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MAGAZINE#03 奇跡の田舎から、人間の未来を変える学校を創る

みなさん、こんにちは。
コクヨ採用チームの渡邉です。

コクヨの新しい挑戦を特集する『KOKUYO CREATIVE MAGAZINE』第3回目は「奇跡の田舎」と呼ばれる徳島県神山町を舞台にした新たな学校づくりに
コクヨが参画した背景やこれからの展望をお伝えしていきます。

神山まるごと高専とは

神山まるごと高専は、2023年4月に徳島県神山町に開校を目指す私立高等専門学校です。これまでMakuakeを用いた寄付や企業版ふるさと納税などを活用し、コクヨやメルカリなど29社、25名のファウンディングパートナーの寄付を中心に認可申請に必要な17億円を超える24億円の資金が集まりました。

「手を動かしてモノをつくり、それを社会に問う」

それが、正解のない時代に求められる力。言い換えれば、どんな状況でも、どんな場所でも自分で生き抜ける力です。高いレベルの創造スキル、社会と向き合い他者と関わる力を武器に、自分の人生の舵を取る起業家としての姿勢を併せ持つ魅力的な学生が育つ場所を創りあげていくために、現在、開校の準備を進めています。

20歳で最も広い選択肢を実現する、トップクラスの学びの場

神山まるごと高専で学ぶのは、テクノロジー、デザイン、起業家精神。

テクノロジー領域では、すべてのモノがネットに接続される未来に向けて、ソフトウエア工学を中心としてIoTを理解するための電子工学まで、モノを
つくる力の基礎をしっかりと学びます。

デザイン領域では、自分のつくりたいモノを絵にして言語化する力として、デザインだけでなく映像や建築、ゲームづくりの技術を通して、社会に受け入れられる魅力あるモノを形にする力を、

さらに、社会との接続を目指し、ビジネスの基本や起業の仕方だけでなく、コトを起こす本当の力として他者を巻き込む力やコミュニケーション力、
失敗を糧に前に向かう力を実践を通じて学びます。

コクヨ参画の始まりは、社員が社長に送った1本のメール

高専として約20年ぶりの新設となる「神山まるごと高専」プロジェクトへの企業版ふるさと納税を活用した1億円の寄付実行、コア・ファウンディングパートナーとして学校づくりを支援すること決めたコクヨ。一見、本業とは遠く感じる領域への参画を行うきっかけは、ある社員が黒田社長に送ったメールでした。ここからは、この運命とも言える出来事をコクヨの代表取締役社長である黒田が神山まるごと高専のクリエイティブディレクターの山川さんと語ったインタビューからポイントをご紹介していきます。

インタビューポイント:社員と社長の想いが通じた瞬間

山川:コクヨさんは未来を見つめる中で私たちと出会ってくださいましたが、最初に高専プロジェクトを知ったきっかけは何だったんですか?

黒田:もともとはクラウドファンディングをきっかけにこの学校の存在を知って、「面白いことをやっているな」と思いました。そうしたら神山まるごと高専のメンバーを知っているという社員から「これってコクヨがやるべきことじゃないですか?」と連絡が来たんです。

黒田:実は僕も「コクヨで何か関われたらいいな」と思っていたんです。
でも、社員がやりたいと思えないと、基本的には良い活動にはならないじゃないですか。社長である僕が最初に「やりたい」と言うのはあまり良くないと思って、しばらく寝かせていたんです。

山川:連絡してくださった社員さんはどんな方なんですか?

黒田:新規事業として渋谷ヒカリエで運営している、シェアオフィスの店長です。「こういうことをコクヨがやらないと企業理念の『be Unique.』は世の中にも社内にも伝わらないんじゃないですか?」と、ちょっと怒られてしまいまして…

山川:(笑)

黒田:その社員の言う通りだと思って神山まるごと高専に連絡をしたところ、すぐに寺田さん(神山まるごと高専理事長/Sansan株式会社代表取締役社長CEO)がいらっしゃることになってびっくりしましたね。
その後、メンバーに「やりたい?」と聞いて回って、無事にすごい勢いでYESと言われまして寄付をすることが決まりました。

インタビューポイント:運命を感じて即決した1億円の寄付

山川:このプロジェクトの何がそんなにみなさんに響いたんでしょうか?

黒田:個人的に一番グッときたのは、「ここまでストレートに、純粋に、自分で世の中に変化を起こそうとしている人がいるのか」ということ。素直にすごいなと思いました。本業とは異なる形で社会にアプローチをしようとする企業は増えつつありますし、事業家が社会貢献をすること自体はよくありますけど、これほど直接的に行うのは珍しいですよね。高専プロジェクトのことは取締役会を通じて株主にも説明をしていると寺田さんから聞いて、本気なんだなと。

それと、実は僕自身、「僕らの仕事は本当に社会課題に貢献できているのだろうか」と考えていたタイミングでもあったんです。

黒田:「be Unique.」を企業理念に掲げているけれど、経済が成長しない中で社会は同質化し、自分らしさが出しにくい、生きにくい世の中になってしまった。ともすると、僕らの商品がそれを助長している面もあるのではないかというジレンマもあって。社会的な側面でも、環境への負荷の面でもそうです。そんな中で高専プロジェクトに出会って、なんだか運命的な感じがしたんですよね。高専が教育や地方創生という文脈で新しい変化を起こそうとしているのは、僕たちの「自分らしく生きられる世の中を作りたい」というテーマにも近い。本当に、自分たちが主体になってもいいくらいのことだと思っています。

山川:ただ、「be Unique.」自体は学校とは遠いところにありそうですよね。高専の起業家講師の方たちの話を聞いていると、大半の方は学校生活で「こうならなければいけない」に苦しんだことが印象に残っている。ユニークになれなかったことへの葛藤がありました。少しずつ未来をイメージする中で、コクヨさんと私たちでどのようなことができそうですか?

黒田:例えば授業で、文具や家具作りをコクヨと一緒にやってみるのは面白いんじゃないかなと思っています。どういう視点で生活している人たちを観察して、どうやって形にするのがいいかを考え、実際に作ったものを誰かに使ってもらい、それをまた観察する。さらにECやリテールで販売もして、ビジネス全般を一緒に考えるイメージです。

黒田:文具や家具は、誰もが使ったことがあるからこそ、作り手と使い手の境界線が薄い分野です。使う人を想像しながら企画を考え、形にしていくわけですが、それは同時に自分の話でもあります。そこに向き合うのはすごく楽しいし、その過程で社員が成長する姿もたくさん見てきました。

山川:学生と一緒に何かを作り上げるのは、コクヨの社員の皆さんにとっても刺激がありそうですね。

黒田:たくさんあると思います。僕らが今回の高専プロジェクトに関わる目的の一つは、もちろん社会への貢献です。でも誤解を恐れずに言えば、一番の目的はユニークな活動をする現場に関わることで、その体験をコクヨに取り込みたいと思ったから。プロジェクトへの社員の関わり方はこれから一緒に考えていきたいですけど、少なくとも何人か、現地で生活してもらったりしても学びが多そうですね。

インタビューポイント:学校や学びに対するコクヨの役目とは

山川:黒田さんは学校や学びに対して、「こういうものになってほしい」と思っていることはありますか?

黒田:「自分がどうなりたいか」を常に考えながら、学びの機会を得られることが一番重要だと思っています。「自分はこうなりたい」「こうやって世の中に貢献したい」といったことを学生が言えなければ、例えば新卒一括採用が廃止されたとしても、それは形式だけの話になってしまいますよね。なりたい自分はそれぞれ違うから、教育シーンにおいて、選択肢はたくさんあった方がいい。

山川:なるほど。そこに対してコクヨならではの、何かできることはありそうでしょうか。

黒田:コクヨはモノを作ってきた会社ですけど、それを「コト」の価値に変えていくのがこれからの役割です。例えば、山川さんの娘さんが気に入ってくださっている『かおノート』は絵本事業ですけど、作っているメンバーは「親子のコミュニケーションを作っているんだ」と言っている。

同じように「学び」という領域も、「学生が学びたくなるようなものにする」という視点から考えています。

僕らは教育プログラムを作ることはできませんが、人の行動変容を促すことはできる。教室や教材の在り方を見直し、学生がより学びたいと思えるような、コト的な価値を生み出していくのが僕たちの役目だと思っています。

コクヨの新しい挑戦を特集する『KOKUYO CREATIVE MAGAZINE』第3回目は徳島県神山町を舞台にした新たな学校「神山まるごと高専」についてお届けしました。みなさんいかがだったでしょうか?

はたらく・まなぶ・くらす領域で事業を手がけるコクヨの挑戦は文具や家具に留まらず、様々なパートナーとの共創を軸にどんどん広がっています。

変化の真っ只中にあるコクヨだからこそ、みなさんの「やりたいこと」に繋がる道は無限に広がっています。

コクヨのこれから、そして神山まるごと高専のこれからを知りたい方は
WEBサイトや神山まるごと高専の公式noteもチェックしてみてくださいね。

ここまで、読んで頂きありがとうございました。
コクヨの採用公式noteでは、今後も様々な社員のインタビューやコクヨ
の取り組みを特集していく予定です。

どうぞ、お楽しみに!
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