koliojie

30代前半男性です。

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マガジン

  • 中公新書で学ぶ現代日本の政治

    中公新書を読んで中学公民を学び直す社会人の勉強ノートです。

最近の記事

『Foreign Affairs』誌で学ぶ英語(1)

 英語学習の観点から、『フォーリン・アフェアーズ』の2023年5/6月号に掲載された論考「多極性という神話」を取り上げる。  ハイレベルとされる英単語(例えば『英検1級出る順パス単』に所収のもの)が普通に使われていることを確認したい。慣用表現やコロケーションもピックアップした、また、解釈に困りそうな部分を「文法上の注意事項」で扱った。 単語 主な単語を以下で確認(ハイレベル単語集に見られるものが中心)。並びは出現順。 simultaneously [sàiməltéi

    • ビヨンド・ミートを食べてみました

      ビヨンド・ビーフ ビヨンド・ミート(Beyond Meat, BYND)はまだ日本では事業展開していませんが、昨年ナスダック上場を果たしたこともあり、今や知る人ぞ知る代替肉業界の新星です。同社は植物由来の素材から肉と同じような味・食感の食品を製造することで知られています。私も友人から同社の存在を聞きつけ、出張中にふと立ち寄ったスーパーで見かけたので、そのラインナップのひとつであるビヨンド・ビーフをピックアップして食べてみました。売価は当時のレートで約3000円でした。結構値が

      • 『ODA(政府開発援助)』(中公新書で学ぶ現代日本の政治⑥)

         今回は中公新書のなかから日本の外交政策の一つであるODA(政府開発援助、Official Development Assistance)に関して書かれた一冊『ODA(政府開発援助)日本に何ができるか』(2003年、渡辺利夫、三浦有史)を取り上げたいと思います。ODAは政府予算から外国に振り向けられた資金であるため、その効果の不透明さや日本国内の経済状況の悪化などから不要論がもてはやされ、廃止論が唱えられるなどしていた分野です。個人的にはODAのことは最近あまり耳にしたりしな

        • 勉強のスタンスを決めた3つの本

           毛嫌いする向きもあることは知りつつも、割と好きな方なので新刊が出るたびに勉強本とか記憶術とかいったノウハウ本を買っては読むのですが、毎度同じことが書かれているというオチが付きます。とはいっても著名人の知的生産の技術を見聞することは、やはりどこかワクワクするものです。良さそうな方法があれば自分でもマネしたくなるものの、細かいメモ方法とかマーカーの引き方とか、カードを作るとか、朝は数学をやって夜は英語をするのが脳科学的に…云々、いろんなことを言われても、定着せずにそのうち忘れ去

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        • 中公新書で学ぶ現代日本の政治
          6本

        記事

          『日本の地方議会』(中公新書で学ぶ現代日本の政治⑤)

           これまでのノートでは国政や一般的な制度論などを勉強してきましたが、今回は地方自治について『日本の地方議会 都市のジレンマ、消滅危機の町村』(辻陽、2019年)をもとに学びたいと思います。日本の地方自治については日本国憲法第8章に規定されており、細かい規則は地方自治法などに詳しいわけですが、本書は身近な例に触れながらこれら法律の要所を確認しつつ、その改善点を著者が指摘していくスタイルになっています。 地方議会の基本事項(1)議会運営  地方議会では定例会もしくは臨時会を開催

          『日本の地方議会』(中公新書で学ぶ現代日本の政治⑤)

          『日本の統治構造』(中公新書で学ぶ現代日本の政治④)

           今回は『日本の統治構造 官僚内閣制から議院内閣制へ』(飯尾潤、2007年)を取り上げます。ちなみに、同書は第29回サントリー学芸賞や第9回読売・吉野作造賞に選出されるなど、高い評価を受けています。  タイトルからうかがえるように、本書は選挙制度から官僚制度まで、中央政治から地方政治まで、海外との比較も含めて日本の統治構造に関する多岐にわたる論点を扱っています。これまでのノートで取り上げた3冊との関係で見てみると、『日本の選挙』が選挙制度についての詳論、『自民党』が政党政治に

          『日本の統治構造』(中公新書で学ぶ現代日本の政治④)

          『首相支配』(中公新書で学ぶ現代日本の政治③)

           今回は、『首相支配 日本政治の変貌』(竹中治堅、2006年)を取り上げます。本書は、1994年の政治改革から始まり、橋本行革を経て小泉内閣による郵政改革の実現に至るまでの過程を扱っています。2006年の本なので、安倍内閣の評価は当然、まだありません。第1回で取り上げた『日本の選挙』(加藤秀治郎、2003年)と第2回の『自民党』(中北浩爾、2017年)とも所々で内容が似通ってはいます。しかし、タイトルが示唆するように、本書はその政治史を眺めるにあたって、どのようにして首相の権

          『首相支配』(中公新書で学ぶ現代日本の政治③)

          『自民党』(中公新書で学ぶ現代日本の政治②)

           <中公新書で学ぶ現代日本の政治>の第二回になります。前回取り上げた『日本の選挙 何を変えれば政治は変わるのか』(加藤秀治郎、2003年)は選挙制度を中心とした著書でしたが、そのなかで中選挙区制と総裁選挙の存在が派閥を産んだという話が出てきました。本書『自民党「一強」の実像』(中北浩爾、2017年)は、自民党に派閥が生まれた背景とその周辺、そして派閥の衰退から新たな動きまで知ることができます。議院内閣制をとる日本において戦後ほとんどの時代を政権与党として歩んできた自民党につい

          『自民党』(中公新書で学ぶ現代日本の政治②)

          『日本の選挙』(中公新書で学ぶ現代日本の政治①)

           今回は『日本の選挙 何を変えれば政治が変わるのか』(加藤秀治郎、中公新書、2003年)をテキストとして、日本の選挙のあり方について勉強していきたいと思います。  本書は、著者が欧米では当然のように理解されているが日本ではあまり話題にならないと喝破する選挙制度の理念から解き明かしつつ、曖昧なやり方を続けている日本の選挙を批判していくというスタイルで書かれています。もっとも、本書が出版されたのは2003年なので隔世の感があるようにも感じられますが、著者は本書の内容について「著者

          『日本の選挙』(中公新書で学ぶ現代日本の政治①)

          プーチン大統領の憲法改正について

           2020年1月15日、プーチン大統領は議会に向けた年次教書演説を行いました。演説の大部分(あるいはほぼすべてと言っても良いと思われますが)は内政に関わるものであり、なかでも憲法改正に関する話題は国内外で反響を呼びました。  教書演説の5日後には「公権力の組織に関する諸問題の調整の完全化に関して」と名付けられた憲法修正法案が大統領から国家院(ロシアの下院)に提出され、23日には法案採決の第1段階である第1読会を通過しました。また、年次教書演説の後、プーチン大統領は「ロシア連邦

          プーチン大統領の憲法改正について

          ウクライナ東部内戦について

           2019年12月9日、パリのエリゼ宮においてウラジーミル・プーチン大統領、ヴォロジーミル・ゼレンスキー大統領、エマヌエル・マクロン大統領そしてアンゲラ・メルケル首相による首脳会合が実施され、成果文書がまとめられました(露文:ロシア大統領府、和文については、例えば「ノルマンディ4首脳、結論文書に合意=大統領府発表」12月10日、Ukrinformを参照)。彼らがここに集まった理由は、2014年から5年以上に渡って続いているウクライナ南東部のドンバス地方における内戦の解決に向け

          ウクライナ東部内戦について