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詩的小説:僕の中

耐えきれない衝動。
なにかにぶつけたくて、握りしめた拳でポストを殴る。
その瞬間、ポキッと鳴った。

2倍に腫れ上がる拳。
紫色に変色している。
「病院に行きなよ!」という君。
僕は首を横に振り「ライオンは病院にいかないから。」と答える。

明らかな複雑骨折は病院にもいかないせいで拳の形を変えた。
「病院に行けば良かったのに」と君は今でも言う。
でもライオンは病院にいかない。

仕事で勝負がある日、僕はご飯を食べない。
飢えた狼が狩りに出るように。
空腹の中、五感を研ぎ澄ます。
飢えた狼のように。
僕は狩りをする。

「変わってるね」と君は言う。
僕は変わっていないよ。
本能に耳を傾けてるだけ。
きっと変わっているのは本能の言葉を聞かない君たちだね。

燃える太陽、照らす月。
潮の満ち引きを感じながら僕は今日も牙を研ぐ。

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