國學院大學発! ポッドキャスト新番組「学問のNUMA」 妖怪研究者が誘う、知られざる鬼の世界<前編>
第1回目のゲストは、妖怪研究で知られる飯倉義之教授
記念すべき第1回のゲストは、文学部日本文学科の飯倉義之教授です。
飯倉教授の専門分野は、口承文芸学や現代民俗。
特に妖怪伝承に造詣が深く、妖怪をこよなく愛する飯倉教授の講義は、毎回抽選になるほど学生たちに大人気! 國學院大學が誇る飯倉教授に、「知られざる鬼の世界」をテーマに前編・後編の2回にわたってお話ししていただきました。
「鬼滅の刃」が一大ブームとなり、注目を集めている鬼の世界。前編は、「学問のNUMA入門」として、日本における鬼の起源を明らかにするとともに、古代から現代にかけて鬼のイメージがどのように変化していったのか、その変遷を辿っていきます。「こんな個性的な鬼もいた!」と、意外な一面を持つユニークな鬼たちも紹介。聴けば、鬼のイメージが変わること間違いなし!
上古の時代、鬼は「目に見えないもの」だった!?
収録の冒頭、飯倉教授から二人にある質問が投げかけられました。
「鬼と聞いてどんなイメージを思い浮かべますか?」
これに対して、二人は、「赤くて、ツノが生えていて、棍棒を振り回すイメージ」で一致。では、日本人の間で共有されている“ツノが生えた赤い鬼”のイメージが固まったのは、いつ頃のことなのでしょうか。
飯倉教授の意外な回答に、「へえー!!」「おもしろすぎる!」と、さっそく鬼の沼に引き込まれる二人。
知的好奇心に火がついた二人の質問攻めにも、飯倉教授は動じることなく、一定のペースを保ちながら、感情豊かに語り続けます。さすが口承文芸学を専門としているだけあって、語り部としてもプロフェッショナル! 飯倉教授の語りを聴いていると、その時代の人々が生活を営む情景が目の前に浮かんでくるかのよう。語りの向こう側にある世界へと引き込まれていきます。
タツオ:飯倉先生、どこの引き出しを開けても笑顔で喋ってくれますよね。本当に鬼が好きなんですね。
宮田:すっごくおもしろくて、ずっと聴いていたいですね。
次々と繰り出される引き出しの数に圧倒され、鬼もさることながら、飯倉教授という人物の沼にもすっかりハマってしまったようです。
ーー収録を終えて、いかがでしたか?
タツオ:じつは、飯倉先生のことは以前から存じ上げていました。古代から現代まで守備範囲がものすごく広くて、とんでもない人がいるなと思っていましたが、数年ぶりにお会いして“病状が進行している”ことがわかってちょっと安心しました(笑)。一つ聞くといろんなところから答えが返ってくるので、もうどんどん引き込まれて。飯倉先生の授業を受けられる、大学生は幸せだなと思いましたね。
宮田:「もうめちゃめちゃ楽しくて、学生時代に抽選で落ちて、先生の授業を取れなかった恨みが消化されました(笑)。“鬼ってもともと姿形はなかったんだ”とか“鬼のはじまりってここからなんだ”とか、新鮮な驚きの連続でした。
飯倉教授:タツオさんはご自身も言語学を研究されていますし、宮田さんは学生時代に必修科目の『伝承文学概説』を受講されているので、説明しなくても伝わる単語が多くて、とても話しやすかったです。まだまだ引き出しの中身は出していけるんですけども、みなさん帰れなくなるのでこれくらいにしておきたいなと(笑)。
今回の配信は、漫画やゲームを通して鬼に関心を持っている人たちに、とくに聴いていただきたいです。鬼をモチーフにした作品が生まれる背景には、古代から受け継がれた文化の蓄積がある、そこに気づいて興味を持ってもらえるとうれしいですね。
みなさんを学問の沼へ誘う「学問のNUMA」の第1回<前編>は、
好評配信中。ぜひお聴きください!
取材・文:中里篤美 撮影:押尾健太郎 編集:篠宮奈々子(DECO)
企画制作:國學院大學