【国宝語り】都道府県別の国宝の数と国宝探訪チェック


都道府県別の国宝の数について

現在、国宝は1125件です。
文化庁の 公式サイトに「国 宝 ・ 重 要 文 化 財 都 道 府 県 別 指 定 件 数 一 覧」が載っています。それによると、分類別の数としては以下のようになっています。
絵画 162件 
彫刻 140件
工芸 254件
書跡 228件
古書  62件
考古  48件
歴史資料 3件
建造物 228件

都道府県の特徴としては、一番多いのは283件の東京都、ついで京都府(237件)、奈良県(206件)の順です。東京都は建造物、仏像のような彫刻は少ないのですが、東京国立博物館以外にも私設美術・博物館が多いので、絵画、工芸、書跡の数が多くなっています。神社仏閣の多い京都府、奈良県は、書くまでもありませんが、東京都とは逆で、彫刻や建造物の国宝が多いです。
国宝がない県もあります。徳島県と宮崎県です。
全体を見ると、東日本より西日本の方が圧倒的に数が多いです。長い間、文化の中心は京都、奈良を中心とした関西だったということがはっきりあらわれています。
特筆すべきは、国宝の建造物が奈良県、京都府についで多いのは滋賀県ということです。琵琶湖が六分の一の面積を占めているので、意外な感じがしました。滋賀県には、国宝建造物の中でも、神社建築が多い印象があります。昔、滋賀県のとあるお寺で出会った宮大工の棟梁さんに「古建築が好きなら関西に住まないと」と笑って言われたことがありますが、国宝の中で、建造物が特に好きな私にとっては、東京近辺には建造物が少ないので、なかなかハードルが高いのです。


国宝探訪チェックについて

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1000件を超える国宝を見たかどうかの確認は、長年の国宝探訪に不可欠な『国宝の旅』(講談社)、『日本の国宝 週刊朝日百科』(朝日新聞出版)という国宝に関する書籍の索引をチェック表代わりにして行っています。チェック漏れが無いように両方の索引でチェックしています。ただ、どちらも古いので、新指定国宝については後ろに書き足しています。文化庁の検索システムも利用しています。刀剣は個人や企業と言った所有者が変更することも多いのですが、そこまでは追っていません。この作業は国宝探訪を始めたときからなんとなく行っていましたが、見た数が増えてきたとき、さすがに一つ一つは見たかどうか思い出せなくなったので、やっていてよかったと心から思いました。
国宝にはそれ1件で指定されているもの、一括で指定されているもの、附があるものがあります。一括で指定されているものをすべて見ることはできないので、一部でも見れば見たことにしています。八部衆の像のようなものも1体見れば見たことにしています。建築も神社の本殿のように全体を見られないものもあるので、一部でも見れば見たことにしています。そういう建築でも、特別に近くで見られる場合もあるので、その機会になるべく見に行くようにしています。附は建築における棟札など国宝の付属品のような意味合いなので、附だけ見た場合は見たことにはしていません。「帰牧図」(大和文華館蔵)は2枚の絵で構成されていますが、騎牛の方だけ国宝で、牽牛の方は附の指定です。どうしてそのような指定になったのか興味深いです。

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