誰かと結婚して毎日I love youをもらえる未来を子供の時の私に教えてあげたい。
私は機能不全家族のひとりっ子として育った。
父は小さい頃から単身赴任でいなくて子育てにも関わったことはないけれど、"昭和の男だから"と年に数回家に帰ってきては、ふんぞり帰って俺が1番すごい、正しい、みたいな人だった。
母は、いつも暗くてメソメソしていて、かと思えばすぐ死ね!とか言ってくる子どもみたいな人。母性って母親だからってあるわけじゃないんだって学んだ。そんな母はいつも父の言いなりで、口癖は「私が怒られるからちゃんとして」だった。
もちろん家族はうまくいっていなくて、2人のストレスの矛先は、いつも子どもである私に来てひとりっ子の私は、2人からストレス発散のサンドバッグになり生きてきた。
2人とも同じく機能不全家族で育ってきているから、家族というものがなんなのか、人の愛し方もわからない。親自身がまず愛に飢えているから、私から愛がほしい。人に求めてばかり。
そんなことも大人になってからようやく気づくもので、子どもの時はそれが当たり前で私の環境が酷いものだったとはわからなかった。
小学生の時に、私は父に言われて衝撃的だったことがある。
「親はお前が欲しいって言ったものを与えるけど、お前は親に何を与えてくれるわけ?」
親って無償で愛をくれるものかと思っていたけど、見返りを常に求められて生きてきた。
勉強を頑張ったり、スポーツや学校でクラブを頑張ったり、褒めてもらえるように、いい子になれるように、このままではいけない、自分のままではいけないと親に認めてもらえるように変わろうと必死に努力してきた。
だけど、褒められたこともなければ、親が私の話を聞いてくれたこともないし、そもそも私に興味を持ったこともない。愛してると言われたことも抱きしめられたことも手を繋いだことも記憶にない。
親は自分のことで心がいっぱいいっぱいだから。
そんな環境の中、お前は何も出来ないとかお前のせいでこの家族はめちゃくちゃになったとかお前は一生結婚できないとか、お前は人を不幸にするとか、たくさん言葉の呪いもかけられてきたし、私は価値のない人間だと言い聞かせられて支配されてきた。
私に自我が芽生えることが許せなかった父。
行きたかった高校も否定され、なりたかった将来の夢も否定されて潰されてきた。本当にやりたいなら俺を倒してから行け!とか意味わからないことばかり。
一度も応援してくれたこともなければ、信じてもらえたと感じたこともない。世間体があるからと、とりあえず大学だけ行けと、無理やり大学にも行った。
きっと周りからしたら大学に行かせてもらえるお金があったことはありがたいことなんだろうけどしたいことじゃなかったから、嬉しくはなかった。
高校生の時には、父は何かと私の言動が自分の思い通りにならず気に入らなくなるとすぐに、
お前と縁を切る!父親を辞めさせてくれ!といい、何度か家を追い出され金銭的にも何もかも切られた。
何も持たず裸足でおばぁちゃんの家まで雨の中走ったこともある。
頼る場所がなくて大変だったなぁ。
365日夜な夜な泣いていたこともある。
高校の時に親は知らぬ間に離婚をしていて、父か母かどっちか選べと言われたけど、どちらも選べなかったから結局母が家を出て行った。
今思えば、あれはきっと鬱だったと思うけど夜も眠れずご飯も食べれず毎日死にたかった。
子どもの頃から1日をいい気分で終えたり、安心して夜眠れたりすることは一度もなかった。誕生日が1番嫌いな日だった。
家族や人としての愛がわからなかった私は、人との距離の取り方もわからずたくさんの人を傷つけてきたと思う。恋愛をしてもうまくいかなかったし、人間関係は特に本当に苦労した。
だから早い時点で将来、私は誰とも結婚せずに1人で生きていこうと決めていた。
こういう家系の負の連鎖を自分の番で止めなければと思ったし、もう誰も傷つけたくなかった。
私のような人がこれ以上増えてほしくなかった。
そんな10代、20代を過ごし、周りが結婚しても自分の番はないだろうなと完全に思っていた私。
独身でいる準備ばかりしていた私。
30歳になって結婚していなかったら、犬や猫を飼って自由に暮らすことを考えていた私。
仕事だけが生き甲斐(お金は裏切らない)で、自称バリキャリだった私。
28歳まで、一生独身だと信じて疑わなかった私。
人生何が起きるかわからないというのはこのことで
、今のアメリカ人旦那と30歳で国際結婚することになった。
コロナ化で体調を崩して急に仕事を辞めることになったからだ。
その時支えてくれた彼と2年後に結婚をした。奇跡。
旦那と出会ってからは、人生で初めて愛のある言葉をたくさんもらった。
愛しているよ。
いつもそばにいるよ。
大丈夫だよ。
抱きしめてもらいながらそんな言葉を言ってもらえる。
そんな想像していなかった未来が今はある。
人の温もりを知った時、たくさん涙を流した。
今までは誰のことも信用できなかったけど、人のことを信用するって素敵なことだと思えるようになった。
私が嬉しいと彼も同じように嬉しい。
私が悲しいと彼も同じように悲しい。
私の1日をいい1日したい。
幸せで、ハッピーにしたい。
そんな風に言ってくれる人が私の人生に現れるなんて想像していなかった。
自分の人生、自分を大切にしていいって教えてもらった。
毎日親のストレスを当たり散らかさられないように必死にどうやってそれを避けるかだけを神経尖らせて生きてきた私。
実家にいるとき一度もリラックスしたことはなかった。
それが嫌で何度も一人暮らしをしようと家を出ては、親に邪魔をされ結局実家に引き戻されていた。
結婚して実家を出ても、この結婚が失敗するように多くの困難を突きつけられたり、結婚式を潰されたり、邪魔をされ続けてきた。
そのせいで旦那とも本当にうまくいかなくて、離婚しそうになったこともある。
それでも旦那が諦めなかったおかげで今がある。
今は、自分のお家で安心してリラックスできることがどれだけ幸せなことか毎日感じている。
何にも怯えず過ごせる。
愛してるよと言ってもらえて、明日は何しようって考えながら安心して眠りにつく毎日があるなんて、これ以上幸せなことはない。
たった数年で一緒にいる人が違うだけで、環境が変わるだけで、こんなにも心が安らぐなんて知らなかった。
家族って温かいもの。幸せなものだと知った。
今の旦那に出会っていなければ、こんな風に愛を持つことを知らなかっただろう。
今だに、小さい頃からの洗脳はなかなか解けなくて自分は価値がない人間なんじゃないかと思ってしまう。
そんな時に、素晴らしい人間だよとか価値があるよって言い続けてくれる人がいる。
言葉の力って本当にすごくて毎日I love youを言われていると、心が少しずつ強くなれる。
もし子どもの頃からこんな生活だったら、私はきっと全く違う人間になっていたのになぁなんて悔やんでしまうけど。
最後に。
親ですら愛せなかったのだから、他人が私のことを愛せるわけがないと諦めていた昔の私へ。
30年。時間はかかるけど、ありがたいことにあなたに無償でI love youをくれる人が、あなたの旦那さんになるよ。
あなたのやりたいことや、夢を無条件で応援してくれ、出来る!と信じてくれる。
すぐうまくいかないと"失敗"だという私だけど、
それは"挑戦"で失敗なんかじゃないと真剣に言ってくれる。
あなたを肯定して味方してくれる人ができる。
そんな人に心からのI love you を伝える毎日がくる。
そんな幸せに感謝できる日がくるよ。