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【国宝探訪】宇佐神宮・富貴寺

この探訪記は、前回の続き、2017年5月14日のものです。

この日は比較的予定に余裕があったのですが、乗る予定だった電車が大幅に遅れていました。
これではバスに間に合わなくなりそうだったので、少し前に出る予定の特急に乗ることに。
発車時刻が迫り、急いで特急券を買い、飛び乗ったら、まったく発車する気配がありません。
接続する特急が遅れているので、待っていると放送が流れました。
よく考えれば、遅れている電車と同じ線路を使っているので、特急も遅れてるわけです。


時間に余裕があったおかげで、特急が遅れてもバスに間に合う時間に宇佐に到着。
噂のUSA国旗風の駅名看板も観ました。
宇佐神宮も、駅前ですら何もないところなのに、そこだけ大型観光バスが何台も止まってました。

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宇佐神宮は境内が広かったです。伊勢神宮内宮の雰囲気を思い出しました。
宝物館にある国宝・孔雀文磬は奉納された日が刻まれているのが貴重みたいです。
古さは感じず、いま作られたと言われたら信じると思います。
国宝の本殿は門や塀に遮られ、ほとんど見えません。
数年前まで本殿を修理しており、その資料が棚に置かれていたので、いただきました。おかげで、本殿のことがよくわかりました。

宇佐神宮を後にして、今回の旅の一番の目的地、富貴寺に向かいます。

臼杵の磨崖仏とともに、国宝探訪を始めたときから観に行きたいと思っていたのが、富貴寺大堂です。
九州とはなかなか縁がなくて、チェックはしていたのですが、そうこうしているうちに、本に書いてあった路線バスがなくなっていました。
ますます足が向かなくなったのですが、九州、四国、山陰、東海くらいしか訪れてないところがなくなったので、ずっと訪れたいと思っていた富貴寺に行くことにしました。
宇佐神宮から豊後高田バスターミナルまでバスで行き、そこから最後の手段であるタクシーに乗りました。
平日はコミュニティバスが走っているという情報もありましたが、夏休みは台風や豪雨が心配で、冬休みは寒いかなと思い、それ以外で平日に行くのは難しいので、諦めました。

富貴寺に着くと、急な石段が。
受付の先まで続いており、その上に大堂と思われる屋根が見えました。
はやる気持ちを押さえて、石段を上ると、大堂の前には団体客が・・・。
静かなイメージだったので、ガッカリしましたが、団体客はすぐに移動し、静かになりました。
しかし、これほど交通の便が悪いのに、参拝客が途切れることはありませんでした。
国宝を観に行くと、参拝客がまったくいないという寺社もたまにあるので、さすがに名の知れた古刹だけあると感心しました。

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大堂の屋根は行基葺きの瓦で、宝形造り。
シンプルな舟肘木など、見るからに古い様式でした。
この大堂と平等院鳳凰堂、中尊寺金色堂が日本三阿弥陀堂と呼ばれているそうですが、私は大堂と同じく素朴な外観の白水阿弥陀堂を思い出しました。

今回は天気がよかったので、内部の拝観もできました。
大堂の内部は、かつては極彩色で仏教の世界が現されていました。
今でも、わずかに遺る壁画を観ることができます。

この大堂は何度か壊され、その度に修理されてきたそうで、興味深かったのは、豊後を支配する戦国大名・大友宗麟がキリシタンだったため、攻められ、破壊されたということです。
違う宗教が両立するのは難しいことだと改めて思いました。
このような山の中で、ずっと守られ続けた建築を眺め、感無量でした。
久しぶりに心の底から感動する建築に出会えました。

帰りのタクシーで、大堂は素晴らしい建築と運転手さんに伝えると、近くで育ったそうで、身近すぎて、良さがわからないそうです。
同じ三阿弥陀堂なら、中尊寺の金ぴかなのがすごいだろうと仰ったので、大堂の素朴な感じがいいんですよと言っても不思議がられました。
これほど古い建築様式は珍しいので、大事にしてくださいと伝えました。


豊後高田のバスターミナルまで戻り、そこで空港行きのバスに乗れるので、時間まで町をブラブラ。
豊後高田は昭和の町を観光の目玉にしています。
商店街にもレトロな外観や看板のお店がいくつもありました。

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昭和のモノを集めた施設もあり、ボンネットバスやミゼット、スバル360など懐かしい車やブリキの看板、BGMもヤン坊マー坊天気予報の歌や文明堂のカステラの歌など懐かしいものばかりで、時間を忘れるくらいでした。
でも、一番昭和を思い出したのはあちこちにつばめの巣があったことです。
私の家の周りではすっかり見なくなったので、昭和の優しさというか温かさが懐かしく思いました。

空港行きのバスはほぼ定刻どおりで、順調に帰ってきました。


国宝探訪としては初めて訪れた大分県でしたが、国宝以外にも、臼杵の城下町や豊後高田の昭和の町と言った素敵な町並みも多く、ぜひ再訪したいと思いました。


基本情報(2021.1現在)

※ ルートは私が探訪時利用したものを基本としています。

① 宇佐神宮  大分県宇佐市南宇佐2859

  宇佐駅からバス 「宇佐八幡」バス停下車すぐ(境内が広いので、本殿はすぐ近くではありません)

  公式サイト → http://www.usajinguu.com/

② 富貴寺 大分県豊後高田市田染蕗2395

  宇佐駅からバス 「豊後高田バスターミナル」下車 タクシー15分

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