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DX人材育成講座 4日目

DXの本質を再考する

DXとは単なるIT化ではなく、IT化×業務革新である。
その発展は2段階に分かれる。

第一段階:時間の創出

機械にできることは機械に任せ、人間の可処分時間を増やす。これは単なる自動化ではない。

第二段階:データ活用

生まれた可処分時間で、データに基づいた意思決定により新しい価値を創出する。ITの技術で時間のレバレッジをかけ、より多くの業務を機械に任せていく。このプロセスで自然とデータが蓄積され、さらなる改善の機会が生まれる。

VUCAの時代における意思決定

今日は「VUCA(ブーカ)の時代」と言われている。

  • Volatility(変動性)

  • Uncertainty(不確実性)

  • Complexity(複雑性)

  • Ambiguity(曖昧性)

この先の見えない時代では、「前と同じことをやる」では通用しない。正解に当たる可能性は限りなく低くなっている。そのため、経験と勘による意思決定(ヒューリスティック)から、データに基づいた合理的な意思決定への転換が必要だ。

かつては人口増加の時代で、同じことをしていれば成功できた。しかし今は人口減少時代。何が正しいかわからない中で、データを集めて合理的な判断を下していく必要がある。

エビデンスレベルと意思決定

エビデンスの重要性

EBPMとは、Evidence Based Policy Making(証拠に基づく政策立案)の略だ。因果関係のある数字を意思決定の手がかりにすることを指す。

エビデンスには信頼度のレベルがあり、因果関係をどれだけ正確に証明できているかで分類される。現代のデジタル技術により、より高いレベルのエビデンスを扱えるようになってきている。

ランダム化比較実験(ABテスト)の威力

オバマ大統領の選挙キャンペーンでの募金サイトの例がいいい例だ。様々な要素(画像、ボタン、文章など)を変えてテストを繰り返した結果、最終的にオリジナルの1.6倍の成果を上げたパターンを発見した。

これは人間が直感で一発で出せる答えではない。小さなテストを繰り返し、データを収集・分析することで、最適解に近づいていったのだ。

現代のIT技術とウェブサービスの発展により、このような実験は極めて低コストで実施できる。場合によっては無料からスタートすることも可能だ。

データ分析による業務改善のプロセス

  1. 課題発見:分析すべき問題を適切に設計

  2. データ解析:設計した分析問題を解く

  3. 施策立案:分析結果に基づいて対策を考える

  4. 現場導入:施策を実装し、効果を測定

このサイクルにAIを組み込むことで、さらなる効率化や判断の精度向上が期待できる。

デジタル時代の心構え

思いつきのアイデアには必ずバイアスがかかっている。不確実な情報に基づく判断は避けるべきだ。

今は変化が激しい時代で、流行しているサービスも数ヶ月後には廃れているかもしれない。だからこそ以下が重要なのである。

  • すぐ作れて、すぐ捨てられる仕組みを活用する

  • その過程で得られるデータこそが本当の資産

  • データを活用した意思決定と継続的な業務改善が重要

サービスは使われなくなっても、そこから得られたデータは重要な資産として残り続ける。このデータを活用した継続的な改善こそが、現代のビジネスにおいて重要なのだ。

アナログ作業の代名詞である現場作業も、適切にデータを取っていくことができれば驚くほど様変わりするだろう。
今までいちいちメモ帳に書き込んでいたことが音声だけで全てメモできる未来もそう遠くはないし、リフォームの現状を把握し、複雑な計算も瞬時に弾きだして完成へと導いてくれる、そんなナビゲートする存在を作り出すことだって夢ではない。

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