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アジア紀行~カンボジア・アンコール遺跡の旅⑮最終回~

ついに最終日

カンボジアにやって来て、今日で7日目。1週間があっという間に過ぎた。最終日の今日はタイに戻る日。飛行機は10:30 の便なので、朝から移動だ。

カンボジアを去るとなると、いろいろ思い出すことがある。
アンコール遺跡群は1992年にユネスコの世界遺産に登録されたが、その中で特に印象に残っているのはやはりアンコール・ワットだ。
遺跡群の中ではいちばん修復が進んでいるということもあるが、その美しい姿は遠くから眺めてもワクワクする。近づいて見上げると、そびえ立つ祠堂に圧倒される。内部の回廊に彫刻された壮大な神話に目を奪われる。


アンコール・トムの遺跡群も目に焼き付いている。ここは城壁に囲まれた一つの町だった。まずその入口に驚いた。アンコール・ワットとは異なる魅力がここにはあった。


バイヨン寺院については、旅に出る前に写真集を見たり解説を読んだりしていたが、実際に巨大な四面菩薩像の仏塔が林立する迷路を歩くと、自分が別世界にいるような気がした。
アンコール・ワットに比べると、バイヨン寺院の周辺にはたくさんの石材が散乱している。修復はまだこの先になるのだろう。


バイヨン寺院のあるアンコール・トムは、3km四方の城壁に囲まれていて、ほかにもいくつもの寺院遺跡や王城の遺跡があった。さらに北の城門を出ると、その先にも次々と1000年前の遺跡が目の前に現れる。
ガジュマル(榕樹)が遺跡を鷲づかみにしている光景にも出会った。これらの遺跡群が復興されるのは、まだまだ先のことだろう。


たくさんの寺院遺跡を巡って、頭の中で整理できない。
シェムリアップの南にある巨大な湖、トンレサップ湖にも行った。いろいろ思いだしているうちに、時間が過ぎていく。

チェックアウト

6日間泊まった FREEDOM HOTEL ともお別れだ。エアコン、バスタブ付きで1泊25ドルを20ドルにまけてもらった部屋は、遺跡に見合った古さはあったが、それなりに清潔で悪くはなかった。レストランの食事はおいしかったし、ホテルの近くにあった廣東菜館で食べた晩ご飯も忘れられない。
チェックアウトの支払いはすべて米ドルだ。宿泊費とレストランの食事代などを支払うと、残り40ドルになった。

MR.キーはすでに来ていた。けっこう機嫌がいい。彼のバイクに乗るのもこれが最後だ。空港までの道は、昨日の雨であちこちに水たまりができていた。バイクは水たまりを避けながら上手に進む。時には道一面が水たまりになっていて、両足を左右に上げながら水の中を走ることもあった。
空港には30分ほどで到着した。1週間いっしょだったMR.キーともこれでお別れだ。特に感慨はないけれど、彼の方もあっさりしている。「ありがとう」と礼を言って別れる。
バイバイ、オッサン!
バイバイ、アンコール!

Siem Reap 空港は、ほんとに小さな空港だ。1週間前に到着したときは、ビザ申請に必要な20ドルが手元になくて、たまたま同じ飛行機に乗っていた女子大生らしい2人組に事情を説明して借りるというバタバタがあったので、ゆっくり周りを見る余裕がなかったが、いま見ると、建物の大きさは学校の教室サイズだ。
出国の手続きは簡単に済み、待合室で待機する。その中に、同じ FREEDOM HOTEL のレストランで見かけた若いカップルがいた。少し旅の話をする。彼らはバンコクで1泊した後、帰国するそうだ。

10:30 のPG933便に搭乗。今回は団体客がいないせいか、機内は空いていた。離陸した飛行機の右側の窓から西バライが見える。巨大な貯水池の中に小さな島があるのは西メボンだ。飛行機はさらに上昇する。アンコールの遺跡が遠ざかっていき、やがて見えなくなる。

こうして、カンボジア、アンコール遺跡の旅は終わったのでした。



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komajin
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