国立小・難関私立小学校お受験 合格偏差値ランキング お受験合格への道2021
今回は国立小、私立小学校の偏差値についてお伝えさせて頂けたらと思います。
※厳密には平均偏差値とボーダー偏差値があるが今回は平均偏差値を主に解説
・平均偏差値「当該大学合格者」の「前年の模試における偏差値」の平均値
・ボーダー偏差値「当該大学の入試」において「合否確率が半々 (50%)」になる偏差値
小学校お受験における合格の可能性は特に偏差値のみでは計れませんが、受験する多くの子どもが参加する模試では点数に応じて偏差値が算出され、志望校ごとの合格の可能性が算出されます。この点に関しては、規模が小さいものの、中学受験、高校受験、大学受験と同様です。
また、難関校においては具体的な合格可能圏の偏差値が開示されていますので、その範囲でお伝えさせて頂きます。
掲載する情報はあくまでも模試の合格偏差値であり、小学校の優劣や合格の可能性又は受験難易度ではありませんのでご留意くださいませ。
実際の小学校お受験ではご家庭の総合力が合格可能性に影響します。この点が中学受験以降と大きく違い、重要な点でもあります。
偏差値の捉え方
一般的に偏差値は、高い方が合格が難しいという印象があります。偏差値とは偏差の度合い、端的に言えば、平均点からどの程度離れているかを示す指標をいいます。
小学校お受験においての偏差値の評価は、中学校受験以降と比較して特に重要性が劣ります。
なぜなら、中学受験以降はペーパーテストの割合が極めて高くなる試験であるのに対して、小学校ではペーパーテストが加味されるのはせいぜい3割~7割程度しかないからです。
加えて、この偏差値自体もあいまいです。なぜなら、ペーパー以外のテストの点数化は評価者や学校によって違いが生じ、基準が明確になっていないため公正な評価ができないからです。
その様な状況であっても、偏差値というものは受験校の難易度を示す一つの指標として目安となるため、日本ではよく利用されています。
※偏差値は海外では、あまり使用されておらず、入試が非常に厳しい台湾、中国、韓国でも偏差値は使われていない。
今回の小学校偏差値を算出するにあたり留意した点としては
・大手幼児教室模試の合格圏に入る偏差値
・具体的に幼児教室より情報開示があった学校の偏差値
の2点となります。
偏差値の基準となる多くの模試においては志望校(通常、複数校書けます)を記入します。そして、優秀な子どもが多く志望した学校の合格偏差値は高くなります。
※具体的に偏差値の開示があった場合は、その数値を考慮しています。
後述する偏差値は全体的に数字が低めですが、これは高いレベルの幼児教室で模試を開いた場合は、学力の差が個体に生じにくいためです。
偏差値は学力の差があり、不均一な数が多いほど上下の振れ幅が大きくなりますので、優秀者の偏差値は高くなります。一方、学力の差がなく、均一な集団で構成される試験においては、学力が高い集団であればあるほど、優秀者の偏差値は低くでる傾向になります。これは大学受験において、レベルの高い模試ほど高い偏差値がとれないのと同じ原理です。
※日本では「各大学の学力偏差値」は、「偏差値の高い大学=良い大学」という「偏差値の高さ=ブランド」としての意味合いを持つ。受験生が大学を選ぶ指標として「ブランドとしての学力偏差値」が使用される実態があり、多くの大学が「偏差値操作」を行っている実態がある、とされている。
小学校お受験対策で幼児教室に通ってない(国立受験者に多い)一定数の受験者は、幼児教室へほぼ通わずに受験へ臨みます。対策をしたか否かで、点数評価上は大きな差が生じますので、実際の偏差値としてはもっと上下にブレる可能性があります。
あくまで模試による偏差値と、大手幼児教室の講義で明言していた部分を偏差値ランキングにすると、下記の順に並んでいます。厳密には同じ偏差値帯で違いがありますが、これ以上分けると恣意的な面が作用する恐れがあるので控えました。
首都圏の国立・私立小学校の推定合格圏偏差値一覧
合格圏偏差値 国立小学校・私立小学校
【偏差値62以上】
慶應義塾幼稚舎
雙葉小学校
【偏差値60~61】
慶應義塾横浜初等部
早稲田実業学校初等部
【偏差値58~59】
暁星小学校
聖心女子学院初等科
白百合学園小学校
横浜雙葉小学校
洗足学園小学校
筑波大学附属小学校
【偏差値56~57】
立教小学校
立教女学院小学校
東洋英和女学院小学部
成蹊小学校
東京都市大学附属小学校
桐朋小学校
お茶の水女子大学附属小学校
【偏差値54~55】
田園調布雙葉小学校
東京女学館小学校
日本女子大学附属豊明小学校
東京農業大学稲花小学校
成城学園初等学校
宝仙学園小学校
森村学園初等部
東京学芸大学附属竹早小学校
東京学芸大学附属世田谷小学校
東京学芸大学附属大泉小学校
東京学芸大学附属小金井小学校
上記偏差値一覧では、留意すべき点が2点あります。
一点目としては、先に試験が実施される神奈川県の小学校です。神奈川県の小学校のお受験は概ね9月に実施されることが多いので、首都圏の小学校と併願しやすく、志望度合いとは別に多くの受験対策者が志望します。このため、志望度合いと相関せずに合格偏差値が上がる傾向があります。具体的な小学校としては、横浜雙葉小学校、洗足学園小学校などが挙げられます。
二点目は、受験者の月齢です。試験に月齢は影響しないと公言している学校もありますが、過半数の学校は、事実上何らかの調整を加えています。上記偏差値は月齢を8~10月生まれで算出した偏差値です。月齢が違う4月生まれは2~3足し戻して、3月生まれは2~3引き戻して合格偏差値の誤差を調整するべきと考えています。
特徴としては全体的に国立の偏差値が低く算出されていますが、国立は倍率が高いものの、難易度は抽選による倍率が含まれていると言えます。結論として、どんな実力者も抽選を通過する運がなければ受験できません。抽選倍率を加えた入学難易度であれば、筑波や竹早がトップになり、実力も踏まえた難易度では私立難関大がトップになるというのが現在の状況です。
また、倍率が高くて話題であった農大稲花(新設2年目)も偏差値としては思いのほか低く算出されました。これにかんしては、大手幼児教室にて明言されていたので信頼性は高いかと思慮しております。
※模試の偏差値を正確に算出できるのは大手模試数件
附属校の小学校受験と中学以降の受験偏差値の違い
前述の小学校お受験の偏差値は、同じ附属校が中学校以降にあっても中学以降の受験偏差値とは大きく異なることが散見されます。
理由としては、
① 偏差値は母集団の学力の差が大きくなると上下の差が大きくなるため低く算出されやすく、見かけ上の偏差値は中学受験の方が高くなりやすい
② 私立小学校の偏差値は、内部進学校や内部進学を保険とした上位の学校へ進学する期待値が含まれる
③ 私立小学校の恵まれた環境で6年間過ごす教育効果と、小学校のブランドを期待値として加味する必要がある
④ 国立と私立の小学校お受験の特性が明確化されており、国立と比較して私立の合格確率に運の要素が介在する余地に大きく違いがある
⑤ ④のため小学校お受験対策で幼児教室に通わせる確率が私立の方が高く、かける費用も比例して高くなる傾向になる
②を例に挙げて掘り下げてみると、中学受験で半数以上が上位の中学校に進学する私立小学校では、その進学実績に価値があるので、中学の偏差値より小学校の偏差値が高い位置付けになります。しかし、一方で中学の偏差値は全体的に大きくなりがちなので、その一部分だけ切り取るとわかりにくく、相対的に比較する必要があります。
この他にも試験日程や男女及び定員などにも影響を受けますので、小学校お受験偏差値と中学受験偏差値の同一化は参考程度に考えて下さい。
模試偏差値と合格難易度との違い
小学校受験はお子様が行う考査の他、願書、親子面接、ご家庭の属性、学校との関係(きょうだい、訪問回数)など様々な要素により、総合的に勘案して合否が決まります。この割合は学校それぞれですが、模試でカバーするのはあくまで考査部分のみです。
今回の偏差値は合格難易度とは異なりますので、解釈にはお気を付けください。
まとめ
小学校お受験の偏差値に関してはペーパーテスト以外での評価軸が多いため、実質的に目安としかなりません。特に国立小学校のお受験に関しては運の要素も強く、実験校的な側面を鑑みると早期教育による、お受験対策は情操教育と比較するとその比重は軽いと考察されます。
しかし、難関私立校を始めとする私立小学校のお受験では抽選の選別がないため、単純な考査評価と保護者面談の結果による影響が大きいため、早期教育による偏差値の向上を主眼とした教育が必要となる可能性が高いと思慮しています。
そうしたことも含め、次回以降で、コラムで述べますが教育というものの本質を互いに理解を深めていけたらな、と考えています。
私たちは、どの様な養育をしたいのか...するべきか...本当に考えていかないと、いけないと考えています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
今回のコラムも私の個人的な知見に基づくものですので、必ずしも正しいとは言えませんし、他で主張されている理論を批判するものではないことをご理解いただいたうえで、一考察として受け止めて頂き、大切なお子様のお受験に役立てて頂けたらと思います。
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