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胸の内を打ち明けられる友達がいることの、なんと尊いことよ/映画『きみの色』を観て考えたこと。

映画『きみの色』を観てきた。

高校生のトツ子は、人の「色」が見える。ある日、美しい色をした少女・きみと、音楽好きの少年・ルイと出会い、バンドを組むことになった。3人は、それぞれに悩みを抱えながらも、音楽活動を通して心を通わせていく。

明るく、いきいきとした色。淡く、優しい色。この映画では、人の個性がさまざまな色で表現されている。それらはどれも美しく、スクリーンは終始きらきらしていた。学園祭のライブシーンは、透明感のある歌声、テクノポップ調のオリジナル曲がとてもよかった。ぜひ、映画館の大音量で鑑賞してほしい。

さて、映画を観たあとに感じた、晴れやかで清々しい気持ちはどこからくるのか。それは、彼女らの自分と向き合う「まっすぐさ」にあると思う。

「今、いる場所に違和感がある」
「期待に応えたい自分と、好きなことをしたい自分がいる」

自分の気持ちに気づき、行動する。でも、そのことで家族や友達を傷つけたくはない。どちらも本当の気持ち。どうバランスをとるか。

人に思いを伝えるには、勇気がいる。なぜなら、否定されるのがこわい、がっかりされるのがこわいからだ。でも、トツ子、きみ、ルイは、それぞれの方法で周囲の理解を得ていく。迷いながら、悩みながらも、ワクワクするほうへ行こうとする。思いを共有して。

「すごく楽しいんだ」
「すごく嬉しいんだ」

そんな、言葉が印象的だった。
胸の内を打ち明けられる友達がいることの、なんと尊いことよ。

この映画を観て、「自分は、どんな色をしているのだろう?」と考えたが、よくわからない。でも、「こんな色になりたい」というのはある。私は、レモンのような黄色がいい。色にたとえると、なりたい自分が見えてくるような気がした。

最後に映画の主題歌、Mr.Children『in the pocket』の一節を紹介する。

昨日のシャツのポケットに
悲しみを置いていくんだ
今日からまた新しいあなたが始まる
心はずっと不安定で
カーテンのように揺れるけど
吹き抜ける風の
心地良さを感じて
ただ今を楽しんでいたい

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