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生き急ぐようにありがとうを伝えた日。#277

祖母が夢枕に立つ夢を見た日
居ても立ってもいられなくなり手紙を書いた。お盆に会いに行った時の写真も急いで印刷して、この後すぐにでも投函するつもりだった。

そこで思い直し、いや、会いに行こう。
年内に会いに行こう。最初はそう思ったけれど、いや、明日行こうと決めた。

娘は父に頼んで、私1人で会いに行こう。2人で会おう。手紙に書いた内容を直接目を見て、会って伝えよう。

そこまで一気に決めた。
生き急いでるみたいだろうか?それには理由がある。

父方の祖母はもう10年以上前に亡くなっている。祖母、というよりも、その周りにいた親戚と疎遠になったこともあり、祖母にも10年会えていなかった。父も思うところがあったのか、10年振りに会いに行こうということになった。いよいよそれが来週に迫ってきた、というところで祖母は亡くなった。
こんなことって…。
手紙を送ろうかな?とふと思ったこともあった。でも転職したり慣れない仕事で余裕のなかった当時の私は、たった数分の手紙を書く時間を惜しんだ。せめてあの時手紙だけでも出していたら…。
後悔ばかりが残った。

思い立ったが吉日?虫の知らせ?
きっとそうだったのだ。

今回の祖母の夢を見たことも、何もないならそれでいい。あの時変な夢見て急いで会いに行ったけど、あの後何年も生きたよね 笑 なんて笑い話になるならむしろいいじゃないか。

そうじゃなかったら…
私は二度も後悔することになる。

そんな思いもあって明日会いに行くと決めた私は清々しい気持ちになった。
ちゃんと、伝えておこう。

買い物に行こうと外に出て、トドックのトラックが止まっていた。今日は配達の曜日だけど、今回は注文していない。
そういえば、来週から配達曜日が変わるんだった。もしかしてとその知らせを知った時聞いてみたら、配達員さんも変わってしまうとのこと。

出産してから頼み始めたトドック。
いつも同じ配達員さんが届けて下さるのはいつの間にかいつもの安心する光景になっていた。

そうか、もう配達してもらうことはないんだ。
前回が最後と思わず挨拶もできていなかった。

トラックが止まるマンションを見上げ、ちょうど配達員さんが出てきた。
思わず下から名前を呼び止めてしまった。
「あっ、今下行きますね。」
下に来るまで様子を伺えば良かったのに、思わず見つけた瞬間呼んでしまった。

「今回注文してなかったので、挨拶できなかったなと思って…今までありがとうございました!」

「こちらこそ、声掛けて下さってありがとうございました。」

間に合った…。

祖母にありがとうを伝えねばと駆り立てられている今日の私はどこかおかしい。

言える時に言わなきゃ!って、何だかすごく焦っているみたいだ。

ありがとうは、いつも伝えられるとは限らない。

言えなかったな…の後悔をもう増やしたくない。


ありがとうを、伝えられていない人はいますか?


さぁ

今日も

新しい一日が

始まります。

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