見出し画像

【国宝語り】北海道・東北地方の国宝

今回は北海道・東北の国宝について書こうと思います。まず、特徴的なのは国宝指定されている土偶5件のうち、3件が北海道・東北のものということです。この中で好きなのは青森県八戸市の「合掌土偶」です。ちなみに、北海道の国宝は「北海道函館市著保内野遺跡出土土偶」1件だけです。土偶と言えば、国宝ではありませんが、ゴーグルをかけたような大きな目が特徴の遮光器土偶も主に東北で出土しています。


北海道・東北の国宝で有名で、なおかつ対照的なのは中尊寺金色堂と羽黒山五重塔でしょう。金色堂は瓦以外の部分に全体的に金箔が貼られ、その名の通り金色に輝いています。内部の柱や須弥壇などには螺鈿細工が施されています。金閣のように外に建っているのではなく、覆堂と呼ばれるお堂の中にありますので、金閣ほどのインパクトはありませんが、覆堂の中に入った瞬間、金箔の眩い輝きに圧倒されました。金色堂に安置されている仏像も国宝に指定されています。

それに対して、素木造りの羽黒山五重塔は木を彩色しないで建てられています。本来の木の持つ風合いが周囲の杉木立と調和していて一体感があります。

画像1

画像2

北海道・東北の国宝で一番印象に残っているのは水神社の「線刻千手観音等鏡像」です。直径15cm程度の花のような形の銅鏡に機械で彫ったとしか思えないような細い線で千手観音等が11体も彫られています。どのように彫ったのか気になるところです。水神社では年に一度の例祭のときに公開しているそうです。私は東北歴史博物館の展示でじっくり見ることができました。再度じっくり見てみたいと思っていますので、展覧会などの展示情報を収集し続けたいと思います。


東北大学が所蔵している『史記』と『類聚国史』は公開されることが少なく、このうち『史記』は見ていません。こちらも稀に展覧会で展示されるようなので、いつかは見られることを願っています。

※ タイトルの上の写真は白水阿弥陀堂です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?