ごきげんな母親になると決めて出会った光景。#262
稼ぐ担当は夫にまかせると伝え、
「母親が笑顔でいるのが一番!」
と、夫婦で意見が一致した日。
ここ数年の荷物を下ろせたような、軽やかな気分で柴さんのお散歩へ。
向かった先はいつものコースのお気に入りの公園。
柴さんが広場の方へ行きたがったので流れるままに。
レジャーシートを敷いてピクニックをしている家族がいた。
あまりジロジロ見るのもあれだよなと、咄嗟に視線を外す。
聞こえてきたのは
「ジャーン!!」
きっと、お弁当を開けた瞬間の、お母さんの効果音だろう。
芝生エリアに犬が来たんじゃ、いつおしっこされるかとハラハラするだろう。
そして、何だかこの幸せを、この家族だけの空間にしなきゃいけない気がしてそっと引き返すことにした。
まさに、ごきげんなお母さんだった。
思わずこれは邪魔しちゃいけないと引き返してしまう程に、私が思い描くごきげんなお母さんとそれを囲む、それに包まれる家族だった。
ここは、レジャースポットでも何でもない公園だ。でも、自然が豊かで、色んな木や植物が生えていて、すれ違う人たちはみんなごきげんにお散歩している。そんな、来る人は思わずごきげんになってしまう場所で、私はとても気に入っている。
日曜日に、そこでピクニックをする家族。
お弁当もきっとごきげんでこしらえたに違いない。鼻歌まで歌っていそうだ。そんな様子を見た子どもはきっともういよいよピクニックが楽しみで仕方ない!という気持ちも高まり、仕事で疲れていたお父さんだってその光景を眺めるだけでも幸せだろう。
こういうサイズの幸せを私は求めていたのかもしれない。
何より気に入ったのは、お弁当出す時に
「ジャーン!!」って言っちゃうお母さん。
柴さんが、
「求めてるのは、これでしょ?」
と言わんばかりに連れて来てくれたんだろうか?
ここ数日寒い日が続いた後の、春みたいに気持ちいい秋の日曜日だった。
さぁ
今日も
新しい一日が
始まります。