【国宝探訪】日本国宝展@東京国立博物館
この探訪記は2014年10月17日のものです。
14年振りの「日本国宝展」が始まりました。事前に展示リストを見て、これといった目玉がないと思って少しガッカリしました。でも、行ってみたら、確かに目玉はありませんでしたが、展示方法とライティングがよかったです。
絵巻物や書物は広めに場所を取ってましたし、他のもギュウギュウの展示じゃなくて見やすかったです。逆から言えば、数が少ないからこういう展示になってるんですよね。それでも、絵巻物は結構な人だかりになっていました。
初めて見た国宝では「一字蓮台法華経」(大和文華館)と「飛青磁花生」がよかったです。どちらもそれほど期待していなかったので、やっぱり実物を観てみないとわかりませんね。
初めてではないものでは「周茂叔愛蓮図」「智積院障壁画」がよかったです。「周茂叔愛蓮図」はいつ以来かもどんな画だったかも憶えていませんでしたが、あんなによかったかなぁ。こういう再会が楽しいですね。障壁画は息子・久蔵の「桜図」が好きですが、等伯もやっぱりいいです。
一番よかったのは「五重小塔」でした。所蔵元より明るいので細部まではっきり見えました。そして、三千院の「勢至菩薩&観音菩薩」も普段はあんなに明るいところで、近くからは見ることはできないんです。間近から見て癒されました。
「合掌土偶」は相変わらずボケ~ッと体育座りしていました。そうそう、「東大寺金堂鎮壇具」ってリストで見たときにはまったく気づいてなかったのですが、なんと、発見されたとき新聞を賑わした聖武天皇ゆかりの陽剣・陰剣のことでした。これが一番の目玉だと思います。
その他、「東寺百合文書」「日本書紀」「類聚国史」と教科書に載ってる史料が見られたのが嬉しかったです。
ついでに、正倉院宝物の中でも超有名な「鳥毛立女屏風」も観られました。
今日は人が少ない時を狙って、夜8時まで開館してる日のあと2時間を切ったあたりで滑り込んだんですが、さすがに目移りして、時間が足りなかったです。
まとめて国宝指定されている仏像たちが全部揃ってないとか、同じ所蔵元だったらこれじゃなくてあれを借りて欲しかったとか、いろいろありますが、同じ部屋に観音菩薩と五重小塔がいる贅沢すぎる雰囲気とか、全体的には満足な展覧会でした。