覆ってしまう。
今日の予定を考える。ハノイの町はまだまだ知らない場所が多い。まず、2日前に迷いながらハノイ駅に行った時に、前を通った「ホアロー収容所」に行ってみよう。
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明日は夜行列車で北部のサパに向けて移動する予定だ。チェックアウトが夜になるので、その分の延長が必要になる。さらにサパから戻ってくるのが早朝なので、その日のチェックイン時間についても、フロントに伝えておかなければならない。
出かける前に、フロントの女性に相談し、超過料金を支払うことで承諾を取る。これで安心。
外はまた雨になった。今回もホテルで傘を借りて出かける。ホアロー収容所の場所を地図で確かめて、今回は迷わず15分ほどで到着した。ところが入場料を払う段になって、別のジーンズのポケットにベトナムドンを入れたままホテルに置いてきたことに気づく。そろそろ両替が必要だと思っていたので、銀行をさがして3万円を交換する。銀行の窓口の男性とその隣に座っている女性は、1万円札を受け取ったあと、何度も偽札ではないか調べたあと、用紙にパスポート・ナンバーを書くように言う。パスポートを持ち歩いてなかったので、わからないと言うと、結局なしで両替をしてくれた。3万円は、628万ドンという大金になった。
ホアロー収容所
銀行から先ほどのホアロー収容所に戻る。入口にはフランス語で「MAISON CENTRALE」と書かれている。ここは、フランスがベトナムを植民地化したときに建設した。「セントラルハウス」とは、皮肉な名前である。ベトナム戦争のとき、捕虜になったアメリカ人は、ここを「ハノイ・ヒルトン」と呼んだらしい。実際、外から見る限りでは、とても捕虜収容所とは思えない。
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かつてはもっと大規模だったようだが、現在はもとの敷地の3分の2が、高級マンションとオフィスが入る「ハノイタワー」になっている。
入場料2万ドンを払って中に入る。見学者はすべて外国人で、ベトナム人の姿は見かけない。
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明るい建物の外観とはうって変わって、中には足かせをつけられた人形や拷問を受ける人形が並び、独房が残され、ギロチンが展示されている。そこには植民地主義と戦争という負の歴史がある。
1時間ほど見学して出口に向かう。ベトナムは戦争に関係する博物館などの施設が多い。目を背けてはいけない事実がそこにあるが、外の空気を吸うと解放されたような気分になる。
雨はまだ降り続いている。隣のハノイタワーの1階のカフェで軽い昼食。
ドーナツとマフィンとカフェラテで75,000ドン。
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ホアンキエム湖周辺
雨が止まないので、一旦ホテルに戻り、小休止してから再び出かける。ホアンキエム湖の北側にあったタンロン水上人形劇場に行ってみる。時刻は午後4時過ぎだが、6時半開演のチケットを購入することができた。料金は10万ドン、500円ほどだ。
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まだ時間があるので、Intimex(インティメックス)という名前のスーパーマーケットに行く。目的は傘を購入するためだ。まさかこれほど毎日雨が降るとは思わなかった。ホテルの傘は目立つので、持ち運びができる折りたたみ傘を探す。
1階が食料品、2階が日用品の売り場だった。2階で、ちょうどいい折りたたみのジャンプ傘を見つけた。開くときだけでなく、閉じるときもワンタッチでできる優れものだ。195,000ドンだから、まずまずのお値段だと思う。
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続いて湖の西岸を歩く。湖の小島に建つ「亀の塔」が見える。前回も少し書いたが、ホアンキエム湖に伝わるつぎのような伝説に由来する建物だ。
ベトナムが中国の明に支配されていた15世紀、後に黎朝(1428~1527)、(1532~1789)の初代皇帝となるレ・ロイ(Le Loi)が、湖の宝剣によって明を討ち破りました。平和な日々が続いていたある日のこと、レ・ロイが湖を散歩していると神の使いである大亀が現れました。大亀は宝剣を持ち主の竜王に返すようにレ・ロイに告げ、その宝剣を湖の底に持ち帰りました。
この伝説から、湖は「ホアンキエム(Hoan Kiem=還剣)」と呼ばれるようになりました。小島にはその後、亀の塔(Tháp Rùa)が建てられました。
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その後、旧市街の通りを散策する。傘を買ったからか、雨が止んでいる。
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通りに出ると、相変わらずバイクの洪水。2人乗りは当たり前、3人乗りだってへっちゃらだ。
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タンロン水上人形劇場
午後6時過ぎ、タンロン水上人形劇場へ。ロビーに人形が展示されてる。
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すぐに入場が始まる。前から10列目くらいの左端の座席だった。正面に水を張った舞台がある。
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いよいよ人形劇が始まる。手前のプールが舞台で、水面が地面に見立てられている。簾で隠された舞台裏では、人形遣いが腰まで水に浸かって、歌と楽器の演奏に合わせて人形を操作する。人形は長い竿の先に取り付けられていて、糸によって首や腕を動かしているそうだ。
写真を撮ろうと思ったが、自分の席からは難しかったので、観て楽しむことに徹することにした。約1時間、あっという間に過ぎていく。
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なかなか面白かった。今回観た以外にも、いろんな演目があるのだろう。聞くところによると、ベトナムの水上人形劇は、1000年もの伝統を持つそうである。今観たのは、民俗芸能であったものを外国人向けに観光化したものだ。デルタ地帯にある村々に残されている水上人形劇を実際に観てみたいと思った。
ホテルに戻る途中、「PHO 10」という店でフォーを食べる。
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雨は降らず、新しく買った傘は使わなかった。
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