
【国宝探訪】神戸&大津
11月24日に神戸にある白鶴美術館と大津市歴史博物館に行ってきました。
白鶴美術館は阪急御影駅の北側の坂の上にあります。駅からは上り坂が多く、途中で振り返ると遠くに瀬戸内海が見えました。大きなお屋敷や高級そうなマンションが建つ地域のようですが、白鶴美術館の建物はひと際立派なものでした。

白鶴美術館という名のとおり白鶴酒造の美術館なのですが、お酒の関係ではなく、経営者が蒐集した美術品を展示する美術館です。今回は開館90周年記念展ということで、あまり展示されない国宝も展示されていました。
昭和6年に建てられた美術館は大富豪の洋館という雰囲気の建物で、とても豪華でランプや釘隠しなどあちこちに鶴をモチーフにした飾りがありました。
高い天井の展示室には中央に独立型のケースがいくつか配置され、国宝は2つまとめて一つのケースに展示されていました。「賢愚経」と初めて見る「大般涅槃経集解」はどちらも経典の類なので漢字ばかりですが、「賢愚経」の方が字が立派でよかったです。「賢愚経」は聖武天皇が書いたと伝わっているので、立派なのも頷けます。「大般涅槃経集解」は大般涅槃経の解説書なので、立派とかそういう観点で書かれたものではないのかもしれませんね。
その他、古代中国の青銅器や天目茶碗、青磁器などの優品が展示されていて見ごたえがありました。
東京には根津美術館、静嘉堂文庫美術館、五島美術館など財界人のコレクションを展示する美術館がありますが、藤田美術館といい、関西の財界人の美術館も素晴らしいですね。古い建物をそのまま使っていて、建物の良さでは一番かもしれません。
この日は状況によっては京都で紅葉を見るつもりで、見頃の天授庵、穴場の大河内山荘、経路の途中にある山科の毘沙門堂を候補に考えていたのですが、曇天だったので、経路から大きく外れている大河内山荘までわざわざ行くのもと思い、却下しました。残る2件のどちらに行くかは向かいながら考えることに。
電車を乗り継ぎ、京都の山科に着いた頃には晴れ間も出ていたので、簡単にランチを済ませて、とりあえず天授庵に向かいました。毘沙門堂はまだ5割くらいの紅葉ということだったので。
ところが、最寄り駅の蹴上の改札を出て、地上の出口に着いた頃には雨が降っていて驚きました。雨が降る予報ではなかったので、傘を持っていない観光客が出口に溜まる状態に。私も傘を持っていなかったので、諦めて大津に向かいました。
大津は雨がちょうど止んだところでしたが、この後も雨雲がやってくるとの予報だったので、急いで大津市歴史博物館に向かいました。
大津市歴史博物館では2回目の石山寺展で国宝の「漢書」を見ました。漢字だらけの文の中で「四面楚歌」の四文字を発見!知ってる単語を見つけると嬉しくなりますね。
石山寺の国宝の典籍類はめったに展示されないので、この石山寺展に2回行くことにはなりましたが、合わせて2件観ることができてよかったです。
大津でも雨に降られ、博物館で足止めされましたが、まだ時間があったので、再度天授庵にチャレンジすることにしました。今度は雨も降っておらず、天授庵のある南禅寺までたどり着けました。南禅寺の境内も思っていたよりは紅葉が進んでいました。一番色づいている木があったので近寄ると、やっぱり天授庵でした。

期待して中に入ると、インバウンドもたくさんいて、譲り合わなければすれ違うこともできない状況でしたが、庭の紅葉を見るにはそれほど気にならず、気の済むまで紅葉を楽しむことができました。
最盛期には紅葉で庭が真っ赤になるのですが、少し早いこの時期は、赤、オレンジ、黄色のグラデーションが綺麗でこれはこれでよかったなと思いました。
同じような場所から見ても、日が差した時の方が綺麗ですね。
この日は天気がめまぐるしく変わって振り回されましたが、最後に日が差してくれてラッキーでした。

上の写真は以前新緑の時期に訪れたときの天授庵の庭園です。新緑も綺麗だったのですが、きっと紅葉も綺麗だろうから来てみたかったのです。
やっぱり京都のお寺の庭園の紅葉は格別ですね。何度か京都の紅葉を見ていますが、また紅葉だけのために京都に来たくなりました。
今回も日帰りの旅でしたが、なかなか展示されない国宝を2件見て、紅葉も楽しむことができて大満足でした。