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相互作用について

はじめに

本質は物事の根幹を成す不変な性質であり、概念を通して物事の本質を捉え概念と本質は相互に影響を与え合いながら変化・発展していく動的な関係です。

新たな経験や知識を得ることで既存の概念を修正し、新たな概念を形成し、この過程で本質に対する理解も深まるという本質と概念との相互作用があります。

ここでは、相互作用、インタラクションに着目して、本質と概念との相互作用だけでなく、一般的な相互作用、インタラクションについて具体的な例を挙げて述べます。

相互作用(インタラクション)とは

相互作用(インタラクション)とは、人と機械、人と人、モノとモノとの間で行われる相互作用のことです。情報科学の分野では、特に人とコンピュータとの間のやり取りを指すことが多いですが、人間同士のコミュニケーションや、人間とロボット、人間とAI、モノとモノなど、より広範な相互作用を含む概念として捉えています。

相互作用(インタラクション)は、一般的に「交流」「対話」「ダイアローグ」などとされます。人とコンピュータのインタラクションを例に挙げると、ユーザーがキーボードやマウスを使ってコンピュータに情報を入力し、コンピュータがその情報に基づいて処理を行い、ディスプレイに結果を表示する、といった一連のやり取りがインタラクションです。人とコンピュータで言えば、相互作用(インタラクション)はダイアローグと表現され、相互作用がないものは例えば「警告(アラート)」など一方的な通知です。

相互作用(インタラクション)の種類

相互作用(インタラクション)の種類は、関わる主体や媒体、目的などによって様々です。主なものを以下に示します。

  • 人とコンピュータのインタラクション
    ユーザーインターフェース (UI) やユーザーエクスペリエンス (UX) のデザイン、ユーザビリティなどであり、例えば、パソコン操作、スマートフォンアプリの利用、Webサイトの閲覧などです。

  • 人とロボットのインタラクション
    ロボットの動作やコミュニケーション能力、人間との協調性などであり、
    例えば、介護ロボットとのコミュニケーション、産業用ロボットとの協働作業、エンターテイメントロボットとの交流などです。

  • 人とAIのインタラクション
    AIの倫理、信頼性、説明可能性、人間との協調性などです。
    例えば、「壁打ち」とも言われるAIアシスタントとの会話、AIによる画像認識や自動翻訳の利用、AIを搭載したゲームとの対戦などです。

  • コンピュータを介した人間同士のインタラクション
    ソーシャルメディア、オンラインゲーム、ビデオ会議など、コンピュータネットワークを介した人間同士のコミュニケーションなどです。

相互作用(インタラクション)の要素

相互作用(インタラクション)の主な要素としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 入力
    ユーザーがシステムに行う操作や情報の入力です。キーボード、マウス、タッチパネル、音声入力など、様々な入力手段があります。

  • 出力
    システムがユーザーに提示する情報やフィードバックです。ディスプレイ、スピーカー、触覚デバイスなどの出力手段があります。

  • フィードバック
    システムがユーザーの入力に対して返す反応です。視覚的、聴覚的、触覚的なフィードバックなどがあります。

  • ダイアログ
    ユーザーとシステムの間で行われる一連のやり取りです。コマンド入力、メニュー選択、自然言語による会話などの形式があります。

  • コンテキスト
    相互作用(インタラクション)が行われる状況や環境です。ユーザーの置かれている状況、過去のやり取り、周囲の環境などが含まれます。

インタラクションデザイン

インタラクションデザインとは、ユーザーとシステムとの間のインタラクションを設計するプロセスです。ユーザーにとって使いやすい、分かりやすい、楽しいシステムを構築するために、以下の点を考慮する必要があります。

  • ユーザビリティ
    システムが使いやすいかどうかという要素です。
    学習しやすさ、効率性、記憶しやすさ、エラー発生率、主観的満足度などが評価指標となります。

  • ユーザーエクスペリエンス
    システムを使うことでユーザーが得られる体験という要素です。
    感情、満足度、楽しさ、没入感などが評価指標となります。

  • アクセシビリティ
    あらゆる人がシステムを利用できることという要素です。
    高齢者、障害者、外国人など、様々なユーザーのニーズに対応する必要があります。

  • アフォーダンス
    ユーザーにどのような操作が可能かを直感的に理解させるという要素です。ボタンのデザイン、アイコンの配置、アニメーションなどを工夫することで、ユーザーが迷わずに操作できるようにする必要があります。

相互作用(インタラクション)の応用

相互作用(インタラクション)の応用例として、次のものが挙げられます。

  • 情報機器
    パソコン、スマートフォン、タブレット端末など、私たちの生活に欠かせない情報機器の操作性向上に役立っています。

  • Webサイト
    Webサイトの使いやすさ、分かりやすさを向上させることで、ユーザーの満足度向上に貢献しています。

  • ゲーム
    プレイヤーの没入感を高め、ゲーム体験をより豊かにするために、インタラクションデザインが重要な役割を果たしています。

  • 教育
    eラーニングシステムなど、学習効果を高めるためのインタラクティブな教材開発が進んでいます。

  • 医療
    医療機器の操作性向上、患者とのコミュニケーション支援など、医療現場におけるインタラクションの重要性が挙げられます。

  • 芸術
    インタラクティブアート、メディアアートなど、芸術表現の新たな可能性が広がります。

まとめ

上記の通り、相互作用(インタラクション)について述べました。双方向の作用や双方向のコミュニケーションによって、新たな気づき、発見や体験が得られると期待します。


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