【国宝語り】この秋の国宝公開
今年も秋の展覧会などで国宝が展示されています。今年の春の展覧会より珍しいものが多いような気がします。
昨年、地元のお祭りに合わせて公開された菅田天神社の「小桜韋威鎧」ですが、今年も10月20日のお祭りに合わせて公開されるようです。これまではめったに公開されませんでしたが、毎年恒例になるといいですね。詳細はリンク先の『広報こうしゅう10月号』の13ページをご覧ください。
法隆寺「四騎獅子狩文錦」9月27日から10月27日まで
「黒漆螺鈿卓」9月27日から11月24日まで
公式サイト → https://www.horyuji.or.jp/
国宝の宝庫・法隆寺では3年ぶりに大宝蔵殿で特別展が開催されています。「法隆寺を彩る動物たち」という国宝が展示されているとすぐにはわからないタイトルなのですが、あまり展示されることがない「四騎獅子狩文錦」と「黒漆螺鈿卓」が揃って展示されています。この2件は法隆寺の国宝のうち見るのが最後になってしまった2件なんです。今回はその2件をまとめて見る絶好の機会です。
林原美術館「太刀 銘吉房」「太刀 銘備前国長船住左近将監長光造」「短刀 無銘正宗(名物九鬼正宗)」10月1日から12月15日まで
岡山市にある林原美術館には国宝の刀剣が3件あります。開催中の開館60周年記念展では国宝の刀剣が揃って展示されています。それなりに展示はしていますが、不定期で毎年必ず展示されるものではありません。この機会を逃さない方がいいと思います。
石山寺「史記」「玉篇」「延暦交替式」「漢書」
10月12日から11月24日の一部期間 大津市歴史博物館「石山寺展」にて
今年の大河ドラマにも関連している滋賀県の古刹・石山寺には国宝が12件、そのうち建築の2件は常時見ることができますが、10件は典籍類のため、めったに公開されません。私も「淳祐内供筆聖教(薫聖教)」しか見ていません。
その石山寺の国宝の典籍類が地元・大津市の大津市歴史博物館の「石山寺展」で展示されます。展示される5件のうち「淳祐内供筆聖教(薫聖教)」は展示替えはありますが、全期間見ることができます。残りの4件は1~2週間しか展示されず、期間が重なっていないので、この4件を見るなら4回足を運ばなくてはなりません。せめて、前期に2件、後期に2件にしてほしかったですが、展示されるだけよかったと思います。次はいつ公開されるかまったくわかりませんので、なるべく見ておきたいところです。
この他に兵庫県神戸市の白鶴美術館でも開館90周年記念展覧会で所蔵する国宝が展示されるとの話ですが、公式サイトには詳細がなく、チラシによると「愚賢経 甲巻」は9月25日から10月14日まで展示されるようです。他の期間も展示されるとかもう一つの国宝「大般涅槃経集解」も展示されているとの情報もありますが、電話で確認した方がいいようです。
今回の展示情報のように、国宝は不定期に展示されるものも多く、中には今まで展示されたことがあるのかわからないものもあります。私の場合、見ていない国宝が90件くらいで、そのうち常時公開の建築などを除いた80件ほどは、展示される機会がかなり少ないと思われます。九州国立博物館の刀剣のように、たまたまタイミング悪く見逃し続けているものもありますが・・・。しっかり情報収集をして見ていない国宝を見逃さないようにしたいものです。
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