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近年の小学校お受験試験内容の動向10 よくある質問 お受験合格への道2022

 今回は近年の小学校お受験試験内容の動向の第10弾として小学校お受験に関して、よくある質問についてお伝えさせて頂けたらなと思います。

コロナの影響

 2020年からのコロナ禍の影響で日本の社会生活の様式が大きく変わりました。小学校お受験もコロナ禍の影響を受け2021年度入試(2020年お受験)の一部が変更となっています。

 2021年1月時点では、まだまだ収束の兆しはみえない状況であることから、2022年度入試(2021年お受験)の受験申込や型式、テスト内容の変更が大きく実施されることも考えられます。

 今回は例年の「よくある質問」を解説させて頂くとともに、今後、コロナ禍で変更になる小学校お受験の重要事項も随時配信していきたいと思います。

 特に2022年度入試(2021年度お受験)に関しては受験内容の大きな変革年度となる可能性が高いため、お受験を検討されている方は正しい情報を入手する力も必要となりますので、以前よりお受験の負担が増すことが考えられます。

 そのため、効率的且つ効果的なお受験準備ができるよう、不確かな情報に惑わされないことも大切になります。

小学校お受験のよくある質問

 コロナ禍の影響で小学校お受験のあり方が変更となることも考えられますが、例年、皆さまからよく聞かれる質問を少し記載させて頂きました。

Q1「問題集をやりたがらない」

A1「お子さまの学習に関してよくあることなので、強制させたり、怒るのではなく、お子さまに興味・関心を持って、特性や現在の状況をしっかりと把握することから始めましょう。把握できたことを学習と結びつけて工夫し、意欲を引き出すことが大切です。」

 A1に関してもう少し掘り下げてみます。

 ① 子どもに興味・関心を持つ
 子どもに学習意欲がない場合は、子どもが何に対して興味・関心があるのか、成長の段階はどの程度なのか、どういった志向性があるのかを生活動態を観察して把握します。

 ② 子どもに適した方法で学習を促す
 自身の子どもに適した方法・段階で学習を促しましょう。時には何らかの報酬を設定しても良いかもしれませんが、理想は報酬を設定しない促しかとは思いますので③に注力しましょう。可能であれば、学習方法を工夫することによって学習意欲を高めましょう。

 ③ 行動を強化する
 学習したことを褒めることにより、子どもの行動を強化しましょう。褒められた体験によって学習という行為が成功体験となって、行動選択が強化されます。

 ※学習の仕方の工夫
 学習の仕方を工夫するには、子どもの特性や周囲の環境を利用しましょう。また、学習の仕方そのものより、目標設定を明確にすることにより意欲が高まることもあります。何のために学習をするのか、それにより、子どもにどんな変化が生じるのか想像をさせることも大切です。

 例
 ・学習させたいことを学んでいる友達を引き合いに出す
 ・子どもが好感を持っている相手(父や母など)への影響を連想させる
 ・憧れている職業や物に関連付ける

 など、様々な手段があり、それは子どもの数だけあるといっても良いかもしれません。

Q2「幼稚(保育)園の先生から、話をきちんと聞いていないといわれる」

A2「小学校のお受験で重要な一つに、①人の話を聞く力をつけることと、②姿勢を身につけることが挙げられます。少し、ややこしい話になってしまうかもしれませんが、話しを聞く力と、姿勢を身につけること、は内容が違います。どちらも、お受験には大切なことなので養育のなかで適切に養っていきましょう。」

 ① 人の話を聞く力をつけること
 これは、耳から聞こえてくる音を言葉として聞き取り、単語を類推して繋ぎ合わせ、内容を把握することです。

 ② 姿勢を身につけること
 これは、2つの意味があります。一つは①の効果を高めるためとしての意味。もう一つは他者から見て一般的にしっかり聞いている態度に映るかという意味があります。

 幼児はアウトプットの能力が成熟しておらず、また一般的な常識も養われていないため、話しを聞いて理解する力はあっても、他者から人の話を聞いていないと思われる姿勢や態度をしてしまっていることによって、話しそのものを聞いていないと評価される場合がありますので、客観的に視覚で認識できるような姿勢を身につける様に心がけましょう。

 また、小学校お受験のペーパーテストはプリントを見ても、解答はダミーも含まれており、設問の記載はありません。

 受験者は、スピーカーから流れる言葉を聞き取り、理解した後で解答を選択します。

 行動観察型のテストも同様で、出題者の言葉を聞き、理解し、迅速に対応しなければ、正答となりません。

 言葉を聞く力を養うためには、まず、お子さんの話をきちんと聞くことから開始しましょう。

 家族が自分の話を聞いてくれるのは、子どもにはとてもうれしいことです。そこから、「話はきちんと聞くものだ」ということを学習し身につけてていきます。

 そして、本を読み聞かせすることも大切です。
 興味のある本であれば、子どもは静かに聞くはずです。聞く姿勢が整っていない場合は、都度、教えることも重要です。そうしたことから、幼児の行動は強化されていきます。
 
 話を聞く力や姿勢は、言葉のキャッチボール、楽しい会話と、お子さんが興味を持っている本を読んであげる、本の読み聞かせなどから身についていきます。

Q3「昔話の出題率が高いようですが、なぜでしょうか」

A3「常識の領域で、例えば、桃太郎と猿、犬、雉の家来や、黍団子、鬼など物語に出てくるものを線で結ぶといった形で出題されることがあります。

 昔話は、多くの場合『昔々、あるところに、おじいさんとおばあさんが、住んでいました』と、『いつ、どこで、誰が』と明らかにし、『何を、なぜ、どのように』と、いわゆる【5W1H】の形式で展開しますから、わかりやすく構成されています。

 そして、内容は、勧善懲悪で、正しいものは必ず報われ、悪者は、懲らしめられます。

 5歳頃からは未分化であった情緒が分化され、喜怒哀楽の感情がはっきりと表れてきます。

 情緒に刺激を与えられることで、ずるい人間には憤りを覚え、悲しい話には涙ぐみ、幼いなりにも善悪に対する分別、倫理観や道徳観を育んでいると考えられます。

 小学校お受験で昔話が出題されるのは、昔話で学習した様々なことを、幼稚園や保育園の生活で体験学習をし、社会性、協調性といった集団生活への適応力を養い、それが小学校生活をスムーズに送れる基礎となっているため出題されていると言えます。

 お受験対策として、日本の五大昔話である『桃太郎』『花さかじいさん』『舌切り雀』『さるかに合戦』『かちかち山』の5つは最低限、あらすじを覚えていることが好ましいと思います。

まとめ

 小学校お受験を控えていると、必要以上に色々なことに過敏になり不安になるものですが、幼児に求められている能力や知識はそれほど高度ではありません。

 大切なのは、情報に振り回されず、お子さまにとってどの様な成長が好ましいかを常識の範囲で考えれば大きな間違いはありません。

 敢えて、忘れがちになってしまうことで、お受験準備として大切なのは情緒教育です。情緒教育とは社会規範を中心とした倫理観や道徳観念の教育であり、挨拶を中心とした礼儀作法、一般的な対人コミュニケーション技術であると言えます。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
 今回のコラムも私の個人的な知見に基づくものですので、必ずしも正しいとは言えませんし、他で主張されている理論を批判するものではないことをご理解いただいたうえで、一考察として受け止めて頂き、大切なお子様のお受験に役立てて頂けたらと思います。

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