近年の小学校お受験試験内容の動向8 運動テストの内容 お受験合格への道2022
今回は近年の小学校お受験試験内容の動向の第8弾として運動テストの内容についてお伝えさせて頂けたらなと思います。
運動テスト
運動テストには、みんなで一斉に行う集団テストと、一人ひとりで行う個別テストがあります。
集団テストには、
・試験担当者のお手本を見て、同じ動きをする模倣体操
・タンバリンなどのリズムに合わせて行進をする
・片足で30秒間ほど立つバランス感覚のテスト
・指の屈伸
などが代表的です。
一方、個別テストは、
・ケンケン、ケンパー
・くま歩き
・ボール遊び
・ゴム段
・跳び箱
・平均台
と、いった運動をいくつか組み合わせて、先生の模範演技の後に一人ひと
りが挑戦するものがあります。
運動テストの出題例
運動テストでの実際の出題例をみていきましょう。
「床に引かれた真っすぐな線の上をケンケンで進み、平均台を渡り、次に跳び箱に登り、跳び降りて、得意なポーズをする」
この様なテストは多くの学校で実施しています。しかし、これは技を競う「競技大会」ではありません。
前述のような課題のほかにも、ボールを投げたり、ついたり、走ったりなどをしながら、年齢にふさわしい運動機能の発育状態を観察・評価します。
したがって、特別、難しいものはありません。一所懸命、子どもらしく、挑戦できれば、大きな問題はありません。
この運動テストも養育家庭での生活体験が、そのまま表れる設題です。
ボールをついたことのない子にボールをつけといってもできません。運動は、作業記憶を使い身体全体で学習するものですから、過去の体験がそのまま表れます。
受験では運動器官に、何らかの障害がある場合はともかく、普通の発育状態で、みんなができる運動ができないのは、親がさせていないから、と評価される場合もあります。
また、みんなができることができないと、学校生活でのいじめの原因になったりもしますので慎重に判断されます。
一方で、小学校のお受験対策としてスポーツ教室に通って、飛びぬけた動作をする受験生もいますが、
「みんな、下手だな……! こうやるんだよ!」
と、悪気がなく発言してしまう場合もあるので倫理観や道徳観念を養っておくことも必要です。
運動テストの評価ポイント
運動テストの評価のポイントは、模範演技をしっかり観察して、理解し、同様な動作が出来るかということです。指示の理解と的確な行動力を判定していると言えます。
また、待ち時間での姿勢も重要なポイントです。子どもは自分の順番が来るまでは、緊張していることが多いので、大きな心配はありませんが、自分の順番が終わると、気持ちが緩む傾向にあります。
他の子どもがやっている間、キチンと体操座りで待っていられるか。これも学校側の判断・評価のポイントと言えます。
まとめ
運動テストの評価は単に運動能力を評価するのではなく、運動に至る過程と、運動前後の姿勢、その背景にある家庭の養育環境を判断・評価している側面が強いと言えます。
また、運動と密接に関係する礼儀などを観察しているケースもありますので社会規範としての倫理観や道徳観念は養育のなかで養っておくことが大切です。
運動テスト対策としては、スポーツ教室に通わせるよりは過去に出題された運動を家族や友達と楽しく体験をしておくことで受験当日の緊張対策にも有効だと思われます。
近年では小学校お受験の内容に運動テストを含まない学校も徐々に増えています。それだけ、運動能力そのものは合格には大きな影響を与えないとみて間違いないでしょう。
運動テスト対策としては
・観察力→実施する行動を観察する力
・理解力→観察した動作を自身に投影する力
・行動力→理解した動作を実行する力
・忍耐力→自分の順番以外の待つ姿勢
・礼儀 →ルールを守ったうえでの挨拶、ふざけない
・倫理観・道徳観念→他人を思いやる心
・普段通りの力を発揮できる→緊張対策
と、いう点に留意してお受験準備を効率的に進めていきましょう。
また、運動中の表情や動きの大きさなどを評価する場合もありますので、それらに対する配慮も大切です。
※次回は、「面接テスト」についてお伝えします
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
今回のコラムも私の個人的な知見に基づくものですので、必ずしも正しいとは言えませんし、他で主張されている理論を批判するものではないことをご理解いただいたうえで、一考察として受け止めて頂き、大切なお子様のお受験に役立てて頂けたらと思います。
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