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教員だって失業手当もらえる
はじめに
退職金は出るけど失業手当は出ない。それ勘違いです。
私は数年前に教員を退職しました。
公立学校の正規教員で、いわゆる公務員でした。
その時、「退職金」や「健康保険」の手続きは各関係機関から連絡をいただいたのですが、1つだけ、自分で申請して得たお金があります。
それが、「失業者の退職手当」です。
一般企業にお勤めの方は、「失業手当」というものを聞いたことがあるかと思います。
会社が倒産したときや、やむを得ない都合で退職したときにもらえるのが、「失業手当」です。
これ、はたから見ると公務員には関係ないように感じますよね。
だって、公務員は雇用保険に加入していませんから。
退職金をもらえるのだから、失業手当はもらえないよ。
そんな風に思っていました。
でもそれ、嘘でした。
教員でも、失業手当をもらえる場合があるんです。
「失業者の退職手当」ってなに?
そもそも、失業手当って?
(ここでは「失業者の退職手当」と呼ばせていただきます)
失業者の退職手当とは、雇用保険の失業給付に相当するものです。
公務員は、民間企業と比べ失業する可能性が低いため、
雇用保険の対象から除外されています。
(公務員は雇用保険に加入してないってことです)
でも、退職手当でもらえる額と、本来雇用保険に入っていたらもらえるはずだった失業給付の額に差があれば、その分を請求できる制度があるんです。
嘘でしょ、と思いました。
こんな制度があるなんて。
対象者は?
ただ、全員がこのお金をもらえるわけではありません。
どんな人が「失業者の退職手当」をもらえるのでしょうか?
主なポイントは2つ。
・勤続期間が12カ月以上。
・退職手当が、雇用保険の規定する基本手当の総支給額に満たない。
他にもいくつかありますが、ここでは簡潔に2点だけ挙げておきます。
退職金が多い場合は、対象者ではなくなるそうです。
(定年退職とか)
明確に調べたわけではないのですが、勤務期間が数年、という方が該当するかと思います。
どうやって申し込む?
ごく簡単に流れを書いておきます。
お住まいの地域の共済組合に連絡して、関係書類をもらう
↓
失業者に認定してもらう
↓
求職活動をする
↓
銀行口座に振り込み
一般的な失業手当をもらう手続きを似ています。
私の場合は、4月に認定を受け、最終的にお金が振り込まれたのは半年後。
正直、時間は結構かかります。
そもそもなんでこの制度に気づいたのか?
きっかけは、母でした。
「教員を辞める」と言ったら、次の日くらいから毎日のように「失業手当をもらいなさい」「手続きをしなさい」と口酸っぱく言われていました。
母は一般職なので、公務員が雇用保険に入れないことは知りません。
でも、それを何回説明してもわかってもらえなくて。(笑)
そんなことは関係ないから、絶対もらいなさいよ!と言われ続けました。
言われ続けて何回目だったか、聞き流しながらも試しに調べてみました。
「教員」「失業手当」とか、ネットで検索したような。
そうしたら、案外、いけるかも、しれない?
ということがわかってきました。
(母に感謝ですね)
ただ、詳しいことはやっぱりよくわからない。
学校でも誰も教えてくれませんし、誰も経験ありませんからね。
知りたかったら共済組合へ
「教員」「失業手当」で調べてたどり着いたのは、共済組合でした。
ホームページに規約が載っていて、失業手当っぽい項目もあったと思います。
自分が該当者なのか、そもそも失業手当があるのかは、お住まいの自治体によっても変わるかもしれません。
お住まいの地域の共済組合のホームページを観たり、直接電話したりして、確認してみてください。私は電話で問い合わせました。
具体的な手続きはこんな感じ
ここからは、覚えている限り「失業者の退職手当」給付までの流れを書いていきたいと思います。
退職直前の3月下旬、住んでいる地域の共済組合に電話をかけました。
「失業者の退職手当に該当するかどうかお聞きしたいのですが…」
結果、「調べて、該当するようだったら書類を送る」とのことでした。
その後。
届きました。
共済組合からではなく、採用されていた自治体から。
(2者間でやりとりがあったのだと思います)
ここから給付にいたるまでは、自治体とのやり取りになりました。
(都庁とか、県庁とか。給与系の部署でした)
まずは、受給資格の認定手続きが必要のようです。
受給資格があるのかないのか、判断されるとのこと。
(すぐにオッケー、というわけではありませんでした)
手続き書類がたくさん。
退職後の4月、以下を自治体担当者に提出しました。
①受給資格申請書
(名前など記入)
②医師の健康診断書
(身長や体重、内科診察など。就労可能か判断するため)
→実費で数千円ほどかかったと思います。
③求職申込証明書
住んでいる地域の公共職業安定所(ハローワーク)でもらう。
「退職票」を提示して求職の申し込みをするともらえます。
(退職票は送られて来た書類に入っていました)
書類を揃えて、4月半ばに送ったと思います。
そして、4月下旬。
きました。
認定です。
ただ、まだ先があります。
ここでは資格がある、というだけで、実際に手当が支給されたのは半年以上後のこと。
続き、書いていきます。
認定後、給付制限期間(数ヶ月)、待期期間(数ヶ月)、支給日数期間(数十日)があります。それらを経て、やっと支給。
給付制限期間や待期期間が何なのかは、私も手続きしておきながら最後までよく理解できませんでした。(お恥ずかしいですが)
「そんな期間があるのね」くらいに流していただけると嬉しいです。
これらの期間に、やるべきことがたんまり。
(ただ待っていたら勝手にお金が振り込まれるわけではないんですね…。)
その期間失業していること、そして求職活動をしていること。
その証明をしなければなりません。
具体的には、この期間中に定期的にハローワークに通って、「失業証明」を受けたり「求職活動」をしなければなりませんでした。
期間終了後に提出した書類は以下の通り。
①失業証明書(ハローワークに書いてもらう)
②失業期間の状況証明(行った求職活動について記載)
③手当支給申請書(名前とか記入。ハローワークに書いてもらう箇所あり)
④口座振替申請書(ここに振り込んでね、の申請)
⑤受給資格認定書(送られて来たものをそのまま返すだけ)
この中で大変(?)だったのは、②の求職活動。
給付制限期間や待期期間の間に、3回以上の求職実績が必要でした。
求職実績として認められるのは、職業相談や面接、筆記試験など。
ネットで求人票を眺めるだけでは不十分みたいです。
私の場合は、ハローワークが開催している就職セミナー、企業説明会、職業訓練校の説明会に参加して、実績としました。
(書類には、これに参加してこんなことをした、と簡潔に書くところがありました)
そんなこんなで、手続きがすべて終了したのは10月ごろ。
そして、書類を提出してから約1ヶ月後にようやくお金が振り込まれていました。
申請してよかった?率直な感想
よかったです。
それはもう、よかった。
手続きなどややこしいところもありましたが、
振込額を見た時に「これ、何もしなかったらもらえてないお金だったんだよなぁ」と思うと、がんばってよかった!と思えたのでした。
実際どれくらいもらえたの?
気になりますよね。
どれぐらいか…?
あるとかなり嬉しい額です。
今すぐこの金額払って!と請求されたら結構抵抗するレベル。
そんな感じで答えとさせてください。
手続きを進める上で、つまづいたことも何度かありました。
一番困ったのは、自治体とハローワークの間で対応が違ったことですかね。
一般的な雇用保険の失業手当と似ているのですが、全く同じではなく、似て非なるもの。
わからないことがあって質問をしたら、てんやわんやです。
自治体の担当者もハローワークの担当者も、公務員の失業手続きの経験は前代未聞のようで、なかなかスムーズに進まないこともありました。
自治体に聞いたら「ハローワークに準じます」、
ハローワークに聞いたら「自治体に確認してください」。
たらいまわしってこういうこと?
そんな状態に陥ったこともあります。
でも、いざお金が振り込まれると、やってよかった、と心から思いました。
これから教員を退職する方に、声を大にして言いたいです。
失業手当、もらえる可能性があるなら絶対申請してください!
もらえたはずなのにもらえないって、こんなに悲しいことはないです。
しかも、知る機会もありません。
教えてもらえません。
知らずに退職していった方もきっといらっしゃるのではないでしょうか。
もらえるものはフルでもらいましょう!