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アジア紀行~タイ・スコータイ遺跡⑥~
スコータイ歴史公園城壁外西部エリア
昨日はスコータイ歴史公園のおもな遺跡と城外の北エリアをまわったので、本日のメインは城外西エリアだ。
上の地図からもわかるように、この西エリアにもたくさんの寺院遺跡がある。どんな寺院や仏様と出会えるか、楽しみだ。
ラームカムヘーン国立博物館
朝9時半、昨日と同様、ホテルで借りた自転車でスコータイ歴史公園に向かい、東門から城内に入る。
有料ゲートの手前に、昨日は入らずに通り過ぎた博物館がある。
名前はラームカムヘーン国立博物館(Ramkhamhaeng National Museum)。
ラームカムヘーンは有名な王様で、確か公園内に立派な像があった。
写真:https://www.tripadvisor.jp/
館内には、まず最初に、タイに仏教が伝来した2~3世紀頃からスコータイ王朝が成立する直前までの考古学的遺物や美術品が展示されている。
6~7世紀には、仏教はタイの中部まで広がっていった。この頃から11世紀頃までの美術スタイルはインドからの影響が大きいようだ。
13世紀になってスコータイ王国が成立する。スコータイ美術にもインド美術の影響が大きいが、さらにスリランカやクメール、ビルマなどの美術の影響もあって、独自の美しい様式を生み出した。
庭にも展示物があり、思った以上に見応えがあった。
博物館を出て時計を見ると、すでに11時半。太陽は真上にあり、外は暑い。
歴史公園の入口ゲートまで自転車で進み、入域料を払おうとしたが、係の人がだれもいない。もう昼休みに入ったのかも。
ゲートをスルーし、昨日の復習をするように、ワット・マハタート(Wat Mahathat)、ワット・チャナソンクラーム(Wat Chana Songkhram)、ワット・サシー(Wat Sa Si)などを巡る。
昨日見たばかりだが、まだまだ見残したところがある。
12時半、やっと西門に到着する。
ワット・サパーンヒン(Wat Saphan Hin)
西門を出てほぼ真っ直ぐな道を進む。自転車で15分ほどで西エリアの入口に着き、110バーツを支払う。
左右はあざやかな緑一色。出会う人も少なく、ここは一般の車も通らない。
間もなく、目指す「Wat Saphan Hin」の表示があった。
ここからは石畳の長い登り道になっていて、自転車は行けない。サパーンヒンは「石の橋」を意味し、この石畳の道がその名前の由来だということだ。
登り道はけっこう息が切れる。300mほど先の頂上に、ブッダの立像が小さく見えている。
やっと登り切って振り返ると、スコータイ歴史公園が遠望できた。ここは標高200m。風が心地よい。
こうして眺めると、緑の木々の中に寺院群が存在することを忘れてしまう。
かつてスコータイ王朝が衰退して南のアユタヤ王朝に代わり、この地が放棄されてしまったことがあった。スコータイの都はやがてジャングルの中に埋もれ、たくさんあった寺院群は荒廃してしまった。スコータイに再び光があてられたのは、わずか50年ほど前のことである。
丘の頂上には、「アッタロート」という名の仏像が、そびえるように立っている。右手をあげて、「ようこそ」と言ってるみたい。
このワット・サパーンヒンは、ラームカムヘーン大王が、タイの南部から学識ある高僧を招いた際に、高僧が居住するために構築した寺院だ。
昨日見たワット・シーチュムの仏様は、慈悲に満ちたとても優しい顔立ちだったが、こちらの仏様のお顔には、穏やかさの中にどこか厳しさが漂っている。同じスコータイの様式といっても、いろいろあるものだ。
この立像は12.5mあるそうだが、足下に小さな坐像がある。この坐像のおかげで、立像の大きさが強調されている。
近くには、柱の残骸もあった。
しばらく丘の上からの景色を楽しんだ後、石畳の道を下る。
次々あらわれる小さな寺院跡
再び丘の下に駐めてあった自転車に乗り、地図をみながら先に進む。ここからは、小さな寺院跡が道の左右に次々にあらわれる。
左手に仏塔が見える。
ワット・チャーンロープ(Wat Chang Rop)
塔の周囲をぐるっと回る。基壇の彫刻も破損したままだ。
もとの道に戻りしばらく進むと、今度は右手にも小さな寺院跡があった。
ワット・アラニィク(Wat Aranyik)
さらに進む。丘の上に続く道があり、入口に案内板があった。
ワット・カオプラバートノーイ(Wat Khao Phra Bat Noi)
またまた登り坂。自転車を道ばたに置いていく。どんな寺院があるのかは、行ってみないと分からない。
柱列と仏塔が残る寺院跡だ。すぐ左手にも八角形の巨大な仏塔があった。歩いてはかると、一辺が15歩だった。
だれ一人訪れる者もない静寂の中で、この巨大な塔は何百年も過ごして来たのだろうか。
もとの道に戻り、自転車に乗る。次々に寺院の案内板があらわれる。道から見えるものもあるが、登り坂の上に建てられている寺院も多い。けっこういい運動になる。
ワット・チェーディーンガーム(Wat Chedi Ngarm)
こちらはまた丘の上。木々の間に、釣鐘型の仏塔があった。
物音ひとつしない静寂。
自転車をこぐ。寺院の案内板を見つける。自転車を駐める。遺跡まで歩く。また登る。しばらく見学して元の場所に戻る。自転車に乗る。
延々と繰り返して行くうちに、時間の感覚も麻痺してくるようだ。
この辺りで一旦休憩。西エリアの続きは次回にします。
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