【国宝探訪】北陸・冬の旅
この探訪記は、2012年12月8、9日のものです。まだ北陸新幹線が開通する前の初めての石川・富山の旅でした。
前日くらいから暴風雪やら爆弾低気圧とかいう単語が天気予報で飛び交っていましたが、途中の新潟あたりがダメで目的地の金沢は普通の雪か雨の予報だったので、大丈夫だと思っていました。ところが、なんと、石川県内で強風のため列車が止まってしまい、富山駅で足止めされました。雨雪は覚悟してましたが、まだ爆弾低気圧が居座って、暴風になっていたなんて、予想外でした。はたして、無事に金沢に着くのでしょうか。。。
結局、1時間半以上遅れて金沢に到着。最初の予定ではランチだけして富山の高岡に行く予定でしたが、ダイヤの乱れで帰って来られない可能性があったので、次の日に回しました。
金沢は雨や雪は降っていませんでした。しかし、吹き飛ばされそうな猛烈な風で、雨雪が降ってきたら、どうなるんだろう。。。
心配はしながらも、ホテルにチェックインした後、近江町市場へ。
ネタがはみ出すほど大きい海鮮丼をいただきました。私はブリが大好きなので、大きな刺身が3切れ、さらに友人とカニ、ブリトレードが成立してもう一切れゲットできて、楽しすぎました。脂が乗っていてサイコーに美味しかったです。はるばる金沢まで来た甲斐がありました。近江町市場をブラブラしてビックリ。どの店も蟹、カニ、かにのオンパレード。そして、お歳暮の熨斗がついた発泡スチロールの箱にはブリ魚が一本まるごとドドーンと入っていたんです。ブリ、貫禄がありました。
その後は予定を変更して、県立美術館へ。嵐のような風に加えてとうとう雪も降ってきて…あれ?晴れ間も見える。なんじゃこりゃあ的な天気の中、バスに乗ればいいものの、雪でテンションが上がり、ひたすら歩く、歩く、風が吹こうが、雪が降ろうがただただ歩きました。そういえば、誰も歩いてなかったなぁ。
本当はメインだったはずの21世紀美術館が1週間休館だったので、外観とフリーゾーンの屋外展示だけ見ました。
しかし、この大事なところで、初めての土地、強風と雪、首痛で寝不足という要因で道を間違えて、テンションが下がりました。それでも、やっとの思いで県立美術館に到着。旅の目的の一つである仁清の雉の香炉を拝観しました。元は一対っぽいのに、色が派手な雄は国宝、地味な雌は重文というのが、なんだかなぁ。雌の方が動きもあって、顔もかわいかったです。
帰りも結局ホテルまで歩きました。夕方からは雷も鳴って、そのときだけ、雹だか霰のようなものが降り、何がなんだかよくわからない天気でした。
二日目は、初日に行けなかった富山県高岡の瑞龍寺へ。行きの電車は若干遅れた程度でした。が、高岡駅を降りるとすごい風で雪も降ってきました。
今日も飛ばされそうになりながら、傘もさせずに、雪中行軍。そして、今日も誰ひとり歩いていない…。
歩くこと、10分程度。雪の瑞龍寺に到着。凛とした門構えが名刹を予感させます。しかし、だんだん雪が本降りになってきたので、受付の方に「まぁ、こんな日にわざわざ」と恐縮されてしまいました。それでも、観光客は何人かいたのです。女性2人組がいたようで、友人の話では歴史トークに花が咲いていた様子でした。
山門
白い雪に黒っぽい建築が映えます。堂々とした素晴らしい建築でした。
大変な思いをしましたが、雪の時に来てよかったと思いました。
仏殿
法堂
瑞龍寺は驚くほど整った伽藍配置になっていました。山門・仏殿・法堂が縦一直線に並び、周囲が回廊で囲まれています。江戸時代に一から建てられたとは思えない重厚で威厳のある大伽藍でした。こんな伽藍が富山で見られるなんて、感激です。
拝観していると、お寺の方に声をかけられ、この時期にこんなに天気が荒れて、雪が降るのは珍しいとのことでした。やっぱり雨女の仕業……的な友人の視線がイタい。しかも、東京からやってくる人はあんまりいないようで、しきりに感心されました。帰りは門前でタクシーを呼びました。法堂に入る時に靴を脱いで足が冷え切っていて、歩く気にならなかったので。
金沢に戻る電車は20分ほど遅れていました。途中、倶利伽羅という駅があり、変に猛々しい牛の銅像があったので、何事かと思いましたが、駅に木曽義仲の絵(しかし、アニメ調)が描かれていました。おおっ、ここが倶利伽羅峠の戦いがあった場所か!友人に木曽義仲の話をして大いに盛り上がりました。
金沢に戻り、駅に不室屋という加賀麩の老舗がやっているカフェがあったので、そこで遅めのランチを食べて、近江町市場や駅でブラブラしながらお土産を買ったところまではよかったのですが。。。
駅の改札の側を通ったときに友人が、ダイヤが1時間以上遅れていることに気づき、越後湯沢からの新幹線に間に合わないと二人で青くなりましたが、幸か不幸か、上越新幹線も停電で長時間止まっていたことを知りました。
今更仕方がないということで、18時過ぎの予定していた特急で帰ることにしました。特急は案の定20分近く遅れ、本来ならば、乗り継ぎの新幹線に間に合わなかったのですが、上越新幹線も遅れていたおかげで、スムーズに乗り換えができました。新幹線がホームに入ってきたのを見て、こんなにホッとしたのは初めてです。
今回の国宝探訪は天気に振り回されっぱなしでしたが、ある意味いい思い出になりました。雪のせいで金沢で撮った写真は全部グルメ写真という、なんともいえない結果に茫然としましたが。こんな天気のなか、わざわざ高岡まで引きずられた、寺社にはそれほど興味がなくても毎回国宝探訪に付き合ってくれる友人に本当に感謝したいです。
基本情報(2022.3現在)
※ ルートは私が探訪時利用したものを基本としています。
瑞龍寺 富山県高岡市関本町35
高岡駅から徒歩10分
公式サイト→https://www.zuiryuji.jp/
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