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深夜の釜揚げ

アゴ出汁を出す夜のお店では、どうも麺類が欲しくなるという法則があるようです。シメのアゴ出汁でお酒はしまるのですが、最後に少し炭水化物が欲しいというお客様が多く、店にはそうめんが常備してありました。

そうめんというと冷たい麺とツユの方を思い出しますが、狛江スリムでは釜揚げそうめんというメニューを出していました。文字通り、茹でたそうめんをそのまま茹で湯ごと器に盛り、それをおろし生姜と刻みネギを入れた熱い出汁で食べるものです。一束0.5人前からお出ししており、お店帰りの他店のママに好評でした。

飲んだ後には汁物が美味しい、ということもさることながら、釜揚げにすることでオペレーションとしてもザルや水洗いが不要になり、またそうめんは茹で時間も短いので、極小店にはとてもありがたかったという背景があります。そうめんは揖保乃糸の特級の大ひね、出汁醤油は丸正醸造から取り寄せたものを使っていました。

また常備ではなかったのですが、香川の製麺所からうどんの生麺も仕入れており、在庫がある時は釜揚げうどんも同じようにお出ししていました。お酒の仕入れも兼ねて年に一度は四国に行く機会がありましたが、その時のご縁でその後出汁醤油は京兼醸造に切り替えました。

ひとしきり麺を手繰った後、生姜とネギ香る出汁をつい飲み干してしまうホロ酔いの夜。そうめんやうどんなら、お腹にももたれず、体が暖まったのではと思います。

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